欧米販売No.1のドラレコが日本初上陸! スマホ連携で愛車をコネクティッドカーに進化させる【Nextbase 522GWR】

ドライブレコーダーが一般ユーザーにとってもマストアイテムとなっているのは日本だけではない。2012年にイギリスで生まれたドライブレコーダーの専業メーカー「NEXTBASE」は、欧州では50%以上、イギリス国内に限れば78%と圧倒的なシェアを誇るトップブランドだ。そのNextbaseが、ついに日本初上陸を果たすという。それは単なる高性能ドラレコではなく、愛車をコネクティッドカーにアップグレードしてくれる「モバイル連携ドラレコ」だった。
REPORT:山本晋也(YAMAMOTO Shinya) PHOTO:井上誠(INOUE Makoto)

欧米No.1シェアを誇るイギリス発のトップブランドが日本初上陸!

Nextbaseドライブレコーダー「522GWR」

突然だが、みなさんは「Nextbase(ネクストベース)」のドライブレコーダーをご存知だろうか?
あまり馴染みがないと思う方もいるかもしれないが、Nextbaseは2023年4月に日本市場に上陸したばかりのイギリス発のドライブレコーダーなのだ。今回はその最新モデルを日本発売直前に試す機会に恵まれたので、実際に使ってみた感触をレポートしていこう。

まずは、「Nextbase」とはどのようなブランドなのか? というところからスタートしよう。
Nextbaseは2012年にイギリスで創業したドライブレコーダー専業のブランドだ。発売開始以来、欧米を中心とした合計18カ国で累計550万台を販売し、本社のあるイギリスでのシェアは78%、欧州で56%、北米でも20%と欧米でNo.1のシェアを誇っている。

Nextbaseは創業10年余りで欧米シェアNo.1を獲得するなど、急成長を遂げた世界のドライブレコーダー業界をリードするブランドだ。ちなみに、欧米ではドラレコを「Dash Cam(ダッシュカム)」というのが一般的だ。

欧州の自動車メーカーにも採用されるなど、品質も折り紙つきで、120以上の国際特許や意匠登録とともに数々の国際的な賞を受賞している。イギリス本国で研究開発を重ねた同社の製品には英国のクラフトマンシップが宿り、高性能でありがら日本製品にはないスタイリッシュなデザインを兼ね備えるなど、既存の商品群と一線を画す製品だ。

「Nextbase」の社名が表すように、イノベーションで次のスタンダードを構築し「業界標準の上をいく標準機能」を全モデルに搭載している。それだけでなく、Nextbaseのドライブレコーダーは他社製品にはない”体験“ を軸に考えられた独自の機能も実装しているため、今まで日本市場で販売されていた既存のドラレコに対して、デザインや性能面でシックリこなかったユーザーにおいても、きっと納得できる新たな価値をもった製品であると言えるだろう。

Nextbaseのドライブレコーダーを選ぶべき4つの理由とは?

ここからは『Nextbaseのドライブレコーダーを選ぶべき4つの理由』として、以下のことに注目してレポートを続けていこう。

【1】スマホ連携機能と3.0インチ大型ディスプレイ
【2】緊急時も安心の「SOS機能」を搭載
【3】高品質なレンズで夜間の撮影にも強い
【4】国内カスタマーサポート&店頭販売による安心感

NEXTBASE522GWR
シュッとレンズが飛び出した筐体は、マグネットでマウントに装着する。余計な配線が目立たないのがスマート。

【1】スマホ連携機能と3.0インチ大型ディスプレイで撮影動画の確認が簡単

今回、試用した「Nextbase 522GWR」には3.0インチの大型タッチパネル画面が備わっていた。ディスプレイ表示はクリアであるし、タッチパネルによるメニュー操作も直感的にできるため録画したムービーを再生するのは容易だった。

NEXTBASE522GWR
3.0インチのクリアな大型画面を装備。走行中にはオフにしたり、速度表示のスクリーンセーバーにすることもできる。

さらに、スマートフォンに専用アプリを入れることで、ファイルごとに録画した映像や位置情報を確認することができたり、ドライブレコーダー本体とWi-Fiでつなぐことで記録した映像を素早くダウンロードしたりすることも可能。トラブルやアクシデントの発生時のデータを共有することも簡単にできそうだ。

【2】事故などのアクシデントでも心強い、緊急時「SOS機能」を搭載

Nextbaseドライブレコーダーのストロングポイントであり、付加価値として注目したいのがスマートフォンと連携した緊急時「SOS機能」の対応だ。

一般的に車両に装備されるSOS機能とは、衝突事故などで強い衝撃を感知すると車載の通信機能を使ってSOSコールのセンターに情報を伝え、ドライバーの状況によっては緊急車両などの手配を行うというもの。

Nextbaseのドライブレコーダーが備えるSOS機能の場合は、ドライブレコーダーに内蔵されたGセンサーによって事故の衝撃を感知すると、独自のアルゴリズムで救急要請の要不要を判断する。救急要請が必要となった場合には、Bluetoothでつながったスマートフォンの通信機能を利用してセンターに連絡するという流れになっている。

NEXTBASE522GWR
SOS機能が起動してから180秒間であれば乗員によって連絡を止めることもできる。自身がキャンセルしない、できない状況にある場合には、そのままセンターに連絡がいく仕組みだ。

今回は、残念ながらというか、幸いにリアルにSOS機能に助けられることはなかったが、こうした機能はNextbaseのドライブレコーダーを選ぼうという強いインセンティブになると感じた。

むしろ「SOS機能対応のコネクティッドカーに進化させるデバイスに高性能なドライブレコーダー機能がついている」といったほうが、Nextbaseのアイテムの本質を表現しているかもしれない。

考えてみればドライブレコーダーというのは交通事故の際に役立つアイテムとして認識されている。そうであれば緊急時SOSコールができるようになるのは正常進化といえる。

どんなに古いクルマであっても、Nextbaseドライブレコーダーの電源(ほとんどのクルマに付いている12Vアクセサリーソケットだ)を確保できれば、愛車をアクシデントに備えたコネクティッドカーへと進化できるのだから、大いに注目すべきといえるのだ。

なおSOS機能の利用料については初年度無料、その後は一か月500円以下の予定で、月ごとに加入を選べるという良心的な設定となっている。

NEXTBASE522GWR
スマートフォンの画面では走行ルートと動画をリンクして確認することができる。このGPSデータはSOS機能での自車位置特定にも利用される。スマホやPCで情報を簡単に共有できる点は、あおり運転対策としても心強い機能だ。

【3】“F値1.3”高品質の明るいレンズ&映像調整で夜間の撮影にも強い

もちろん、ドライブレコーダーとしての基本性能が高いレベルであることは言うまでもないが、特に高品質の明るいレンズを採用していることに注目したい。
なかでも、今回試用した「522GWR」を含む上位機種において、フロント用カメラはF値1.3という非常に明るいレンズを使っている。ちなみに、「322GWR」以下の中位〜下位機種でも使用するレンズのF値は1.6となっているので一般的なドライブレコーダーと比べると、全体的に暗いシチュエーションにも強い傾向にあることがわかる。

撮影画角は、全機種共通で水平方向140度と十分に広く、歩道の様子もしっかり録画されていることが確認できた。もちろんLED信号機の状態が確認できないといったこともない。

NEXTBASE522GWR
今回試用した「522GWR」はF値1.3という明るいレンズを使っていることもあり、事故が起こりやすい夜間の映像もクリアだった。トンネルのようなシチュエーションでも自然に録画できていた。
ドライブレコーダーに適した映像調整により歪みなく鮮明。
夜問でも周囲の状況をクリアに記録できる。
NEXTBASE522GWR
「522GWR」以上のモデルは偏光フィルター付きのF値1.3という明るいレンズを標準で使っている。物理的に暗さに強いというのは安心感につながる。偏光フィルターは、その他の機種にもオプションにて装着可能。

また、「522GWR」には偏光フィルターを標準装備。ダッシュボードやフロントガラスの映り込みをほとんどなくすことができるため、よりクリアな動画を撮ることができるのもポイントが高い。

フロント用カメラの画素数は、上位機種(522GWR、422GWR)で370万画素、中位〜下位機種(322GWR、320GXR、220GXR、222G)で200万画素。最上機種(622GWR)では4K録画も可能という高スペックだ。

NEXTBASE522GWR
「220GXR」以上のモデルにはリヤ用カメラが付属する。カメラ本体は非常にコンパクトで視界のジャマにならない。

リヤ用カメラの画素数は、「320GXR」以上のモデルで200万画素、「220GXR」で100万画素というもの。見ての通り、カメラは非常にコンパクトで装着も容易であるし、なによりルームミラーで後方を確認するときにカメラが気にならないのはうれしい。

駐車監視については、基本的には内蔵バッテリーによるスタンバイと、衝撃検知時の録画という機能となっている。内蔵バッテリーでのスタンバイ期間はおおよそ2週間で、録画できるのは10分程度というがオプションの配線を利用すれば、より長期間・長時間の駐車監視も可能ということだ。

NEXTBASE522GWR
本体はマグネット固定なので、マウントから簡単に外すことができる。盗難が心配な場合は、取り外しておくこともできる。

【4】安心の国内カスタマーサポート&イエローハットでの店頭販売

日本に上陸したばかりの海外ブランドということで、ネット販売が中心と思いがちだが、国産ブランド同様にネット販売だけでなくイエローハットを中心とした大手カー用品店のリアル店舗での店頭販売も行う。同店を訪れれば実機を手にとってチェックすることができるので、製品のサイズ感や細部の造り込みなどを確認して、納得した買い物ができるのもユーザーにとってはうれしいポイントだ。

また、イギリス発の海外メーカーであるが日本国内にカスタマーサポートを設けている。製品の相談や不具合の対応など、困った時にオペレーターが電話応答してくれるのは、他の海外製品にはない大きな安心材料といえるだろう。

Nextbaseのドライブレコーダーはオープンプライスということで、いわゆる定価に相当する金額は公式発表されていないが、実際の販売価格は、リヤカメラなしのエントリーモデルの「222G」が1万5000円を超えるぐらいで、ひとつ上のリヤカメラ付きモデル「220GXR」は2万円台前半。最上級機種「622GWR」では5万円前後となっている。

今回、試用した「522GWR」はリヤ用カメラとセットで4万5000円程度の予算感で狙えるということだが、「ドライブレコーダー+SOS機能」というダブル機能をもつ電子デバイスとして考えるとリーズナブルだと感じてしまう。

愛車への取り付けに関しても、Nextbaseのドライブレコーダーはアクセサリーソケットから電源を取ることができるので、単純に機能させるだけであればDIYでの装着も可能でお手軽ではあるが、せっかくなら専門ショップで現物を見てから、プロに取り付けを依頼した方が配線などをきれいに処理してもらえるので、Nextbaseのスタイリッシュな持ち味を活かすことができ、より満足度が高まることだろう。

詳しい商品の情報は、Nextbase公式WEBサイトをチェックしていただきたい。
https://jp.nextbase.com

NEXTBASE522GWR
スマートに取り付けられるのもNextbaseドライブレコーダーの特徴。その美点を活かすならば専門ショップでの取り付けがおすすめだ。
NEXTBASE522GWR
リヤ用カメラの配線は十分な長さを確保しているので、SUVやミニバンなど大きめのクルマでも余裕で取り回しできそうだ。
こちらは「522GWR」を装着した車両。欧米でのシェアが高いということで欧州車とマッチングがよいことが期待できる。

キーワードで検索する

著者プロフィール

山本 晋也 近影

山本 晋也

1969年生まれ。編集者を経て、過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰することをモットーに自動車コ…