「スイッチポン!」で、美味しく炊ける
選んだ製品はメルテック 大自工業(株)、「炊飯器 DC12V LS-11」。24V用は「DC24V LS-12 」が用意されている。
この製品を選んだ理由は「ご飯が2合炊ける」。そして「お値段」。「炊飯以外はすることはないだろう」と思ったから。もしも、「蒸し料理などもできたらいいな」と思ったら、「直流炊飯器 タケルくん DC12V専用 JPN-JR001 」なども視野に入れておくのも良いと思う。こちらはサードパーティ製の「多機能蒸器 ムスヨ婆さん JPN-DC150 」等が販売されている。付属品はスペアとしてパッキンが3種類、取っ手の予備がふたつ付属。そのままスプーンにもなりそうな小さなしゃもじも付属する。
さて、アウトドアで炊飯をする器具はいろいろとある。メスティン、兵式飯ごう、チタン製クッカー。アルコールストーブ、固形燃料を使う人も多い。「アウトドアで炊飯は気を使う、めんどくさい」と感じている人も多いはずだ。やはり自宅と同じで「スイッチポン!」で、美味しく炊ける電気の炊飯器は魅力的である。
ここで、取扱説明書に書いてある注意事項で、「夢破れる!」項目を数点抜粋。
1 走行中は炊飯しちゃ駄目!→到着時間を予測、それに合わせて炊飯できないのはなんとも残念。
2 お釜で米を研ぐな!→フッ素加工の寿命を減らさない。無洗米専用。
3 エンジンをかけたままで炊飯しろ!→バッテリー上がりを防ぐ。ここは地方自治体によって、アイドリング禁止条例もあるので、注意が必要。
4 白米以外は駄目!混ぜご飯は駄目なのか……。
さて、電源はディープサイクルバッテリー、AC Delco M27MF。消費電力を計るために、エーモン工業製OGC コントロールボックスを介して炊飯することにする。もちろん停車中に準備して電源を入れる。
無洗米専用なのであるが、じつは無洗米はあまり使ったことがない。そこでシェラカップとシェラカップ型ザルで研ぎ、規定量の水で炊飯することにする。お米は1合。水は付属のカップ2.2杯。吸水はさせず、すぐにスイッチを入れることにする。
炊飯時、OGC コントロールボックスのインジゲーターの消費電力は98W 前後を示している。ここで注意点。あるかどうかはわからないが、定格100Wのポータブル電源ではまず動作しないだろう。定格200Wでギリギリか、できれば定格300Wは欲しいところだ。このあたりはかなり微妙。動作しない場合もあるので、余裕をもって、すべての電気器具を選ばなくてはいけない。また、クルマに装備されているアクセサリーソケットで炊飯する場合は、10A以上、できれば15Aの表示があれば、安心である。だが、初めて使う時は、ソケットやプラグの温度には注意が必要だ。
炊飯直後などの温度を計るために、非接触型の温度計を用意した。まずは炊飯時の炊飯器の温度は46.5℃。これなら火傷をする心配はまずはないだろう。それでも蒸気の出口には充分に注意が必要だ。
結果、1合の炊飯時間は約37分。遠赤外線を使う温度計なので、ご飯を計るには不正確。温度は70℃。おそらく100℃周辺ではないかと思われる。後日、0.5合を炊いてみた。掛かった時間は約27分。2合を炊いた時間は約47分で保温に切り替わった。
最後に保温性能はどうだろう?1時間ほど置いてみることにする。保温時の消費電力は3W。ご飯の温度は48℃。たぶん、こちらも70℃あたりではないかと推測する。
炊きたてのご飯とくれば、やはり焼き肉。こちらもかなりラクができる「イワタニカセットガス 炉ばた焼き器 炙りや CB-ABR-1 」。閉め切った車内では焼き肉は厳しいけれど、今回はデイキャンプ。多少の煙や油なら、大丈夫。