LMH車両として初めて、WEC・IMSAの両方に参戦!
アストンマーティン・ヴァルキリーのレーシング・プロトタイプを開発するアストンマーティン・パフォーマンス・テクノロジーズは、ブランドのF1チームのシルバーストーン本部と同じ場所に新設されたAMRテクノロジー・キャンパスにあり、WECでの直接の競争相手と同等となるよう、ル・マン24時間レースのハイパーカー・クラスの枠内で空力性能と出力性能が切り詰められている。ル・マン・ハイパーカー(LMH)は、それまでのレース専用スポーツカー「LMP(ル・マン プロトタイプ)」に代わり導入されたもので、市販車ベースのレース車両での参戦が可能だ。ベース車両は2年間で20台以上の車両生産が必要となるが、ヴァルキリー・ハイパーカーは開発後、2025年シーズンに向けてWECハイパーカーおよびIMSA GTPクラスへのホモロゲーション取得が予定されている。FIA世界耐久選手権(WEC)とIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権(IMSA)の両シリーズにLMH車両で参戦するのはアストンマーティンが初となる。
レース用に最適化されたカーボンファイバー製シャシーのヴァルキリー・ハイパーカーは、コスワース製の6.5リッター自然吸気V12エンジンの改良型、つまり純粋なノンハイブリッドエンジンを搭載している。このパワーユニットは、ハイパーカー・クラスの重要な性能バランス要件を取り入れるためにさらに強化され、トップレベルの長距離競技の厳しさに耐えるように開発されている。トラックカーのヴァルキリーAMRプロと同様、公道仕様のヴァルキリーに搭載されるバッテリー・エレクトリック・ハイブリッド・システムは、レースカーには搭載されない。
ホモロゲーション取得後は、Heart of RacingチームがWECとIMSAの両方でアストンマーティンのプログラムの先頭に立ち、ヴァルキリーのレースカーは両選手権に参加する初の純血ハイパーカーとなり、既存の市販車に起源を遡ることができる唯一のライバルとなる。