【カーグッズヒストリー・エンジンオイル編】半世紀に渡り合成油のトレンドを牽引してきた『Mobil 1™』【CarGoodsMagazine】

長年愛されてきたカーケミカルには、支持され続けるだけの理由がある。今回はエンジンオイル編。来年には誕生から50年を迎える高性能オイルの代名詞『Mobil 1™』の歴史を紐解いていこう。

飛行機用グリースの技術をモーターオイルに注入

1974年、世界中で入手が可能な初めての合成油であるMobil 1™が誕生。以来、オイルに要求される性能がめまぐるしく移り変わりゆくなか、常にアップデートを繰り返し、エンジンオイルのトレンドを牽引してきた。

ジョン D. ロックフェラーとその仲間たちが設立したスタンダード オイル カンパニーが、Mobil 1™を手掛けるエクソンモービル社のルーツ。当初は馬車や蒸気エンジン用の潤滑剤などを手掛けていた。

Mobil 1™のルーツとなったのは、軍用機用のグリースだ。1960年代初頭、超低温の高高度飛行でベアリングが凍結し、着陸する際に破損するトラブルに悩まされていた。そこで生み出されたのが合成油ベースのグリースだった。
さらに1960年代後半には、極寒のアラスカで石油掘削リグに使用されるディーゼルエンジン用オイルに合成油技術を採用。それらのテクノロジーを元に、高性能エンジンオイル、Mobil 1™が生み出された。

国内外のさまざまなレースで証明された高性能

また、その歴史を語るうえで欠かせないのがモータースポーツでの活躍だろう。1978年にウィリアムズF1チームとスポンサーシップを結んで以来、NASCARやスーパーGTなどさまざまなカテゴリーにオイルを供給。数多くの栄冠を勝ち取ってきた。

インディ500で闘ったラルフ デ パルマが、モービルに初の栄冠をもたらす。彼の平均速度は89.84マイル(約145km/h)だった。以来、数多くのドライバーがMobil 1™を使用して表彰台を獲得している。
©️2023 ExxonMobil All images used here are taken from the web of ExxonMobil or its affiliates.

さらに、類いまれなるエンジン保護性能を証明するべく、2003年には、ラスベガスのタクシーで過酷なロングランテストを実施。1万5000マイル毎(約2万4000km)の交換サイクルで10万マイル(約16万km)を走破したが、エンジン内部は新車時のようなクリーンな状態を保っていたという。

世界中の自動車メーカーの承認を取得する

どんな条件下でもトラブルを起こさず、安全かつ確実に最大限のパフォーマンスを引き出すという揺るぎない信念を貫いてきたMobil 1™。新車に充填されるオイルとして70以上の高性能モデルに採用。数多くの自動車メーカーの承認を取得しているのも、信頼の証。マイナス40℃の極寒でもエンジン内部を滑らかに潤滑し、灼熱の砂漠でもしっかりと油膜を保持し続ける。
すべてはクルマを愛するユーザーのために。来年には50周年の節目を迎えるMobil 1™。絶え間ない進化はさらに続いていく。

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