散財してしまった中古ジャガーだから出費を抑えて自らオイル交換してみた! 【XK8購入記Vol.4】

中古車ジャンキーを自認する貧乏ライターだから、たとえXK8といえども自分でできることは自分でして出費を抑えたい。メンテナンスの基本であるエンジンオイル交換に挑戦してみた。整備についてあまり情報がないXK8なので、手探りで始めてみたぞ。
PHOTO&REPORT●増田 満(MASUDA Mitsuru)
取材のため筑波サーキットを訪れた。

早くも4回目になる中古ジャガーXK8購入記。いきなり出費が続きどうなることやらと不安になったものだが、お陰で快適な走りを取り戻すことができた。日頃から乗っているわけではないが、取材のアシとして活躍しており上写真は筑波サーキットへ出向いた時のもの。この日は高速道路を120キロほど、一般道を40キロほど走った。気になる燃費は一般道が長めだったせいか、前回の取材時より悪く1リッター当たり9キロ台にとどまった。

三角マークがジャッキアップポイント。

購入してから時間が経ち、いい加減エンジンオイルを交換しなくてはと思い続けていたのだが、普段は暇な貧乏ライターなのにタイミングが悪く時間がまるでない。先にドレンプラグやオイルフィルターなどをネット通販で揃えておくことにした。いずれもインターネットで検索すると、意外なことに複数の業者が販売している。

国産車に比べたら高いがオイルフィルターが2,500円前後、ドレンプラグは1,000円以内のはずだ。ドレンプラグが万一再使用できない状態だった場合やドレンワッシャーが見つからないことから新品のドレンプラグを注文した。なぜかXK8用ドレンワッシャーは見つからず、届いたドレンプラグを見れば納得、ワッシャーにゴムが使われていて一体となっていた。

ジャッキだけで作業せずリジッドラックを必ず使うこと。
サイドシル下に純正ジャッキを当てる場所へリジッドラックをかける。
リヤタイヤをラダーに乗せて前後を水平にした。

ようやく時間ができたので重い腰を上げて作業を始める。エンジンオイル交換は歴代の愛車で自ら行ってきたので道具や工具、オイル自体は車庫に揃っている。早速ジャッキアップしたいがインターネットで検索してもガレージジャッキを当てる場所が特定できない。アメリカ人と思しき人物が動画をアップしているのが唯一の情報だったため、以前に作業をお願いしたJ-Gear Labの長澤さんに尋ねてみると動画と同じ場所を教えてくれた。

それが上写真の場所で、よく見れば三角マークがある。ここへジャッキを当てて持ち上げ、サイドシルにある純正ジャッキを当てる場所へウマを入れる。リヤタイヤをラダーに乗せているのは車体前後ができるだけ水平になってほしいから。このラダーは直前までの愛車をローダウンしていたために揃えたもの。本来は必要ない。

用意したのはオイル、オイルフィルター、ドレンプラグ、オイル添加剤。

今回の作業で揃えた中にエンジンオイル添加剤が含まれている。これは何かといえば、以前にJ-Gear Labの長澤さんとお話ししていて「フラッシングが効果的です」と教えていただいていたから。ただフラッシングオイルを使うことに若干抵抗があるため、オイルに混入して使う遅効性のエンジン洗浄剤を試してみることにしたのだ。

結果はしばらく走って次回のオイル交換でどう変化したか、改めてお知らせしたい。ちなみに先日、ネットのニュースで愛車の整備時にジャッキだけで作業したらジャッキが外れてクルマの下敷きになる死亡事故が報じられていた。下回りの整備にはウマと呼ばれるリジッドラックを使うのが鉄則だ。

ドレンプラグはオイルパン右手前にある。
古いオイルを排出する。

車体の下に潜りドレンプラグを外すところまではスムーズに進んだ。オイルパンの右手前とわかりやすい位置にドレンプラグが見つかったからだ。念の為、他にそれらしいものはないか探したが、まずここで間違いないだろう。恐る恐るドレンプラグを工具で緩めるが、肝心なことを忘れていた。ジャガーはイギリス車。

つまりネジやボルト、ナットにインチ規格を使っている可能性がある。以前にイギリス車を3台ほど乗り継いでいるが、その当時使っていた工具があるかどうか忘れている。とりあえずミリ規格の工具を当ててみると14ミリより小さい。インチなのかもしれないと思いつつ13ミリのメガネをかけるとジャストでホッとした。

白いオイルフィルターにアクセスできない!
手前のカバーを外せばオイルフィルターが外せる。
オイルが落ち切るまでしばらく放置する。

続いてオイルフィルターを外そうと思うも、手前に樹脂製カバーはあって手も工具も届かない。とはいえボルト1本で固定されているだけなので外してみよう。このボルトはなんと7ミリ頭で、なんでそんなに小さいサイズを使うんだと叫びたくなる。通常の工具セットには含まれていないサイズだろうが、筆者は長らく2輪のベスパを所有していて7ミリや8ミリの工具を持っていたから良かった。

組み直したらカムカバー脇にある注油口からオイルを入れる。

ドレンとフィルター部からオイルが落ち切るまでしばらく時間がかかる。その間に取扱説明書で指定エンジンオイル量を再確認すると、XK8の4リッターV8には通常交換時で6リッター、フィルター交換時で6.5リッターとなっている。今回はフィルターまで交換したので6.5リッターが必要。通常の4リッター缶を買うよりペール缶で対応するといいだろう。

新品のオイルフィルターとドレンプラグを装着して樹脂カバーを戻したら、新しいオイルを注油口から注ぎ入れる。6リッター前後入れたところで一度レベルゲージで量を確認しつつ、足りなければ継ぎ足すといい。オイルを交換してエンジンを再始動すると添加剤の匂いがすぐに漂う。だが、それもすぐに収まり以前より静かなアイドリングになった。まだ走っていないのでフィーリングまで確認できていないが、次回のリポートでお知らせする予定だ。

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著者プロフィール

増田満 近影

増田満

小学生時代にスーパーカーブームが巻き起こり後楽園球場へ足を運んだ世代。大学卒業後は自動車雑誌編集部…