小さな身体からあふれるAMGらしさ「メルセデス・ベンツ メルセデスAMG A35/A45S」【最新スポーツカー 車種別解説 MERCEDES-BENZ MERCEDES-AMG A35/A45S 】

職人ひとりがひとつのエンジンを作り上げる“One Man One Engine”というAMGの理念通り誕生した「メルセデス・ベンツ メルセデス AMG A45S4MATIC+」。現在はエントリーモデルとして「A354MATIC」もラインナップ。パワーユニットはどちらも2.0ℓ直列4気筒ターボになるが、A45S4MATIC+は421psとパワフルでハイパフォーマンスなレーシーなモデル、一方のA354MATICはAMGのエントリーカーとしてパワーと日常の乗り心地や使い勝手のバランスの良いモデルと言える。
REPORT:石井昌道(本文)/小林秀雄(写真解説) PHOTO:宮門秀行

圧巻の高性能のA45S 日常でも楽しめるA35

4代目AクラスをベースとしたAMGモデルは2019年にデビュー。従来通りの45シリーズとは別にエントリーモデルの35シリーズも用意された。現在のラインナップはA45S4MATIC+とA354MATICの2種類で、いずれも2.0ℓ直列4気筒ターボだが、前者は421㎰で8速DCT、後者は306㎰で8速DCTとなる。

エクステリア

写真は2023年4月に実施された改良前のモデル。新型はLEDリヤコンビネーションランプの内部が水平基調となり、リヤディフューザーの形状も変更。ボンネットエンブレムのデザインも新しくなったが、総じて小さな変化と言っていいだろう。
写真は改良前のもので、新型はホイールのデザインも変更。「A45S4MATIC+」は19インチAMG 5ツインスポーク、「A35 4MATIC」は18インチAMG 10スポークアルミホイールを備える。

AMGといえば職人がひとつのエンジンを担当して組み上げるOne Man One Engineが有名だが、それはA45Sに限られる。それもあってかパフォーマンス、フィーリングともに絶品だ。いまどきのターボは低回転域からトルクが太くて扱いやすい反面、高回転域では頭打ち感があるのが一般的だが、回転上昇とパワーの盛り上がりがリニアで、7000rpmまで勢いよく吹け上がっていく。A35も十分に俊足だが、全開加速でも6300rpmほどでシフトアップしていく。ただ、もうひと伸び欲しいと思わせる。

インテリア

外観より大きな変化があるのがインテリア。新型はSクラスなどと同じ最新世代のナビゲーションが採用され、画面に現実の景色も一部映し出すMBUX AR機能を搭載。ステアリングも最新式となり、写真に写っているセンターコンソールのタッチパッドは廃止された。
トランスミッションはいずれも8速DCTを採用。シフトセレクターはメルセデス・ベンツに共通するコラムレバー式だが、もちろんパドルシフトも搭載されている。
ステンレスペダルにはオーセンティックなドット形状の滑り止めが備わる。

どちらもFFにはトゥーマッチなパワーだからか4MATICを採用。FFベースの4WDながらコーナーへの進入が素直で、ノーズが鋭くインへ向かっていくのが印象的だ。コーナリング中や立ち上がりではひたすら安定していてホットハッチの領域を超えるハイパフォーマンスだ。A45Sの方がレーシーなのは間違いないが、日常域の乗り心地なども含めればA35のバランスの良さも捨てがたい。

Country       Germany
Debut        2019年8月(マイナーチェンジ:23年4月)
車両本体価格      754万円~922万円

※本稿は、モーターファン別冊 ニューモデル速報 統括シリーズ Vol.151「2023-2024 スポーツカーのすべて」の再構成です。

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