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ランドクルーザーの普遍的価値を継承する新型ランクル70
まず、ランドクルーザー70(以下、ランクル70)とは、どんなクルマなのか簡単におさらいしておこう。
ランクル70シリーズは、ほかのランクルシリーズと同様「どこへでも行き、生きて帰ってこられるクルマ」という思想のもと開発され、初代は1984年に業務用途や過酷な環境での使用を主体とするヘビーデューティーモデルとして誕生。2004年に惜しまれながら生産を中止したが、2014年には1年間限定で復刻モデルが販売された。
今回取り上げる新型ランクル70は再再販となるモデルで、4ドアバン+ディーゼルエンジン(1GD-FTV)+6ATという設定のみで、2023年11月からオーダーをスタートした。
新型ランクル70は、信頼性・耐久性・悪路走破性など70らしさはそのままに、パワートレーン、操縦安定性、デザイン、安全性能をアップデート。力強い動力性能と低燃費を両立する2.8L直噴ターボディーゼルエンジンを搭載し、タフなオフロード性能を確保しながら、低騒音・静粛性への配慮と高い燃費性能を実現している。
ランクル70らしいシンプルで実用的なカスタムパーツが勢ぞろい
ここからは、「東京オートサロン2024」に出展されていた新型ランクル70のカスタム事例を紹介していこう。出展されていたのは5台で、派手な外装パーツや極度なリフトアップでガチガチに固められた車両はなく、サスペンション、ホイール、タイヤ、ルーフラック、シュノーケルといった、いかもにランクル70らしいシンプルで実用的なカスタムが目立った。
【トヨタ車体】
■LAND CRUISER BASE CUSTOM 「Black CRUISER 70 」
今回出展された新型ランクル70の中でイチバン注目されていたのが、セミマットブラックのボディカラーで渋く決めたトヨタ車体の「ランクルBASEカスタム ブラッククルーザー70」だ。海外仕様の純正部品を中心にこだわりのパーツを身にまとい、タフでありながらモダンなコーディネートが施されているところが特徴。とりわけ、ウインチやシュノーケルは、ぜひ取り付けたいパーツのひとつだ。
【4×4エンジニアリングサービス】
■4x4Engineering New LC70
1973年の創業当時からランクルと深い関係を持つ4×4エンジニアリングサービスは、新型ランクル70のカスタム仕様と先代のランクル70ダブルキャブのオーバーランド仕様を展示。「東京オートサロン2024」では、新型ランクル70のリフトアップ仕様が少なかったことに加え、クルマの下に鏡を設置して足回りをジックリ見られる演出が功を奏し、多くのランクルファンがブースを訪れていた。
【JAOS(ジャオス)】
■LAND CRUISER 70 JAOS style
1985年に海外の4WD用パーツの輸入販売からスタートしたJAOSは、数多くのクロカン4WD用カスタムパーツを製作・販売する老舗ブランドだ。同社の新型ランクル70用カスタマイズパーツは、トヨタグループのカスタマイズブランドである「MODELLISTA(モデリスタ)にも採用されており、 品質の高さは折り紙付きだ。
「東京オートサロン2024」では、キャンピングカーのカスタムで有名なトイファクトリーが開発した専用の車中泊ベッドキットを搭載して出展。同社が得意とするBATTELZマフラーTFも装着され、新型ランクル70の拡張性の高さを垣間見ることができた。
【GTG(群馬トヨタグループ)】
■GTG LAND CRUISER 76
毎年アウトドア志向の意欲的なカスタムカーを出展するGTGは、ルーフキャリアやシュノーケルなどベーシックなカスタムを施した新型ランクル70を展示。ボディにクリアのラッピングを施し、来場者がマジックでサインやメッセージを自由に書き込める演出がされていた点はポイントが高かった。
■IMV 0(Hilux Champ)
ランクルネタではないが、GTGのブースではタイで販売され、日本では見たことのないピックアップトラックIMVシリーズの新型モデル「IMV 0」(タイではHilux Champという車名で呼ばれている)が展示されていた。この車両はトヨタ自動車が所有・管理しているものだが、GTGはこのクルマに可能性を感じ、来場者の反応を知るために「東京オートサロン2024」に出展したそうだ。
展示車の荷台はフラット仕様だったが、トラックなので、あらゆる形に架装可能。例えば、ハードシェルタイプの箱を載せるとキッチンカーやオーバーランド仕様にもなるし、展示車のようにフラットな荷台にするとバイクの運搬やドローンの発着基地としても使えそうだ。ボディはコンパクトでシングルキャブタイプだが、狭い道が多い日本では、工夫次第であらゆる用途に使えそうで夢が広がる1台だった。
(※)並行輸入してもエンジン規制があるため、現状、日本では走行できない。
今回は、「東京オートサロン2024」に出展していた新型ランクル70のカスタム車両を紹介したが、今後も持ち前の走破性に磨きを掛けるためのカスタムパーツが続々登場するはず。2024年は、ランクル250の販売も予定されているだけに、ますますランクルシリーズの動向に目が離せない。