寒冷地テストで捉えた開発車両は、同ブランドお得意のデカール(転写)で多くをカモフラージュしている。フロントエンドのグリル中央にはVWのエンブレムを隠し、その両側にはスリムなヘッドライトを備えるなど、パサートを模している。また垂直エアカーテンや、水平バーを備えるワイドなグリルも確認できる。
側面では、ドアミラーがAピラー付け根からドアに移動、フロントフェンダーに伸びるクロムストリップが配置されている。そのほか、立体感のあるボンネットフード、流れるようなショルダーラインを装備、リアクォーターウィンドウは、特徴的デザインを隠している可能性がありそうだ。
後部では、テールライトはデカールで完全に隠されているが、スポーティーなリアバンパーを装備し、一体型スポイラーを備えるトランクも確認できる。
このプロトタイプの正体は判明していないが、カメラマンの情報によると「ジェッタ」後継モデルの可能性が高いという。同ブランドでは、日本市場でも販売されている大型セダン、「アルテオン」を近い将来生産終了することを発表しているほか、「パサート セダン」も廃止が決定するなど、セダンのラインナップを整理、このジェッタ後継モデルがそれらの穴を埋めることになりそうだ。
「ジェット気流」に由来する初代ジェッタは、ゴルフをベースとして1980年に誕生、日本市場にも導入された。現行型となる第7世代は2018年から販売されているが、日本、ヨーロッパ市場では展開されておらず、北米市場がメインとなっている。しかし、アルテオンやパサートセダンの穴を埋めることにより、ヨーロッパや日本市場へ復活が期待できるかも知れない。
現行型の全長は4700mmだが、後継モデルはアルテオンの穴を埋めるため大型化して4800mmを超えてくる可能性もありそうだ。市販型では、2.0L直列4気筒ガソリンターボエンジンほか、様々なガソリンやディーゼル、ハイブリッドが予想される。
ジェッタ後継モデルのワールドプレミアは2025年以降と予想される。