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ハイブリッド化で人気のエクストレイルの燃費と性能を向上
2015(平成27)年4月7日、日産自動車は「エクストレイル」にハイブリッドモデルを追加することを発表、発売は5月13日から始まった。2013年にモデルチェンジした3代目に、“1モーター/2クラッチ”のパラレルハイブリッドを採用し、燃費と性能の向上を図ったのだ。
デビューから10年間SUV No.1の座に君臨したエクストレイル
初代エクストレイルは、2000年に乗用車ベースのSUVとしてデビュー。強靭なイメージのバンパーや立体的で大きい角型ヘッドライトとリアライトを装備した、直線基調のボクシーなスタイリングが特徴だ。
パワートレインは、2.0L直4 DOHCのNA(無過給)/ターボの2機種エンジンと4速ATおよび5速MTの組み合わせ、駆動方式はFFと4WDを設定。電子制御のオンデマンド4WDなので、ハードな悪路を走破するような本格的なオフローダーではないが、一般的なアウトドアの用途では十分な走破性を発揮。
当時、人気を獲得していたSUVは、都会的な雰囲気を持つオンロード重視のトヨタ「RAV4」やホンダ「CR-V」だった。そのような中で、オールラウンドの走りとボクシーなスタイリングを持つエクストレイルは、200万円台という低価格の魅力もあり、オフロード好きの若者やファミリー層から絶大な人気を獲得した。
なんと! 2001年から国内SUV販売台数トップの座に10年にわたり君臨するという快挙を成し遂げたのだ。
ハイブリッドで高性能と低燃費を実現したハイブリッドモデル
大ヒットした初代に続いた2007年の2代目では、ポスト新長期規制をクリアしたクリーンディーゼルモデルを追加。2013年の3代目は、市場のニーズに対応して市街地のオンロード走行を重視したクロスオーバーSUVへと変貌した。
そして2015年5月、ハイブリッドモデルが追加された。ハイブリッドシステムは、「フーガ」や「スカイライン」などで採用された“インテリジェント・デュアルクラッチコントロール”と呼ばれる1モーター/2クラッチのパラレル方式。2.0L直4 DOHCエンジンとエレクトロニックCVTの間にモーターを挟み込み、エンジンとモーター間、CVTと駆動系間それぞれに配置された2つのクラッチのON/OFFにより、エンジンとモーターを切替えて効率よく走行するシステムである。
標準仕様の価格は280.5万円(2WD)/301.1万円(4WD)で、モーターアシストによる優れた走りと低燃費を実現し、エクストレイルの人気を加速したのだ。
1モーター/2クラッチ式ハイブリッドの特徴
そして、2022年にモデルチェンジした4代目エクストレイルは、さらに大きな進化を遂げた。パワートレインは、第2世代“e-POWER”ハイブリッドと“VC(可変圧縮比)ターボ”エンジンの組み合わせ、さらに“e-4ORCE(4WD)”の採用など、日産の先進技術が採用されて相変わらずの人気を獲得している。
世界的なSUVブームは続き、エクストレイルのようにSUVのハイブリッド化やEV化が進んでいる。車体が重いというデメリットはあるものの、バッテリーが多く搭載可能(重心が下がる)、発進時から高トルクが得られる、高度なトルク制御による適正な4輪制御ができるといったメリットが享受できるので、SUVこそEVに向いているのだ。
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