目次
受注停止は継続中! 欲しくとも買えない新型シビック・タイプR
2022年7月にワールドプレミアが行われた6代目FL5型ホンダ・シビック・タイプRは、FFスポーツカーとしての高い性能に加え、最後の純ガソリンエンジンを搭載したタイプRになるとの噂もあって、先代以上の人気を誇っている。
しかし、同年9月2日に発売が開始されたものの注文が殺到し、ホンダは2023年1月19日にシビック・タイプRの公式ホームページ上で受注の一時停止を発表した。同社は受注停止の理由を「半導体不足などの影響で生産の見通しが立てづらいため」と説明している。
現行シビック・タイプRは発売後わずか4カ月あまりで受注停止となり、それから1年以上が経過したいまでも受注停止状態が続いている。そのため現在は、どれだけシビック・タイプRが欲しくとも注文できない状況だ。
半導体不足は解消され、生産状況は改善
現行シビック・タイプRは埼玉製作所のみで組み立てられており、日本向けの発売プレスリリースでは販売計画台数が月間400台と公表されている。
また、ホンダがシビック・タイプRの受注停止を発表した2023年1月19日時点で、2万台以上を受注しているとメディアが報じた。
2万台を月400台のペースで捌くとなると、すべての納車が完了するまでに4年と2カ月かかる計算になる。実際、2022年9月の発売直後に注文した人は、納車時期が3〜4年先と告げられているそうだ。
しかし、発売から1年半も経つと時勢や状況も変化する。2024年2月8日に執り行われたホンダの四半期決算説明会では、半導体不足の問題は解消されて生産ラインはフル稼働していると述べられた。
このことから、以前に比べて生産状況が改善されているのは確実のようだ。
新型シビック・タイプRの生産台数と納車状況
話題性があるクルマだけあって、SNS等でも新型シビック・タイプRに関する投稿は多い。納車報告とシリアルナンバーを併せて投稿している書き込みも見受けられ、この情報からシビック・タイプRの生産台数に見当がつけられる。
X(旧Twitter)を中心に調査したところ、2023年4月に納車された人のシリアルナンバーは8000番台。2024年2月の納車が22000番台で、2024年4月の納車が27000番代となっている。
この数字を単純解釈すれば、ひと月あたり1500台強のペースでシビック・タイプRが生産されていることになる。
ただしシリアルナンバーは海外仕様を含む通し番号であると予想されるため、おそらく1500台強という数字は海外輸出ぶんも含めた生産台数だろう。
先代のFK8型シビック・タイプRは5年間で4万7200台で販売され、そのうち日本での販売台数は8100台だった。新型はこれ以上の販売台数が見込まれるうえ、日本とは異なり海外では受注が継続されていることもあって、生産された車両の大部分が海外輸出されているとみられる。
それでも、日本向けにひと月あたり400台しか生産できないということではなさそうだ。
平均納期は1年半ほどだが、受注再開の見通しは不透明
最近は、以前に比べてSNSでも納車報告の投稿が増えている。
2022年7月の発表直後にディーラー発注をかけた人は2023年10月頃から納車が始まり、9月の発売後に発注した人は2024年3月頃から納車が始まっているようだ。また、2024年3月頃から納車時期が早まったという内容の投稿も多く見られるようになった。
注文した仕様や地域などにもよるが、投稿者の注文時期と納車報告をまとめると1年半程度が多いようだ。むしろ、納期が1年半前後になるように生産調整をしている可能性もある。
ホンダとしても、せっかく注文してくれた客を待たせることはしたくないはず。おそらく受注が再開したとしても、納期は2年以内に収まると予想される。
ただし、肝心の受注再開時期については、2024年5月2日の時点でホンダディーラーに確認してみたが、いまだ再開の見通しは不透明とのことだ。