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エントリー1000台以上!参加者1万人以上!
アメリカンカスタムカルチャーの祭典
アメ車ファンにとって初夏の訪れを告げる風物詩とも言える『36th Anniversary MOONEYES Street Car Nationals®』(以下、SCN)が5月12日に開催された。
このイベントは毎年5月にMOON OF JAPANが主催するアメリカンカスタムショーで、ノーマル車のエントリーを前提としたクラシックカー・ショーの代わりに誰でも気軽に参加できる間口の広いカスタムの祭典として、今から37年前に初開催された。
その第1回目は大井競馬場を会場とし、その後は東京レールシティ汐留、レールシティ新鶴見ヨコハマ、横浜みなとみらい、東京ベイサイドスクエア、千葉ニュータウン、川崎の東扇島と場所を移しながらイベントの規模を拡大させ、2005年以降は現在の青海駐車場で行われている。
今回も参加台数は1000台を超え、ピンストライパーの出展は18名、スワップミートは140店にも達し、訪れた来場者は1万人以上と過去最高の盛り上がりを見せた。
これがMOONEYES流のCUSTOM!
現行プリウスを一層カッコ良く、COOLなマシンに変身!!
MOONEYESの車両展示スペースでは、イベント初のお披露目となる「MOONEYES Project Car TOYOTA 60型PRIUS」が登場。車体をコーポレートカラーの鮮やかなイエローでリペイントし、程良くローダウンした足回りに、「Special MOON DZUS FASTENED SHALLOW DISCS」を組み合わせたことで最高にクールなマシンに仕上がっている。
現行型プリウスのスタイリングはエコカーとは思えないカッコイイものだが、MOONEYESがちょっと魔法の粉をかけるだけでクルマ本来の持つ魅力を一層引き立てることに成功している。目の肥えたカスタムフリークもこのクルマのカッコ良さにはシビれたようで、終日クルマの周りは黒山の人だかりができていた。
軽自動車からアメ車まで、戦前のSTREETRODから最新モデルまで、
さまざまなカスタムカーが一同に会する夢のイベント
一般のエントリー車は良い意味での玉石混交。アワード車両はもちろんのこと、惜しくも受賞を逃したクルマの中にも素晴らしいマシンが多く、アメリカ本国のカーショーでも通用するレベルの高いマシンもちらほら散見された。
一方で比較的リーズナブルに買える国産コンパクトカーや軽自動車をベースに、MOONEYESのライセンスフレームやアイボールをつけただけのお手軽なカスタムを施しただけの車両も少なくなく、中にはほぼノーマルのDOMESTIC(ドメスティック)やEUROPIAN(ヨーロピアン)のエントリー車もあるなど、多種多様なマシンが一同に会するところが「来る者拒まず」のSCNならではの光景となる。ただ、いずれのエントリーしたオーナーもカスタムカルチャーに敬意を払い、MOONEYESが大好きであることには変わりはない。
いっぽう、SCNの顔とも言えるアメ車勢は新旧さまざまなマシンが会場に集う。最新型のマッスルカーやSUV、ピックアップトラックはもちろんのこと、普段街中ではなかなかお目にかかれないSTREET ROD(ストリートロッド。1949年までに製造された車両をベースに、公道走行を前提に製作したHOTROD)や1950年代のSHOE BOX(フラッシュサーフェイス化を狙ってフェンダーとボディを一体化させた戦後型の乗用車。1949年型フォード・カスタムが始祖)、1960年代のフルサイズのセダンやクーペ、1970年代のマッスルカーなど、HOTROD、LOW RIDER、TRUCKIN’、STREET VANなどジャンル横断でファン垂涎の名車やレアなマシンがずらりと並ぶ。
国産旧車も多数エントリー! 軽商用車のCUSTOMがブーム!?
アイデアとセンス次第で不人気車もCOOLなマシンに!
もちろん、アメ車に負けず劣らず、DOMESTIC CUSTOMにも素晴らしいマシンがエントリーしていた。クラシックトラックやミニトラックのレベルが高いのは昔からのことだが、最近では軽バンや軽トラックのカスタムが存在感を増している。
その嚆矢は相模原のBLOWが生み出したCAL RODDER VAMOSやSUEF RIDERで、FRP製の既成のキットを使ってフェイスをスワップすれば、とびっきりキュートでクールなマシンに変身することが受けたのだ。現在ではBLOWのフォロワーとなるショップも現れ、維持費が安く、経済的で、広いラゲッジを活かしてさまざまな遊びに使えることから近年ますます人気となっている。
また、ショップに頼ることなくアイデアひとつでDIYでクールなマシンを作り上げるオーナーが多いのもDOMESTIC CUSTOMのユニークなところだ。シンデレラのカボチャの馬車よろしく、どうにもパッとしない不人気車でもアイデアひとつ、センスひとつで会場で注目される1台に大化けすることもある。
素材として不人気車の中古を激安で買って来て、浮かせた費用の分をカスタムに費やし、誰もが振り返る最高のマシンに仕立て直す。これこそがカスタムカルチャーの真髄であり、最高にクールな行為だとは思わないか?
SCNなどのMOONEYESのイベントに参加してセンスを磨き
愛車のカスタムにチャレンジしよう!
今乗っているクルマがどうにもダサい、カッコ悪いと不満を抱えているそこのキミ。愛車の買い替えを検討する前に、まずはカスタムを考えてみてはいかがだろうか? アメリカンカスタムの敷居はけっして高くはない。ちょっとのアイデアと工夫でクルマが見違えるほどカッコ良くなることだって充分にありえるのだ。
アメリカンカスタムの目的はベース車の持つ本来のカッコ良さを引き出すことにある。ボディの上でチンピラのようにふんぞり返るダサいエンブレムやモール、純正エアロなどの不要なパーツを取り去り、ミラーやハンドルなどをMOONEYESで販売している小ぶりでセンスの良いものに交換するだけでも、今のクルマがグっと見違えるようになるはずだ。
もう少し予算に余裕があるなら足回りをローダウンして、見た目が良いホイールに交換したり、鉄チンホイールにMOON DISCSをインストールしたりしても良いだろう。
メーカーお仕着せの吊るしのクルマを次々に乗り換えるばかりがすべてではない。今の愛車をカスタムして最高にカッコ良く変身させることでも充実したカーライフを送ることができるのである。
そのためにはSCNなどのMOONEYES主催のイベントに積極的に参加して、1台でも多くのマシンを見て周り、まずはカスタムのお約束ごとを学び、自分のセンスを磨くべし。そして、カスタムの方向性が見えてきたら横浜・本牧にあるMOONEYES AREA-1などのプロショップに出向いて相談してみよう。MOONEYESのスタッフはカスタムのプロ揃い。きっとキミの力になってくれるハズだ。
なお、SCNの会場で注目すべきクルマは、次回以降に改めてピックアップして紹介して行くことにする。