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輸入CセグメントMPVナンバーワン
シトロエン・ベルランゴは2020年の日本導入以来、累計1万台を販売。今や日本におけるシトロエン車の中で最も売れているモデルとなっており、これまで2000台〜3000台だったシトロエンの年間販売台数を5000台にまで跳ね上げた立役者でもある。
ベルランゴは日本で販売されるシトロエン車の約半数を占めるだけでなく、これまでルノー・カングーが不動の人気だった輸入MPV市場においても、デビュー以来トップシェアを獲得してきているという。
この市場においてはルノーがカングーを、ステランティスはベルランゴの兄弟車としてプジョー・リフター、フィアット・ドブロも販売している。兄弟車の販売比率はベルランゴが約6割、リフターとドブロがそれぞれ約2割ずつということだ。上記のシェアから推察するとこの兄弟車で市場の約半数を占めることになり、この兄弟車のポテンシャルと人気の高さを窺わせる。
この兄弟車の中で最も人気があるのがベルランゴなのだが、今回のフェイスリフトを伴うマイナーチェンジが人気を加速することになるのか、気になるところ。
エクステリア
ベルランゴは子育て世代や趣味をアクティブに楽しむ層を中心に、その独特のデザインやフランス車ならではの走りなどに魅力を感じるクルマにこだわりのあるユーザーに支持されてきた。特にこれまでの曲線を多用したシトロエンデザインが「人と違うクルマに乗りたい」という個性派ユーザーにマッチしていたと言えるだろう。
しかし、新型ベルランゴではフロントマスクを一新。シトロエンの最新デザインラインである「オリ・コンセプト」に由来するマスクを採用している。これは、これまでの曲線的なデザインから直線的なデザインになっており、ベルランゴはもちろんシトロエンの新型車のイメージを大きく変えている。
このオリ・コンセプトからシトロエンのエンブレム「ダブルシェブロン」も新しくなり、シトロエン創業時のロゴをオマージュした縦長のオーバルを採用。これまでよりクロームパーツを減らしピアノブラックのグリルを配している。
ヘッドランプまわりはLEDを採用し、縦横ラインのシグネイチャーが特徴的。また、バンパーに埋め込まれたフォグランプまわりも、これまでの大きな楕円デザインから小型化された縦長のデザインに変わり、縦方向のアクセントラインもあしらわれている。
刷新されたフロントマスクに対してサイドやリヤに特に変更はない。
従来モデルのシトロエンデザインがかなり個性的だったため、新型ベルランゴはむしろ個性が薄れたような印象を受ける。実際、既存ユーザーは機能面はもちろんその個性的なデザインに魅力を感じているという。逆に、クルマにあまり詳しくないユーザーには、新型のデザインはポジティブな印象だそうだ。
ステランティスジャパンでは、この好調なベルランゴに日本車からの乗り換え需要をさらに喚起するとともに、新規ユーザーへのアピールに力を入れてゆく方針を示した。そのため、ベルランゴによるアクティブなライフスタイルを感じさせるムービーを制作。ネット広告やTVCMで放映されているので、チェックしてみてはいかがだろうか。
インテリア
ブラックとグレーを基調にしたシンプルな構成のインテリアは実用車を感じるところだが、白いラインの入ったシートはシックながらオシャレな雰囲気も醸し出している。
新型ではメーターが従来のアナログタイプからデジタルメーターになり、表示は好みに応じて変更することができるようになった。また、ステアリングは2本スポークの楕円形状とすることで操作性を向上。ステアリングヒーターも標準装備となっている。
新型ベルランゴではミリ波レーダーを追加してアクティブクルーズコントロール(ACC)の性能を向上。停止3秒以内であれば自動再発進が可能になった。さらに、レーンポジショニングアシスト機能を追加。車線維持支援によりロングドライブ時の疲労を軽減する。
クルーズコントロールやスピード設定のスイッチを、これまでのステアリングコラム上から一般的なステアリングスポークに移設。ステアリングから手を離さず操作できるようになったので、より使いやすくなっている。
センターコンソールに設置されたタッチスクリーンは従来の8インチから10インチにサイズアップ。インフォテインメントも刷新し、Apple CarPlayやAndoroid Autoに対応したUSB(タイプC)コネクタも装備された。
展示車両は5名乗車(ベルランゴ)と7名乗車(ベルランゴ・ロング)が用意されていたが、7名乗車のベルランゴ・ロングは三列目シートを外してラゲッジルームを拡大、荷物を満載した状態での展示だっため、三列目シートを見ることができなかった。しかし、二列目シート以降には特に変更はないため、従来モデルと同様と考えて良いだろう。
車名 | ベルランゴ | ベルランゴ・ロング |
全長 | 4405mm | 4770mm |
全幅 | 1850mm | 1850mm |
全高 | 1830mm | 1850mm |
ホイルベース | 2785mm | 2985mm |
最小回転半径 | 5.6m | 5.8m |
車両重量 | 1600/1630(特別仕様車) | 1660 |
乗車定員 | 5名 | 7名 |
ラゲッジスペース&ユーティリティ
ベルランゴの魅力は実用車ならではの多彩なシートアレンジと積載量だが、これは従来モデルから変更はない。ベルランゴは最大2162L、ベルランゴ・ロングは最大2693Lまで積載可能。ベルランゴ・ロングは助手席まで倒せば前後長最大3060mmの収納スペースを確保できる(ベルランゴは2700mm)。
ボディタイプ | 5名乗車 | 7名乗車 |
三列目なし | 983L(※1) 641L(※2) 597L(※3) | 1538L(※1) 912L(※2) 850L(※3) |
二列目格納 | 2126L(※1) 1414L(※3) | 2693L(※1) 1672L(※3) |
助手席格納時最大前後長 | 2700mm | 3060mm |
リヤゲートのガラスハッチのみ開閉可能な「リヤオープニングガラスハッチ」や、5名乗車モデルに採用されていた「Modutop(モジュトップ)」は従来モデル同様に装備されており、10箇所以上の豊富な収納スペースが用意されている。
パワートレーン
ベルランゴのセールスポイントになっていたエンジンは特に変更はなく、最大出力130ps・最大トルク300Nmを発揮する1.5L直列4気筒DOHCディーゼルターボを搭載する。トランスミッションも従来と同様に8速ATとなる。駆動方式はFFのみ。
16インチアロイホイールを全車に標準装備し、205/60R16サイズのタイヤを装着する。
エンジン | 直列4気筒DOHCインタークーラーターボディーゼル |
排気量 | 1498cc |
最高出力 | 130ps/3750rpm |
最大トルク | 300Nm/1750rpm |
燃料(タンク容量) | 軽油(50L) |
燃費(WLTC) | 18.1km/L |
トランスミッション | 8速AT |
駆動方式 | FF |
サスペンション | 前:マクファーソンストラット 後:トーションビーム |
ブレーキ | 前:ベンチレーテッドディスク 後:ディスク |
タイヤ | 205/60R16(特別仕様車:205/55R17) |
価格は439万円〜457万円
特別仕様車「XTR ローンチエディション」も用意
モデルはベルランゴとベルランゴ・ロングの2種類で、それぞれワングレード設定。価格はベルランゴが439万円。ベルランゴ・ロングが457万円となっている。
ボディカラーは新色として「ブルーキアマ」と「グリーンシルカ」を用意。「ブランイシ」(ホワイト)と合わせて3色設定となる。
また、新型ベルランゴのデビューを記念した特別仕様車「XTR ローンチエディション」をベルランゴのみに設定。こちらは457万2500円で、フロントに「アドバンスドコンフォートシート」、17インチアロイホイール(205/55R17タイヤ)、前後スキッドプレート、専用カラーダッシュボード、専用エアバンプカラーアクセント、XTRバッジが装着される。
モデル名 | 乗車定員 | 価格 |
ベルランゴ MAX BlueHDi | 5名 | 439万円 |
ベルランゴ MAX XTR Launch Edition BlueHDi | 5名 | 457万2500円 |
ベルランゴ・ロング MAX BlueHDi | 7名 | 457万円 |
「NEW BERLINGO CITY CAMP AREA」
発表会の会場となった有明ガーデンギャラリーでは10月6日(日)まで「NEW BERLINGO CITY CAMP AREA」を実施中。ベルランゴとベルランゴロングを実際に見て触れるだけでなく、さまざまなコンテンツも用意されている。
新型ベルランゴが展示されているだけでなく、アンケートに回答するとシトロエンHトラックのキッチンカー「ベルランゴ・カフェ」でどリングがもらえたり、オリジナルランタンづくりができる「ベルランゴ・クラフト」、ゲームをクリアするとお菓子がもらえる「キッズエリア」を設置。
他にも、シトロエンのオリジナルグッズ販売やアンケート回答プレゼント、シトロエンオーナー限定プレゼントなど、盛りだくさんの内容になっている。
また、10月12日(土)〜14日(月・祝)には全国のディーラーショールームで新型ベルランゴ・デビューフェアを実施。Webで来店ご予約のうえ期間中にショールームに行くと抽選で各店5名にシトロエン・オリジナルトランクオーガナイザーが当たる。