ラリー好きの祭典『ラリーファンミーティング2024』は大盛況!! WRCマシンと愛車のツーショット撮影やトップドライバーの同乗走行が人気!

2024年10月6日(日)、富士スピードウェイ・CGパークP2駐車場で『ラリーファンミーティング2024』が開催された。2023年に開催された第1回に続き2回目の開催となった今回は、前回よりもさらにパワーアップ。いっときは雨に振られることもあったが、ラリー好きの祭典として大いに盛り上がった。
REPORT&PHOTO:MotorFan.jp
2023年に開催された第1回『ラリーファンミーティング2023』。

『ラリーファンミーティング2024』は昨年同様、オーナーミーティング、ワークスラリーカー展示、企業による出展ブース、デモカー&ラリーカー同乗体験、ステージでのトークショーというコンテンツ。
しかし、トークショーゲスト、ブース出展メーカー、展示車両、同乗体験できるマシンも増えて、さらに充実した内容になっている。

ウェルパインモータースポーツブースではヤリスとWRXの4台を展示。

開場後に雨も降る場面もあったが、時間が経つにつれ天気は回復。午後は陽がさしてむしろ暑いくらいの陽気になった。そんなかか、多くの来場者がイベントを楽しみ、大いに盛り上がった。

会場に集まったラリーファンと出展メーカーやゲストと記念撮影。

昨年より増えた企業ブースの出展

企業ブースにはアライモータースポーツやウェルパインモータースポーツといったラリーチームはもちろん、クスコやエクセディ、ウィンマックス、ロッソモデロ、NENCといった競技車両を作るにあたって欠かせないパーツメーカーが出展。特に今年は、これまであまり表に出てこなかったクロスミッション・ドグミッションメーカーのウェルマーが出展した。

アライモータースポーツのブース。全日本ラリー仕様のWRXとWRX S4を2台展示。昨年型のWRX(右)は同乗走行に使用した。
クスコジュニアラリーチームとウェルパインモータースポーツのヤリス。
クスコブース。クスコラリーチームのGRヤリスを展示。
ロッソモデロブース。兼松由奈選手がドライブするスイフト全日本ラリー車を展示。
ウィンマックスはGR86とヤリスを展示。
エクセディもデモ車としてGR86を展示。同乗走行も行われた。
競技用のクロスミッション・ドグミッションを開発するWHELMER(ウェルマー)が出展。デモ車による体験走行が行われた。

昨年に続きMOMO(モモ)やOZといったラリー好きにはたまらないブランドも出展。タイヤメーカーではダンロップに加え、今年は横浜ゴムが出展し、全日本ラリー選手権を戦う奴田原文雄選手のGRヤリスと、ジオランダーを装着するアジアクロスカントリーラリーモデル(出走車ではない)のトライトンが展示された。また、ブースでは奴田原選手のサイン会も行われ、ラリーファンが列を成した

奴田原選手(写真中央)のGRヤリス・ラリー2と、アジアクロスカントリーモデルのトライトンを展示した横浜ゴムブース。
MOMOブースではステアリングやレーシングギアをイベント価格で販売。
実はMOMOは60周年。ブラック×ゴールドの記念限定アイテムはステアリングが200本、グローブが100双。
人気の「RACE」をベースにホーンボタンや文字をゴールドにした「NOTO」モデル。
実は1月1日の能登半島地震を支援するスペシャルメイドのチャリティモデル。イタリア本国も喜んで協力してくれた。
やはり人気の「DRIFT」にもチャリティモデルとして「PINK RIBON」をラインナップ。
スポーク裏に刻印が入る。レギュラーモデルでピンクの設定はMOMOでは珍しい。
MOMOブースに展示されていたのは個人オーナー車。まるでデモカーのような仕上がり。
車高高めなイメージのあるフィアット・パンダだが、このオーナー車はかなりローダウンされており、かなり印象が異なる。
このパンダは、サーキット走行やオーナーミーティングなどで活躍しているそうだ。
ステアリングはもちろん、シフトノブ、バケットシートもMOMO製で揃える。
OZのホイールにダンロップ・ディレッツァ02Gを装着。奇しくもMOMOブースの向かい(OZ)と隣(ダンロップ)で揃った。

そして今回の『ラリーファンミーティング』にはTOYOTA GAZOO Racingも出展。いよいよ間近に迫ってきた『フォーラムエイト・ラリージャパン』のアピール車両と共に、GRヤリスのラリー車と、なんとWRCのラリー1車両まで展示。勝田範彦選手のドライブでラリー2車両の同乗走行にも参戦した。

TOYOTA GAZOO Racingブース前に展示された3台のヤリス。

ラリーカー&デモカーでプロドライバーの走りを同乗体験

同乗体験走行では、デモカーにエクセディのGR86、ウェルマーのGRヤリスが参加。ラリーカーではアライモータースポーツのWRX、ウェルパインモータースポーツのWRX、TOYOTA GAZOO RacingのGRヤリス・ラリー2が参加した。
ドライバーは”世界のToshi Arai”こと新井敏弘選手や勝田範彦選手ら、世界や全日本ラリーで活躍するトップラリースト。安全マージンをたっぷり取った走りとはいえ、そのテクニックを間近に見られるのは貴重な機会だ。

企業出展ブースとは異なるが、RallyTeam AICELLOはラリーのサービステントを設置し、車両のメンテナンス風景を演出するとともに、全日本ラリー選手権を走るAICELLO速心DLヤリス・ラリー2で同乗走行を行った。

RallyTeam AICELLOのサービステント。
サービステントで作業中のGRヤリス・ラリー2。

さらに群馬のスバル系プロショップ・KITサービスが全日本ダートトライアル選手権に出走しているBRZと、8月にフルレストアが完了した、スバル・ヴィヴィオの1993年サファリラリー出走車(グループA)を展示。ヴィヴィオは同乗走行にも出走。ドライブしたはKITサービスの代表であり、全日本ダートトライアル選手権に参戦する小関高幸代表だった。

ヴィヴィオのテスト走行シーン。
KITサービスのヴィヴィオの詳細はこちら。

国内トップラリーストが盛り上げるトークショー

ステージで行われたトークショーでは日本を代表するトップラリードライバーが登壇。第一部では全日本ラリーについて、第二部ではラリージャパンについて語った。

トークショーに登壇した日本を代表するとップラリードライバー4名。左から新井敏弘選手、奴田原文雄選手、勝田範彦選手、柳澤宏至選手。

新井選手はご子息である新井大樹選手が2024年の全日本ラリー選手権を圧倒的な強さで制しチャンピオンに輝いており、その成長を認める一方、新井大樹選手のドライブするシュコダと自身のWRX S4の差を実際に乗り比べて痛感したそうだ。やはりWRX S4はシュコダはもちろんGRヤリスに対してもサイズや重量の面で不利は否めない。にも関わらずトップ争いに食い込む”世界のToshi Arai”の走りはさすが。2年連続で悔しい結果となっているラリージャパンでも、今年こそは好結果を期待したい。

新井敏弘選手
奴田原文雄選手
勝田範彦選手
柳澤宏至選手

やはりご子息の勝田貴元選手がTOYOTA GAZOO Racingのワークスドライバーとして活躍している勝田範彦選手。TOYOTA GAZOO Racingのラリーカーの開発にも参加しているが、ターマックの名手だけに足まわりのセッティングが硬すぎるのではないかと他の登壇者から突っ込まれていた。

BIGLOBEのサポートで全日本ラリー選手権に参戦する期待の若手ラリードライバー・長尾綱也選手も登壇。同乗走行では全日本ラリー参戦車両であるウェルパインモータースポーツのWRXのステアリングを握った。

この4名のドライバーは、柳澤選手が新井選手、奴田原選手、勝田選手に比べてやや若いとはいえ、日本ラリー界においては大ベテラン。新井選手に至ってはご子息の新井大樹選手にお子さんも生まれており”おじいちゃん”になっているというから、オールドファンにしてみると驚きだ。彼らをして「シルバーレンジャー」と自嘲しているが、その彼らが全日本ラリーのリザルトの上位に並んでいるのが現状。奴田原選手や新井選手も「自分を打ち負かす若手が出てきたら引退」と公言(したものの「でもやめないでしょ」とのツッコミあり)。長尾選手のようや若手ラリーストの成長と飛躍に期待がかかる。

来場者の多くがステージ前に集まったトークショーの様子。

第二部では長尾選手に代わり昨年に続きウェルパインモータースポーツでラリージャパンに参戦する村田康介選手も登壇。さらにプログラムにはなかった女性ラリーストによるトークショーも急遽実施された。司会を務めている梅本まどか選手、クスコジュニアラリーチームの荏崎ろあ選手、チーム大東(建託)の兼松由奈選手が登壇した。

左から梅本まどか選手、荏崎ろあ選手、兼松由奈選手。

ワークスラリーカーと愛車を並べて撮影できるオーナーミーティング

昨年同様ミーティングエリアには多数のオーナーが愛車を並べていた。昨年に続きミーティングエリアディレクターを務めたのが井元貴幸氏だけに、今年もスバル車率が高めなのはご愛嬌。スバルオーナーにとってやはりラリーへの思い入れは一入と言ったところだろうか。先だって開催された井元さん主催の『エコパでスバルの秋祭り』に参加していたオーナーの姿も見受けられた。

『エコパでスバルの秋祭り』イベントレポート
初代レガシィやスバル360、サンバーの姿も。
コーポレートカラーでもあるが、スバル車の圧倒的なブルー率。
WRXやレヴォーグも人気。希望ナンバーは「61」が増えている。

そしてイベント朝イチのプログラム、新井敏弘選手が井元さんとミーティングエリアをクルマを見ながらアレやコレや言いつつ練り歩く「トシ散歩」は今年も実施。オーナーとの和やかな交流タイムとなった。

とはいえスバル一辺倒ではなく、今年はGRヤリスのエントリーがかなり増えた。中にはラリー2と見紛うばかりのカスタムカーやTOYOTA GAZOO Racingカラーのクルマもおり、新時代のラリーカーの盛り上がりが味わえた。一方で、昨年は何台も参加していたセリカの姿が見当たらなかったり、ランサーエボリューションシリーズなどの三菱車の姿が見えなかったのは残念だ。

一方で、割合は高くないものの外国車も参加しており、定番のランチア・デルタはもちろん1990年代のエントリーラリーで活躍したフィアット・チンクチェントの姿もあった。また、レプリカオーナーズクラブのシトロエンC4ワークスレプリカは昨年に続き参加。プジョーと合わせてフランス車が目立った。レプリカ車では珍しくVWポロWRCのワークスレプリカの姿もあった。

このオーナーミーティングの最大の魅力は、展示車両=WRCマシンと愛車を並べて写真が撮れるツーショット撮影会。昨年はスバル・インプレッサWRC2007の1台だったが、今年はインプレッサWRC98(ワールドラリーカー)、スバル・レガシィRS(グループA/ポッサム・ボーン車)、スバル・インプレッサ555(グループA/コリン・マクレー車)、スバル・ヴィヴィオRX(グループA/パトリック・ジル車)、トヨタGRヤリス・ラリー1という錚々たる顔ぶれ。

先着順ということもあり、中には別車種で複数回参加する熱心なオーナーもいたほど。WRCマシンと愛車を並べられる機会などなかなかあるものではなく、参加者にとってはとても良い思い出になったことだろう。昨年、この企画を立案し、実行まで漕ぎ着けた井本さんの慧眼と言えるだろう。

555レプリカのスバル・レガシィRStypeRAは同じく555(ただしタバコ広告禁止版の三日月デザイン)カラーのインプレッサと
ヴィヴィオを中心にスバル360、レオーネの3ショットで記念撮影という特別な計らいも。
トヨタGRヤリス・ラリー1とGRヤリス。新デザインではあるものの、トヨタといえばやはりカストロールカラーのイメージが強い。

オーナーミーティングに参加していたクルマで気になったものは、改めてまとめて紹介しようと思う。

『ラリージャパン』とシーズン終盤に向けてさらに盛り上がる

第1回からさらに充実度が増した『ラリーファンミーティング2024』は、生憎の天気になる場面もありつつも、来場者は大いに楽しんだようだ。まだ2回目ではあるが、恒例のイベントして今後も継続的な開催が期待される。このイベントを通じて、近くは『フォーラムエイト・ラリージャパン』(世界らりー選手権第13戦)、ひいては全日本ラリー選手権やラリーというモータースポーツへの呼水になって欲しいと願うものである。

閉幕のステージ

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