日産バッテリーEVの大本命「日産アリア」【最新国産SUV 車種別解説 NISSAN ARIYA】

親しみやすいスタイリングで登場した「サクラ」「リーフ」とは対極のデザインの「日産アリア」。日産のフラッグシップBEVとして近未来的なフォルムはシャープで開放感も感じさせ、インテリアのミニマルなメーターパネルでさらに時代を先取りした印象。24年春に追加されたNISMOモデルはよりパワフルに、快適に進化し、高性能BEVの新しい能力を示している。
REPORT:岡本幸一郎(本文)/塚田勝弘(写真解説) PHOTO:神村 聖 MODEL:日南まみ

NISMOも追加 未来的で独特の内装が新感覚

発売以降、コロナ禍に半導体不足、生産上の事情による納期の長期化や受注の休止など不遇な状況が長らく続いていたが、2024年3月に「B6」の受注再開に加え「B6 e-4ORCE」、「B9」、「B9 e-4ORCE」の発売と、新たに上位モデル「B9 e-4ORCEプレミア」および専用チューニングを施した「NISMO」の追加が発表された。

エクステリア

切れ上がったベルトラインが目を惹くクロスオーバーテイストにより上屋が小さく見える。ミッドナイトブラックのツートーンルーフを選ぶと、黒×外装色×黒(ロワ)になり、より引き締まって見える。最小回転半径は5.4m。

日産のBEVのフラッグシップという位置づけとなるアリアの未来的なスタイリングは、あえて既存の内燃エンジン車に近い雰囲気が与えられたリーフやサクラとは対照的だ。

インストルメントパネル

ハードスイッチを極限まで減らしたミニマルなデザインが印象的。12.3インチのEV専用ナビゲーションを全車に標準装備する。簡易地図なども表示する横のメーターパネルも12.3インチで、連続性をもたせることで先進性を強調。

外見からしていかにも広そうに見えるとおり、車内は広々としている。特に後席の広さはかなりのものだ。広大なパノラミックガラスルーフを選べば、より開放感を高めてくれる。

居住性

先進的でありながら日本的な要素を取り入れたリビングのような居心地の良さを感じさせるインテリアの雰囲気も独特だ。イルミネーションを駆使した新感覚の演出も見られる。走りは極めて滑らかで静かだ。指摘された乗り心地の硬さも、すでに改善が図られている。

うれしい装備

目的地を設定し、高速道路の本線合流後に作動する「プロパイロット2.0」は、ハンズオフドライブが可能で、長距離移動時の疲労を軽減する。
SPORT、ECOから選べる走行モード、回生ブレーキが強まるe-Pedal、プロパイロットリモートパーキング用スイッチをシフト下に配置。
月間販売台数             266台 (23年9月~24年2月平均値)
現行型発表              20年7月( 「NISMO」追加 24年3月)
一充電走行距離 ※WLTCモード      640 ㎞ ※B9  
 

ラゲッジルーム

専用の内外装が目を引く新顔のNISMOは、海外にはあるが日本にはない高性能BEVの領域に一歩踏み出したモデルといえる。よりパワフルでメリハリの効いた加速フィールや意のままに操れるハンドリングなど、走りも異彩を放っている。ただし、アリアに相応しく乗り心地の快適性には大いに配慮されている。役者が揃ったアリアは、これからが本当の本番となりそうだ。

※本稿は、モーターファン別冊 ニューモデル速報 統括シリーズ Vol.158「2024-2025 国産&輸入SUVのすべて」の再構成です。

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