メルセデス最小のBEVエントリーモデル「メルセデス EQA」【最新輸入SUV 車種別解説 MERCEDES EQA】

ラインナップの中で最も小さく日本での日常使いにもフィットする「メルセデス EQA」。基本骨格やデザインをGLAと共有し、床下に電池が敷き詰められているがほぼ変わらない居住性を持つ。そして何と言っても航続距離555kmと抜群の長さを誇り、かつ最大トルク385Nmというパワーは日常使用だけでは有り余るパフォーマンスを見せる。またユーザーのニーズに合わせて選べる充電プランも用意され、メルセデスの幅広いBEVラインナップの中でもエントリーモデルとして最適なモデルと言える。
REPORT:佐野弘宗(本文)/塚田勝弘(写真解説) PHOTO:中野幸次

充電航続距離は競合車越え 強力トルクで加速性能も秀逸

「2030年までに全車バッテリー電気自動車(BEV)化」を謳うメルセデス。そのBEVシリーズである「EQ」はすでに、A、B、C、E、S……の5種類のSUVフルラインナップが完成。EQAはその中で最も小さく手頃なモデルだ。

エクステリア

横一文字のテールランプは中央に向かうほど細くなり、ワイド感と先進性を主張する。撮影車両の「AMGラインパッケージ」は、精緻な印象をもたらす20インチのアルミホイールも含まれている。

上級のEQEやEQSは今や完全なBEV専用モデルだが、それ以前の開発・発売となるEQAは、お気づきの人も多いように、基本骨格や内外装デザインを同社のコンパクトSUVのGLAと共有している。

インストルメントパネル

ジェットエンジンのタービンを想起させるエアコン吹き出し口や助手席前のスパイラル調加飾などが個性を演出している。横につなげるように並べたメーター、センターディスプレイともに10.25インチ。エアコンは左右独立調整式。

床下に電池を敷き詰めるために、後席のヒップポイントとフロアがGLAより少し高く、後席の着座姿勢が少し犠牲になっているのは事実だ。一方で前席はGLAとほぼ変わらず、居住性に不満はない。普段は1〜2人乗りで使うセカンドカー的な使い方を想定しているようだ。

居住性

本国では4WDや高出力モデルもあるが、日本仕様は「250」を名乗るFWDのみ。EQAの中でもスタンダードに近いモデルだ。66.5KWhというリチウムイオンの総電力量はライバルのBMW iX1(AWD)と同様だが、一充電あたりの航続距離は555㎞(WLTCモード)と、iX1より明確に長い。価格もその分、ちょっと高めだが……。

うれしい装備

センターコンソールの最前部に、Qi規格のワイヤレスチャージングを標準装備する。その後方には、2本分のドリンクホルダーも配置する。
右側のステアリングスイッチでACCや車間を維持しながら操舵を補助する「アクティブステアリングアシスト」などの設定ができる。
月間販売台数               NO DATA
現行型発表                21年4月
一充電走行距離 ※WLTCモード   555 ㎞ 

ラゲッジルーム

190㎰という最高出力はともかく、385Nmの最大トルクは強力そのもので、実際、アクセルペダルを深く踏み込んだときの加速は、瞬間的に前輪路面を掻きむしりそうになるほど。それでいて無粋な衝撃を発しないパワートレインの調律はなかなか見事なものがある。

※本稿は、モーターファン別冊 ニューモデル速報 統括シリーズ Vol.153「2024 国産&輸入SUVのすべて」の再構成です。

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