日産は現在進めている事業構造改革「Nissan NEXT」でブランド価値の再構築に取り組んでいる。「Z」でのGT500への参戦は、2007年以来(当時はZ33型)。2008年からは14シーズンに渡って、R35 GT-RがGT500の参戦マシンになっていた。久しぶりのGT-R→Zへの主役交代となった。
「Nissan Z is Back in the Race!」
今回のマシンは、「Nissan Z GT500」という名前である。これは、当然来年日本市場にも投入される次期フェアレディZも、フェアレディの名前がとれて、「Nissan Z」という名前になる可能性があるということだろう。グローバルでは、もともと「Z」あるいは、「ZX 」だったから、モデル名の統一が図られるのかもしれない。これに対しては、片桐ニスモCEOは、「グローバルの活動としてZと称しています。前回のGT500の際もモデル名はZでした」とコメントした。
新型モデルのお披露目は、アシュワニ・グプタCOOが行なった。「ついに”Z”がレースに帰ってきた!」と語ったグプタCOO。モデルは、「2022年型NissanZ」だと説明する。
現行のスーパーGT GT500クラスは、共通モノコックに2.0ℓ直4ターボのNRE(ニッポン・レース・エンジン)を搭載している。新型Nissan Z GT500も外観と空力以外の基本的なメカニズムは前モデルのGT-Rから受け継いでいるはずだが、2015年以来のチャンピオン奪還に向けて大きく進化していると推測できる。すでにシェイクダウンテストは終わっているという。
ドライバーの松田次生選手は、「これからテストも始まっていきます。まだ2022年の体制は、まだ多くのことは語れませんが、どんな体制になってもZの伝説、Zのヒストリーを作っていきたい。初年度からチャンピオンを獲りたいと思っています」と語った。
日産/NISMOは、お披露目のあとも、富士スピードウェイで開発テストを行なう模様だ。
アシュワニ グプタ 日産自動車COO コメント
「日産のモータースポーツ活動は、スーパーGTのZとGT-R、そしてフォーミュラEの2本の柱で勧めていきます。日産DNAのチャレンジャー・スピリットを象徴するNissan Zで再びレースに挑戦し、お客さまやファンの皆さまに、ワクワクをお届けします。70年代のアメリカにおいて240ZでSCCAの選手権に参加した頃と同じ気持ちで、我々はレースを通じ、革新的なクルマをを世に出し続けるとともに、レースでは勝利を目指して戦っていきます」
片桐隆夫 ニスモ CEO コメント
「2022年シーズンのSUPER GTに、日産DNAを象徴する新型Zの車両で熱い気持ちを持って挑戦してまいります。引き続き日産系チームのご愛顧、ご声援を賜りますよう、お願い申し上げます。GT-Rについては、GT-Rである以上はレースを続けていきます。GT300、GT3(累計で50台グローバルで販売した)は開発・部品供給などを続けていきます」