1997年に登場したエルグランドは、新たに「高級ミニバン」という市場を確立。大いに人気を博したが、トヨタ「アルファード」の出現により、その地位が揺らいだ。第3世代となる現行型は2010年にデビューしており、すでに14年が経過。一時は生産終了の噂もあったが、ここに来て次期型の開発はすでに中盤であるという。
現代の人気モデルにおける世代交代タームとしては、15年はかなりのロングライフだ。そのため、次期型では、「フルモデルチェンジ以上」が期待される。
まずはエクステリアデザインの完全新設計だ。新プラットフォームを採用し、ボディを拡大。ライバルの「アルファード」以上の存在感を持たせる。コンセプトをベースに、切れ上がったリヤや、直線的なキャラクターラインなどシャープさを前面に出したシルエットが期待される。
サイドラインには、直線的なラインとアンダー部分に大胆かつ立体的な張り出し感を持たせたデザインを採用。フロントは、両サイドの切れ込みデザイン、グリルとアンダーグリルを一体化したデザインで押し出し感をアップする。ヘッドライトは3連プロジェクターに日産デザイン型の大柄なブルーLED、また、サイドには2段型ポジションライト+ウインカーを内蔵。そこにディーフューザーを縦型に一体化させたデザインで迫力満点となりそうだ。
キャビン内では、フルデジタルインストルメントクラスター、12.3インチの大型インフォテイメントディスプレイを搭載、ナビゲーションと連動する3D高精度マップも提供されるほか、ジェスチャー操作に対応する。また「プロパイロット2.0」最新世代の採用も濃厚だ。
パワートレインはV6エンジンを廃止。1.5L直列4気筒「VCR」エンジン+第2世代「e-POWER」ハイブリッドの搭載が予想される。VCRは日産が世界で初めて量産化した可変圧縮エンジンで、圧縮比を14.0から8.0まで連続的に可変制御できるほか、燃費は現在の10km/L(2.5リットルモデル)から、20km/Lへと倍増も期待される。
同社は「ジャパンモビリティショー2023」にて、BEV「ハイパーツアラー」コンセプトを公開。これが次期エルグランドを示唆したモデルとも噂されていた。しかし、次期型でBEVが設定される可能性もあるが、世界的にもEVへのシフトが鈍化していることから、やはり当初はICEモデルが主役となるだろう。
エルグランド次期型のワールドプレミアは、2025年後半と予想される。