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HONDA CIVIC
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BMW 2-SERIES GRAN COUPE
使い勝手はハッチバックのシビックに軍配




流麗なルーフラインに加えてサッシュレスドアを採用する2シリーズグランクーペのほうがクーペらしい雰囲気を醸し出しているが、ノッチバックであり実質的にはセダンとなる。一方のシビックはセダン風のデザインだがハッチバックで、構造はより4ドアクーペに近い。
5人乗車時の荷室容量はシビックが最大452L、2シリーズグランクーペは430Lと大きな差はないが、ハッチバックのシビックは後席を格納すればひとつの大きな空間になるため利便性は高い。しかし、グランクーペにもトランクスルーが備わるためセダンとしての使い勝手はそれほど悪くない。
両車のボディサイズはほぼ同じだが、ホイールベースが長いシビックのほうが後席空間もわずかに広い。後席の乗降性に優れるのもドア開口面積が広いシビックだ。クルマの使い勝手は明らかにシビックが勝る。
ホンダ シビック EX
ボディサイズ=全長4560mm×全幅1800mm×全高1415mm
ホイールベース=2735mm
車両重量=1370kg
タイヤサイズ=235/40R18(前後)
BMW 218i グランクーペ Play
ボディサイズ=全長4535mm×全幅1800mm×全高1430mm
ホイールベース=2670mm
車両重量=1420kg
タイヤサイズ=225/45R17(前後)
パワートレインの性能は互角


両車の排気量は同じ1.5Lだが、シビックが4気筒ターボエンジン+CVTの組み合わせであるのに対し、2シリーズグランクーペは3気筒ターボエンジン+デュアルクラッチトランスミッション(DCT)となる。
2シリーズグランクーペは、ほぼ全回転域にわたって最大トルクを発生できるエンジンと、各ギア比がシームレスにつながるDCTを組み合わせ、速度やギアを問わずアクセルペダルを踏み込めばどこからでも力強く効率的な加速ができる。
シビックは高回転までスムーズに回る4気筒エンジンの特性から、加速の伸び感で優れる。トランスミッションはスポーティとはいえないCVTだが、通常走行時にも特有の違和感を抑えるように制御されるうえ、加速時は疑似変速動作を伴ってATのような加速制御となる。この「ステップアップシフト」はパドルシフトでマニュアル操作も可能だ。
両車のキャラクターやパワートレインの構成はよく似ているが特性や加速フィールは正反対といえるだろう。WLTCモード平均燃費は、シビックが15.3km/L(EX)で、2シリーズグランクーペが13.8km/L(218i)と大きな差はなく、燃料はどちらもハイオクとなる。
ホンダ シビック EX
エンジン形式=直列4気筒ガソリンターボエンジン
排気量=1496cc
最高出力=182ps/6000rpm
最大トルク=240Nm/1700〜4500rpm
トランスミッション=CVT
駆動方式=2WD(FF)
BMW 218i グランクーペ Play
エンジン形式=直列3気筒ガソリンターボエンジン
排気量=1498cc
最高出力=140ps/4600rpm
最大トルク=220Nm/1480〜4200rpm
トランスミッション=7速DCT
駆動方式=2WD(FF)
総合力はシビックが勝る!新型2シリーズグランクーペに期待


シビックのガソリンモデル「EXグレード」の価格は379万8300円。2シリーズグランクーペは、もっとも安価な「218i」でも502万円であり、使い勝手で劣るのにもかかわらずシビックより約120万円も高額となる。
同クラスの国産車と比べると割高感があるシビックだが、2シリーズグランクーペとのコストパフォーマンスの比較では間違いなくシビックのほうが優秀だ。
しかし、2シリーズグランクーペも必要十分な実用性は備えており、シビックよりもさらにスポーティな内外装は所有感を満たしてくれる。クーペと名乗るのであれば、やや狭い後席にも納得できなくはない。そうであっても2シリーズグランクーペは、やや贅沢な買い物になるといわざるを得ない。
ただし、2シリーズグランクーペは大幅に改良が加えられた新型の登場を2025年春に控えている。新型との比較なら評価は変わるかもしれない。