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ベンチタイプのソファーは2段ベッドに早変わり|タコス・ハイエース 3B
さまざまなタイプのキャンピングカーを造っている東京のビルダー「タコス」だが、バンコンに新たなモデルをラインアップした。それが「3B」だ。
タコスのバンコンにはハイエース・ワイドスーパーロングをベースにした「4B」、標準ボディハイルーフをベースにした「2B」があったが、今回はワイドミドルルーフをベースにしたモデルで、2Bと4Bの間を補完するモデルだ。つまり、室内幅は標準ボディよりもあるが、車高・全長は都市部でも扱いやすい、というわけである。
このモデルの特徴は、居住空間の使いやすさだ。まず後部シートから見ていこう。室内右手には、3人掛けのベンチタイプソファーが備えられており、向かいには単座の横向きシートが装備されている。テーブルはないが、ギャレーに天板を被せることで、モノを置くことができる。セカンドシート脇にも電子レンジやエアコンなどをインストールした家具があり、そこにもちょっとしたモノを置くことができる。
セカンドシートはバタフライタイプで、後ろ向きにしてダイネットを構成することができるだけでなく、後部ダイネットはそのままに前向き乗車ができる。このレイアウトは、例えば2名であれば、旅の中で面倒なシート操作は一切必要ないことになる。
後部のソファーはそのままベッドになり、上段ベッドと合わせると2名分の就寝スペース。セカンドシートを後ろ向きにしておけば、いつでもくつろげるダイネットがあり、さらに上段ベッドを下ろせば、すぐに寝られるというわけだ。すべてをそのままにして移動すれば、次の宿泊地でもすぐに休むことができる。
もちろん、几帳面にシートレイアウトを変更する人もいると思うが、連泊をしているといちいちシート操作をするのが面倒になる。3名以上だとそうもいかないが、夫婦で使う人なら、そのままで移動した方が遙かにラクだ。
ちなみに下段ベッドは、セカンドシートをフラットにした上で、マットを展開すれば、3人分の就寝スペースになる。愛犬がいる場合などは、こうした広いベッドが重宝するはずだ。
標準装備は充実している。電装系はもちろんのことだが、家庭用エアコンと40L冷蔵庫が標準なのは大きい。昨今の温暖化によって、夏は高原でも蒸し暑い夜になることが多い。そんな時、窓を開けてもなかなか寝付くことができない。そんな場合でも快適空間を実現するのは、やはりエアコンだ。長時間使うには、サブバッテリーをリチウムへアップグレードする必要があるが、室外機のインストールも含めて、標準化されているのはうれしい。
電子レンジが標準なのも美点だ。ただし、インバーターが装備されていないので別途付けるか、そのままであれば電源インフラがあるキャンプ場などに行くことで使用できる。
スーパーロングではないので、後部にマルチルームはないが、ベッド下にポータブルトイレを収納するスペースはある。どこで使うかは考えどころだが、セカンドシートを折り畳んで、そのスペースで…といったところだろうか。
収納と言えば、シンク下の床下が掘り下げられており、そこにモノを入れることができる。元々は8ナンバー対策のためだが、食材などをしまっておくのにちょうどいい。頭上の収納キャビネットはないが、ミドルルーフでの圧迫感を考えると仕方が無いと言える。
バンコンユーザーの話を聞くと、やはり気になるのはボディサイズだという。特に奥様が運転するという家庭の場合は、どんなに快適な居住空間を持っていても、ワイドスーパーロングは持て余してしまうようだ。加えて都市部では駐車場事情が厳しいため、あまり大きなキャンパーは駐めるのが難しくなる。
諸事情を鑑みると、この3Bは非常にいいバランスのバンコンではないだろうか。個人的には2Bでも十分魅力的だと思うが、プラスαの装備、空間が欲しい場合は3Bを検討してみてはいかがだろうか。
タコス・ハイエース 3B
■車両本体価格:550万円/展示車価格:556万6000円
■ベース車両:トヨタ・ハイエース
■乗車定員/就寝定員:5人/4人
■主要装備:エアコン/リヤヒーター/給水タンク(20L)/排水タンク(20L)/調理器具(カセット式)/シャワー(冷水)/サブバッテリー(100Ah)/外部電源/カーテン(遮光)//常設ベッド(2段)/冷蔵庫/アクリル窓/収納庫
■展示車のオプション装備:アルミホイール 6万6000円
タコス https://www.tacos.co.jp/camp.html