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三菱ふそうトラック・バス（以下MFTBC）は、フルモデルチェンジした電気小型トラック「eCanter」次世代モデルを、9月7日に発表した。2017年に国内初の量産型電気小型トラックとして発売した「eCanter」は、電動で駆動することで排出ガスを一切出さず、騒音や振動も少ないため、CO2ゼロの輸送を実現する車両として日本、欧州各国、北米、オーストラリアやニュージーランドで多様な用途にて活用されている。日本国内向けの「eCanter」次世代モデルは、2023年春に発売が予定されている。また、海外市場向けモデルも順次展開されていく。
「eCanter」次世代モデルの商品特長
■1. シャシラインアップの大幅拡充
「eCanter」の次世代モデルは、モーターを後軸に統合したeアクスルを新たに採用され、ドライブトレインをコンパクトな構造にすることで、シャシラインアップが大幅に拡充されている。国内市場向けモデルは28型式、海外市場モデルは約80型式のシャシラインアップが展開され、より幅広い物流ニーズに対応する。また、現行モデルの車両総重量(GVW)7.5トンクラスにくわえて、国内モデルでは最小5トンから最大8トンクラスまで、海外モデルでは4トンクラスから8トンクラスまでのバリエーションが展開される。キャブバリエーションも拡充し、小回りのきく標準幅キャブ（1,700mm）から、より多くの荷箱容積が確保可能な拡幅キャブ（2,130mm）が新たに追加された。さらに、ホイールベースも最小で2,500mmから、最大で4,750mmまで展開される。
■2. モジュール式バッテリーで航続距離の延長を実現
次世代モデルでは、ホイールベースに応じてバッテリーを1個から最大3個まで搭載可能なモジュール方式が採用されている。定格容量41kWhのバッテリー1個を搭載した車両は約80km、バッテリー2個搭載の車両は約140km、バッテリー3個搭載の車両は約200kmと航続距離が延長されている。現行モデルと同様に普通充電と急速充電が可能なほか、災害時に車載バッテリーから専用機器を介して住宅などへの外部給電を行うV2X機能も、次世代モデルで新規搭載されている。
■3. 多様な架装仕様に対応するePTOも装備
次世代モデルでは、動力取り出し装置「ePTO(Electric Power Take Off)」が装備され、ダンプ、リアクレーン、ごみ収集車、冷蔵車、脱着車といった架装にも幅広く対応させることができる。
■4. 電気トラック特有の機能をさらに充実
電気トラック特有の機能を充実させ、回生ブレーキが4段階のレベルでコントロールできるようになり、電費やドライバビリティを大きく向上させている。また、冬場でも走行時のエネルギー消費を節約できる「ヒーターカットスイッチ」や普通充電時にバッテリーを出発時刻に合わせてタイマーで予熱できる「バッテリープレコンディショニング」機能が設定されたほか、シートやステアリング等の必要な箇所のみを温める「省エネ暖房」機能も追加されている。
■5. 次世代電気トラックにふさわしいデザインで内外装を一新
- 次世代モデルでは内外装も一新され、次世代の電気トラックにふさわしい印象的な外装デザインに進化した。FUSOブランドを象徴するブラックベルトに、電気トラックのキーカラーであるオレンジとブルーを組み合わせ、先進的な表情に仕立てられている。LEDヘッドライト、ならびにデイタイムランニングライトも装備されたほか、最新型のLEDリヤコンビネーションランプも搭載され、安全走行をサポートする。
- 内装デザインも快適な運転のためにアップグレードした。高さを抑え、広々した空間を提供する新形状のダッシュボード、上下寸法を広げ、より多くの顧客への使い勝手を向上させた乗降グリップ、随所にキーカラーのオレンジとブルーを配したほか、ステアリングスイッチと連動した10インチのフル液晶メーターを新たに搭載した。FUSO小型トラックで採用した「FUSOイージーアクセスキー」も搭載し、利便性も大きく向上した。
■6. コネクティビティ技術に電気トラック特有の機能を追加
MFTBCのテレマティクス機能「Truckonnect(トラックコネクト)」には、電気トラック特有の新たな機能が追加された。現行モデルでダッシュボードに表示される残走行距離表示「eRange」や、新品と比べて残っているバッテリーの容量が、トラックコネクト上でも表示されるようになる。また、最も電力料金が安い時間帯にタイマーをセットして充電ができる「充電管理システム」機能も追加されている。
■7. 電気トラックの導入を支援する「FUSO eモビリティソリューションズ」の展開
MFTBCは車両開発に留まらず、電気トラックの普及を図る活動を推進している。「FUSO eモビリティソリューションズ」は、車両に加えて、電気トラックを顧客に使用してもらううえで必要不可欠な周辺要素をMFTBCの知見と経験でサポートし、顧客のeモビリティへの変革を支援する包括的なソリューションプログラムである。
先進安全装置の大幅拡充
■「アクティブ・サイドガード・アシスト1.0 (Active Sideguard Assist1.0)」
左死角に隠れた危険を警告する安全装置。ドライバーにとって死角となる箇所をレーダーによりモニタリングし注意を促すとともに、左側方向指示器の作動時やステアリング操作時に警報音とランプで警告する。レーダーが車両左側の動く対象物を検知し、このまま走行を続けると衝突の危険が避けられないとシステムが判断した場合に、車両の走行速度が時速20km以下の領域で被害軽減ブレーキを作動して車両を緊急停止し、衝突時の被害軽減を図る。
■「アクティブ・ブレーキ・アシスト5（Active Brake Assist 5: ABA 5）」
「ABA 5」は、衝突の危険を察知し、警報とブレーキで被害を軽減する衝突被害軽減ブレーキである。「ABA 5」では、前方認識カメラとレーダーにより交通状況を高精度に検知し、歩行者や前方を走行する車両および停止車両に対して、衝突リスクの軽減を可能にする。
■「アクティブ・アテンション・アシスト(Active Attention Assist) 」
フロントガラスに搭載されている白線認識カメラや各種センサーからの情報に加え、顔認識カメラを搭載し、ドライバーの顔の動き、左右のわき見や眼の開閉状態を感知して、運転注意力の低下をブザーとフル液晶メーターへの表示で警告する。
■「インテリジェント・ヘッドライト・コントロール（Intelligent Headlight Control: IHC）」
「インテリジェント・ヘッドライト・コントロール（IHC）」は、フロントガラスに搭載されたカメラが前方の交通状況や周囲の明るさを検知する。街灯が無い等の暗い道では自動でハイビームに切り替わり、対向車や前走車がいるなどの周囲が明るい場所では自動でロービームに切り替わる。
■「トラフィック・サイン・レコグニション（Traffic Sign Recognition: TSR）」
「トラフィック・サイン・レコグニション(TSR)」は、カメラが認識した前方の交通標識をフル液晶メーターに表示します。
