トラブル皆無で絶好調!! 北の大地を駆け抜ける“カッコインテグラ”参上!!

ホンダご自慢のVTEC初採用車は“カッコイイ”コイツだった! 今こそオリジナルで乗る! 80-90年代車再発見 1989年式・ホンダ・インテグラ3ドアクーペXSi(1989/HONDA INTEGRA 3DOOR COUPE XSi)

80年代から90年代にかけてのホンダといえば
エポックな技術としてVTECの開発が挙げられる。
可変バルブタイミング機構を初採用した
名車を紹介しよう。

タイプRより前のVTEC初採用車

排ガス規制をCVCCという独自技術により触媒なしで切り抜けたホンダ。エンジン屋としての技術力の高さを証明したものだが、S800以降DOHCエンジンがなかった。復活したのが1984年のシビック/CRXで、一気にスポーティ車の代名詞になる。

ところがさらにホンダは技術で他社をリードする。それが1989年に発売された“カッコインテグラ”こと2代目インテグラだ。発売時に話題をさらったのが可変バルブタイミング・リフト機構であるVTECで、エンジン回転数によりバルブの開閉タイミングとリフト量を変化させるもの。具体的にはカム山にハイとローを設け、回転数により油圧でカムをスライドさせて実現したものだ。

インテグラには1.6リッターのB16Aが採用され、シビック/CRXにも追加採用。さらに90年には3リッターV6のC30AがNSXに続けて採用された。VTECといえばタイプRのイメージだが、実は初採用が普通のインテグラだった。89年の発売当時、新車で手に入れた人が最近になって30年ぶりにインテグラを買い直したエピソードを紹介しよう。

外観

インテグラは初代がクイント・インテグラで1985年にクイントの後継車として登場。1989年のフルモデルチェンジ時にクイントがなくなりインテグラになった。3ドアクーペと4ドアハードトップの2ボディが用意され、エンジンは全車1.6リッターでスタート。最上級グレードのXSiだけVTECエンジンとされ、低グレードには電子制御キャブもあった。1991年のマイナーチェンジでVTECは170psへ出力向上。

横長のヘッドライトは内側にフォグランプを内蔵したのが特徴。
リヤスポイラーもオプションで標準装備ではないのがホンダらしい。

エンジンルーム

B16A型の最高出力は160ps

初のVTECは1.6リッターで160psあり、プレリュードSiのB20Aより15psもパワフルだった。トルクはプレリュードXXと同じ15.5kgmで先進的だった。

ホンダ車しか乗らない根っからのVTEC好き

オーナーは学生時代に2代目シビックを愛車としていた。卒業と同時に北海道で中学教師となり、そのタイミングで新車を手に入れた。それが発売されたばかりのインテグラXSiでVTEC初採用車だった。


多忙な毎日だったが広い北海道なので走行距離は伸びる一方。けれど飽きずに5年間所有し続けた思い出のクルマ。その後もホンダ車ばかり乗り継ぎ、いつしかNSXやS2000、ビートを所有するようになった。


ところが2年ほど前、ネットの検索履歴からインテグラの売り物広告がパソコンに表示された。それが現車で、なんと女性の1オーナー・車庫保管・走行2万キロという極上車だったのだ。こんな売り物はニ度と出てこないとばかり、その日に電話して見にいく。すると外国人から引き合いがあると聞き、即決してしまったのだ。


所有車のなかで最も古い年式になるため、部品の確保で苦労しそうだと考えている。けれど乗らないのも意味がないと、すでに1万キロほど走った。ところがトラブルは皆無で絶好調だとか。


教職は病気により退職して、今は家業だった電気工事を継いでいる。得意先にホンダディーラーが多く、今のところは車検をお願いしている。インテグラの専門店は少ないため、VTEC系ショップでメンテやパーツ入手は可能だ。

室内

ナビやドリンクホルダーを追加しただけのインテリア。中央のドリンクホルダーは90年代に使用されていた当時モノなのだ。
サイドサポートが張り出したフロントシートだが走行距離が短いためか傷ひとつない禁煙車だった。
リヤは3人掛けだが2人でちょうど良い広さ。クーペだが実用性は高い。
このホンダ・インテグラ3ドアクーペXSiの記事は2022年12/21発売の令和に残るクルマ改造雑誌『G-ワークス』(毎月21日発売)2023年2月号に掲載されています。

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