フォルクスワーゲンが米ラスベガスで開催されるCESで新型電動セダン「ID.7」を特殊なカモフラージュ仕様で披露!

フォルクスワーゲンは1月5〜8日(現地時間)に米ラスベガスで開催される「CES(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー)」において、新型セダン「ID.7」(生産車に近いコンセプトモデル)を披露する。

ID.7は2026年までに発売を予定している10の新しい電気モデルの内のひとつ。最大航続距離は約700km

フォルクスワーゲンは1月5〜8日(現地時間)に米ラスベガスで開催される「CES(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー)」において、新型セダン「ID.7」(生産車に近いコンセプトモデル)を披露する。

このたび披露される「ID.7」には、独自の技術で車両を多層ペイントすることにより、車両の一部に光の効果を生み出すスマート カモフラージュが施されている。このインタラクティブな機能は、将来「ID.」ファミリーのフラッグシップモデルとなる「ID.7」のデジタル化における次のステップを象徴している。

中国で最初に発表された「ID.AERO」コンセプトは、空力設計コンセプトを体現し、最大 700km(WLTP)の航続距離を達成できる新しいモデルのプレビューをすでに提供していた。フォルクスワーゲングループ・オブ・アメリカは、6年ぶりに世界最大となる電子機器の見本市CESに特別なモデルを携えて戻ってくる。

このたびの発表に際して、フォルクスワーゲンブランドのトーマス・シェーファーCEOはこのように述べている。
「新しいID.7により、電気モデルの範囲を上位セグメントに拡大します。このセダンはトップクラスのテクノロジーと品質を提供します。ID.7は、2026年までに発売を予定している10の新しい電気モデルの内のひとつです。私たちの目標はあらゆるセグメントのお客様に最適な製品を提供することです」

革新的なエアコン及びコンフォート体験を提供

ID.7には多くのイノベーションが標準装備されている。具体的には下記の5つが挙げられる。
●新しいディスプレイコンセプト
●AR(拡張現実)ヘッドアップディスプレイ
●15インチ(38cm)のスクリーン
●インフォテインメントシステムの第1レベルに統合された新しいエアコンコントロール
●照明付きタッチスライダー

インテリジェントベントを備えた新しい空調コンセプトは、多くの機能を提供する。例えば、ID.7はキーに基づいてドライバーが近づいていることを検出し、ドライバーが車両に乗り込む前に、夏の暑い日には車内を冷やし始め、寒い日には車内を暖め始める。新設計の「Smart Air Vents」が空気の流れをコントロールし、ダイナミックに動くことで広範囲にできるだけ早く空気を分配する。車内に乗客がいる場合は、空気を直接体に向けたり、間接的に車内を換気したりできる。これらの機能は、新しい大型ディスプレイでいつでも見ることができ、ユーザーごとに個別に保存することができる。音声コマンドを使用して、特別なリクエストを有効にすることも可能だ。ユーザーが「ハロー、フォルクスワーゲン、手が冷たい!」と言うと、ID.7はステアリングヒーター機能を作動して応答し、同時に暖かい空気が手に向けられる。

特殊でインタラクティブなカモフラージュコンセプト

今回のCESで、フォルクスワーゲンはID.7のインテリジェンスを特別な方法で披露する。カモフラージュされたボディは、ID.7をインタラクティブに照らすユニークな塗装を施したデジタルデザインが特徴で、導電性の塗膜と絶縁性の塗膜を含む40層からなるペイントが施されている。車両の合計22の領域は個別に制御でき、塗装の最上位の層より下層(エレクトロルミネセンス)は電気が供給されて発光する。これらすべてがサウンドシステムに接続されている場合、リズムは個々の領域の照明によって視覚化される。フードと両サイドの2次元バーコードは、物理世界とデジタル世界の間のインターフェイスを提供。カモフラージュ全体も2次元バーコードのテーマをさらに進め、最終的な生産車両の輪郭を隠す。

MEBは空力設計とゆとりのあるインテリアコンセプトの実現を可能に

ID.7のスタイリングは、フル電動モデルファミリー「ID.」のデザインランゲージに従ったもの。このセダンの特徴は、エネルギー消費の削減と航続距離の延長に貢献するエアロダイナミックなフロントセクションとルーフにある。フロントエンドに配置されたエアインテークは、エアインテークを通って流れる空気を車両の側面から後方へと狙い通りに導く。それによってエアカーテンを形成し、車両の側面の空気の流れを静める効果をもたらす。一方、ルーフは後方に向かって傾斜しているため、非常に優れた空気抵抗係数に貢献。航続距離は最大で約700km(WLTP)と発表された。

他の「ID.」モデルと同様に、ID.7はフォルクスワーゲングループによるMEB(モジュラー・エレクトリックドライブ・マトリックス)をベースにしている。短いオーバーハングと長いホイールベース(2970mm)を備えたモジュラーマトリックスの利点は、インテリアにもメリットをもたらす。ID.7においては、これがゆとりある室内空間をそなえた上級セダンの特徴につながっている。

フォルクスワーゲンのe-モビリティ攻勢

ID.7により、フォルクスワーゲンは成功を収めたフル電動「ID.」ファミリーを拡大している。ハイボリュームセグメントのアッパーミドルクラスに分類されるID.7で「ACCELERATE」戦略で定めたe-モビリティ攻勢を推進する。フォルクスワーゲンは、最初に発表した「ID.3」が2020年9月に顧客に引き渡されて以来、50万台以上の車両を納入していて、すでに最初のマイルストーンに到達している。これは、サプライチェーンの継続的な困難にもかかわらず、計画よりも約1年早く、販売ネットワークを通じて世界中に販売されている。

「ID.3」「ID.4」「ID.5」「ID.6(中国のみ)」、そして先ごろ日本でも披露された「ID.Buzz」 に加え、「ID.7」は「ID.」シリーズの6番目のモデルになる。ID.7はID.4に続くMEBベースの2番目のグローバルカーで、中国、欧州、北米の主要3市場に投入される予定だ。ヨーロッパ市場向けのID.7は、ID.4と同様にフォルクスワーゲンのエムデン工場で生産される。

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