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型式は8C。シングルローター・ロータリー
なにより、注目なのはロータリーの復活である。
ロータリーエンジンは、「13B型」ロータリーがRX-8に搭載されていた。RX-8の生産は2012年に終了。それ以来の復活となる。
今回のマツダMX-30 e-SKYACTIV R-EVに搭載するのは、「発電用」としての新たに開発したロータリーエンジンで、型式は「8C型」になる。MX-30 e-SKYACTIV R-EVは、発電用に必要とされる出力性能をコンパクトに実現できるロータリーエンジンの特徴を活かし、高出力モーター、ジェネレーターと同軸上に配置してモータールームに搭載する。
MX-30 e-SKYACTIV R-EVは、8Cロータリーを発電用に搭載するシリーズ式プラグインハイブリッドで、BEVとしての走行距離は85km。そこから先は、ロータリーエンジンによる発電でさらなる長距離ドライブができるわけだ。
バッテリー容量は17.8kWh。燃料タンク容量は50Lである。
ちなみに、MX-30 EV model(BEV)のバッテリー容量は35.5kWhである。
MX-30 e-SKYACTIV R-EVは、普通・急速充電両方に対応した充電機能を持つ。また使用シーンに合わせて選択できる「EVモード」「ノーマルモード」「「チャージモード」の3つの走行モードを備える。
MX-30 e-SKYACTIV R-EV
マツダMX-30は、2020年に登場した、コンパクトSUVクーペだ。センターピラーレスの、フリースタイルドア(観音開き)を持つ個性派だ。これまでのパワートレーンは
24Vマイルドハイブリッドシステム付きの2.0ℓ直4ガソリン(e-SKYACTIV G2.0)とBEVの二本立てだった。ここにe-SKYACTIV R-EVが加わるわけだ。
従来のBEVモデルは、走りの良さには定評があったが、航続距離が比較的短かったことでなかなかヒットとはならなかったが、発電用ロータリーエンジンを得て、その魅力が大きく増しそうだ。
MAZDA MX-30 e-SKYACTIV R-EV Edition R
さらに、には特別仕様車「MX-30 e-SKYACTIV R-EV」には、特別仕様車「Edition R」を設定する。黒基調の外板色および
内装色としながら、ルーフサイドにはマツダ初の乗用車である「R360クーペ」のルーフ色を復刻したマローンルージュメタリックを差し色として採用している。また、フロアマットやシートのヘッドレストには、ローターの形状を模したバッジやエンボス加工などの専用デザインを施した。
ブリュッセル・モーターショーで発表したことからわかるとおり、まずは欧州仕様に投入されるのだろう。もちろん日本発売もされるはず。
マツダはこの8C型ロータリーの製造ラインを広島に設けたという。そこで8C型はもちろん、13B、12Aなどの補修用のロータリーエンジンも製造する。
マツダといえば、やはりロータリー。発電用とはいえ、ロータリー復活は、うれしいニュースである。