キャラバンをベースとした「Powered Base for PRO」のターゲットは、ズバリ「電気工事士」。それも、ふたりだけで作業するような個人事業主という。こんなにターゲットが具体的なコンセプトカーは珍しい(笑)が、実際にリサーチをした結果の実戦的な装備が随所に投入されている。
電気工事士の方のクルマをチェックすると、車内が広くてもそのスペースを有効利用できておらず、工事に使用する部材や工具がうまく収納できない、という悩みが多かったという。それを解決するために用意されたのが、リヤゲートを開けると姿を現す可動式のラックだ。手前側に引き出すと、向かって右側には作業着や電動工具、左側には工具箱や電動工具用のバッテリーが搭載されている。
中央には広めのスペースが用意されており、大きな部材を積載するのに便利。床は手前側にスライドするので、奥に積まれた荷物に手が届かない、なんて心配も不要だ。耐荷重は150kg以上というスペックも頼もしい。また、このスライド式の床板の下には脚立が収まるようになっているのも心憎い。
そして、電気工事士の方のもう一つの悩みが、休憩時間の過ごし方。暑い日には車内のクーラーですずみたいところだが、騒音や排気ガスの面からエンジンをかけっぱなしというわけにはいかない。そこで、日産リーフの再生バッテリーを活用したポータブル電源を搭載することで、スポットクーラーの利用が可能となった。
電力は、ルーフやリヤウインドウに備えた太陽光パネルで賄う。事務仕事が可能な後席スペースには電子レンジや電気ポットも備え、”移動する事務所”として大活躍する場面が想像できる。
まさにプロ中のプロが使うにふさわしいキャラバンなのである。