このクラウンなら欲しい!と思わせる完成度
東京オートサロン2023で賑わった幕張メッセ。その北ホールでは2022年に引き続きで「TOKYO OUTDOOR SHOW」が開催されていた。そこに、レクサスとトヨタも出展していた。
東京オートサロンとは明らかに違うテイストの展示ブースに置かれていたのは、クラウン クロスオーバー アウトドアコンセプトだ。ネット上、Twitter上でも話題になっていたこのモデルを見ようと近づいたら、すぐ隣に見覚えのある方が立っていた。トヨタ自動車ミッドサイズビークルカンパニー MSZ ZS チーフエンジニア皿田明弘さんである。新型クラウンの開発責任者だ。
ブースを訪ねたのは1月15日(日曜日)だった。たいてい、自動車メーカーの開発者、広報担当者がブースで対応するのは、金曜日のプレスデーのみ。開発責任者が、土日にブースにいるのは珍しい。皿田さんは、「金曜日は来られなかったですが、土日はブースにいますよ」と言った。
「ブースにいると、お客さまの反応がダイレクトにわかります。お話しもできるので、本当に開発に役立つのです」と話してくれた。
このクラウン クロスオーバー、カッコイイですね! お客さんの反応も良いでしょう? と聞いてみると
「はい。すごくいい反応をいただいています。これ、いつ発売するの? いくらなの? 欲しい!というような声をたくさんいただいて、うれしいですね」と皿田さんは言う。
実物を見ると、これこそクラウン クロスオーバーがやりたかったことなのでは、と思うほど、アウトドアテイストがぴったりはまっている。
ベースは、2.5L直4+シリーズパラレルハイブリッドモデル。駆動方式はE-Fourだ。車高は5cm上げられている。じつは、車高5cmアップは走行上難しいそうで、車高5cmアップはあくまでもコンセプトだから、だそう。
ボディカラーのアーバンカーキは、量産車のクラウンクロスオーバーには設定していない。これはRAV4のボディ色だ。このボディ色とブラックの2トーンがじつにオシャレだ。
オリジナルもブラックのクラッディングで足元を引き締めていたが、アウトドアコンセプトでは、迫力あるマッドブラックのビス留め風の「オーバーフェンダー」が装着されていた。
タイヤ&ホイールは、BFグッドリッチの265/60R18 オールテレインタイヤ+18インチ/7.5Jホイールを履く。オリジナルは、225/45R21を履いていた。外径は
アウトドアコンセプト:775.2mm
オリジナル:736.4mm
だから、約39mmもアウトドアコンセプトのタイヤは大きい。これも全体のイメージに大きく効いている。
「OUTDOOR SHOWにいらしてるお客さまは、リヤ部分にも反応してくださるんですよ」(皿田さん)
トランクには、アウトドアを楽しむためのアイテムが放り込まれていた。そして、トランクの前方はトランクスルーとなっていて後席を倒せる仕様となっている。オリジナルのクラウンクロスオーバーの国内仕様のリヤシートは固定式でトランクスルーはない(後席中央に一部分がトランクスルーできるようになっている)ので、このコンセプトのために特別に作ったそうだ。
また、リヤに付けられていた牽引フックへの問い合わせも多かったという。キャンプ用のトレーラーなどを牽引してアウトドアへ、というニーズもあるからだ。
ルーフにはアルミ製のキャリアとLEDランプライトが付いていた。通常のSUVのルーフキャリアだと荷物を載せる際に身長の低い人は難しさを感じていたが、クラウンクロスオーバー アウトドアコンセプトの1590mm(ノーマルより50mmアップ)なら、手が届きそうという感想もあったという。
多くの好意的な反応を得たクラウンクロスオーバー アウトドアコンセプト、なんらかのカタチでぜひ、市販化を期待したい。