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アウトドアに限らず、趣味の領域でも便利な車中泊
車中泊は、今人気のアウトドア・スタイル。宿泊を伴うキャンプなどのアウトドアでは、テントのほか、コット、マット、シュラフなどの就寝用グッズを用意する必要があるうえ、設営や撤収も手間もあるので、どうしても初心者は敬遠しがち。ところが、車中泊ならば、そんな準備や手間を掛けることなく、どこでもいつでも手軽に寝泊まりできるのが最大の魅力だ。
また、ドライブ旅行では、ホテルの予約、チェックイン・チェックアウトや食事の時間などを気にすることなく、自由気ままに行動できるところもメリット。車中泊はキャンプや旅行に留まらず、クルマを起点に楽しむ釣り、スキー、スノーボード、サーフィン、トレッキングなどのアウトドアスポーツのほか、写真撮影や天体観測などの際も活躍する便利なスタイルといえる。
ルーフにテントを設置した「車上泊仕様(オーバーランド・スタイル)」も人気の兆し
「東京オートサロン2023」では、従来のストリート系カスタムカーのほか、アウトドアブームを反映して4WD、SUV、ワゴン、軽バン、軽トラなどをアウトドア仕様にカスタムし、車中泊キットを込み込んだクルマが数多く出展されていた。
そんな中にあって、ひときわ目立つ存在だったのが、ルーフにテントを設置した車上泊仕様(オーバーランド・スタイル)のクルマ。前述のとおり、車中泊仕様のメリットは大きいが、ベッドを展開する際は、そこに積んであったキャンプ道具などを車外やルーフラックに退避させる必要がある。
ところが、ルーフにテントがあるオーバーランド・スタイルは、車内にたくさんの荷物を積んだまま就寝できるので、スペース効率や手軽さは抜群!未使用時はルーフラックよりコンパクトに収納できるので、走行時のフォルムもスリムで極めて実用的だ。
そもそもオーバーランド・スタイルは、欧米では荒野でテントを張って寝ているとクマ、ヘビ、サソリなどに襲われる危険性があるので、比較的、古くから愛用されていた。日本では、このような危険は滅多にないが、最近はスペース効率の良さやスタイリッシュな点が評価されて、アウトドア系カスタムのひとつとして注目されつつある。
ここからは、東京オートサロン2023+東京アウトドアショー2023に出展されていた車中泊仕様と車上泊仕様のクルマを、いくつかピックアップして紹介しよう。
■T-STYLE Jimry(ジムリィ)
「ハイエースやKカーのカスタムなら誰に負けない!」と豪語するT-STYLEの車上泊仕様。エブリィをベースにジムニーのグリルなどでドレスアップし、アップサスとネオチューンの足回りで固めたハードなイメージを持つ軽バン。室内には車中泊キットが組み込まれているほか、ルーフには丈夫なルーフラックの上にポップアップ式のルーフトップテントを設置。軽バンだが、車中泊+車上泊のダブル仕様とすることで、大人が最大で4人泊まれる仕様となっている。
■flexdream HIACE FD-BOX5キャンピング
4WD、SUV、ワゴンなどのカスタムを得意とするflexdreamは、ハイエースをベースにイエローのボディカラー+ウッド調パネルが特徴的なHIACE FD-BOX5キャンピングを出展。標準ボディながら、新キャンピング規制対応の8人乗りキャンピングカー登録となっていて、街乗りから大人数でのキャンプまで幅広く対応しているところが特徴だ。
室内には車中泊キットが組み込まれ、6面のカーテンも標準装備されているので、購入後すぐにキャンピングライフを楽しむことが可能。同社が輸入販売しているARB製のルーフトップテントを装着すると、車中泊+車上泊のダブル仕様にすることもできる。
■DAMD HUSTLER COUNTRY
東京国際カスタムカーコンテストのKカー/コンパクトカー部門で最優秀賞を受賞したDAMDのHUSTLER COUNTRYは、東京オートサロン2023でもグランプリを受賞。ワイルドなフォルムとキュートさを融合させた「カワイルド」が合言葉のHUSTLER COUNTRYは、迫力満点のフェイスチェンジキットに加え、ボディサイドを彩るグレー×迷彩柄のステンシルステッカー、立体感のあるクラシックデザインのホイールなど、細部までこだわったセンスの良さが光る1台。今回は、リアにSTONEACRES製のシェルター型カーサイドタープを取り付け、拡張性の高さもアピールしていた。
■GTG HILUX ROGUE OVERLAND CONCEPT
GTG(群馬トヨタグループ)は、クロカン4WDを中心に意欲的なカスタムカーを数多く出展。こちらのHILUX ROGUE OVERLAND CONCEPTは、オーストラリア仕様のワイドボディをベースに、オーバーランド・スタイルに仕上げた握力満点のコンセプトカーだ。
荷台にはまるで軍用車のような武骨なロールバー+キャリアが設置さており、スタックに備えてジャッキ、スコップ、スタックヘルパーなどを装備。その上にはオーバーランド・スタイルを象徴するTMJ製のルーフトップテントを搭載している。最近はフルサイズのピックアップトラックが静かなブームになっているが、これらの車両をオーバーランド・スタイルにカスタムする際のお手本としてオススメしたい1台だ。
【番外編】M16のブースにあった軍用車両に目が釘付け!
東京オートサロン2023と併催された東京アウトドアショーの会場には、アウトドア仕様のクルマのほか、数多くのアウトドア・ブランドのブースが出展していた。その中で特に注目したのが、キャンプ・アウトドア業界では絶大な人気を誇る「M16 Camping Equipment(以下、M16 )」のブース。M16は、アウトドアシーンで盛り上がりを見せている16(現在は17)の人気ガレージブランドによって結成された集団で、このショップが扱う商品は非常に人気が高く、なかなか入手できないことでも有名だ。
そんなM16のブースには、キャンプ好きな人ならばヨダレの出そうな商品が数多く展示されていたが、筆者はブースの両脇に展示されていた2台の軍用車らしきクルマに注目!実はこの2台、M16でCEOを勤める山口氏とCOOの辻ノ内氏が所有するクルマだそうだ。
お2人に話を聞いてみると、なんと山口氏は名古屋から、辻ノ内氏は島根から会場のある千葉県・幕張まで自走してきたとのこと。さすがは今注目のガレージブランド集団の幹部だけあって、アウトドアグッズだけでなく、クルマにも強いこだわり持ちながら、自身のライフスタイルを表現していることがわかった。