新型プリウスは「買わない」方がいい!? ディーラーでは納期未定のプリウスをサブスクで乗るのはオトクなのか?

ハイブリッドカーといえば「トヨタ・プリウス」がアイコン的モデル。フルモデルチェンジしたばかりということもあって通常の購入方法では納期未定になっているという話もある。しかしてサブスクリプションサービス「KINTO」であれば1.5~2ヶ月程度で納車可能だという。はたしてサブスクを利用してプリウスに乗ることのコストパフォーマンスは?
REPORT:山本晋也(YAMAMOTO Shinya) PHOTO:平野 陽(HIRANO Akio)/Toyota

月額1万6610円の7年契約。総支払額は370万円

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2023年、大注目といえる新型プリウス(5代目)の販売が始まりましたが……早々に納期未定といった状況になっているようです。

スタイリングの評価も高く、また燃費最優先のハイブリッドカーから脱却している新型プリウスですから好調過ぎるスタートダッシュも予想通りといったところでしょうか。

新型プリウスの上級グレードには新エンジンの2.0Lハイブリッドシステムが搭載され、スポーティで走りを楽しめるのもポイントです。一方、燃費重視の1.8Lハイブリッドを搭載した注目のグレードが、サブスクリプションサービス「KINTO」専用のUグレードでしょう。

KINTOを利用すれば2ヶ月程度の短納期となっているのですから見逃せません。

グレード名が「U」となっているのは、新しい「KINTO Unlimited」というサービスにて新型プリウスが提供されることを意味しています。このサービスでは先進安全装備用のセンサーが後付けできるなど、ソフトウェア/ハードウェアのアップデートができるというのが特徴。サブスクリプションサービスですから、契約期間中の任意保険、車検、各種税金、消耗品のコストも含めた価格設定となっています。

1.8Lハイブリッドを搭載モデルは樹脂製のホイールキャップを装着。

その料金は月々1万6610円~、と手頃になっているのもKINTOでプリウスに乗ろうと思ってしまう部分でしょう。

ただし、この料金には裏があります。7年契約で、ボーナス時に16万5000円を加算するというプランになっているのです。7年でボーナス加算は14回ありますから、総支払額は370万5240円となってしまうのです。

7年で残価30%というのは良心的な設定といえるか

1.8Lハイブリッドを搭載したKINTO専用の「U」グレード。

KINTO専用ということでUグレードにはメーカー希望小売価格は設定されていませんが、参考価格として299万円という数字が公表されています。

299万円のクルマを7年使うのに370万円以上も支払うのは何だか損をしているように感じます。

ただしKINTO側の試算では、7年間で必要な維持費(自動車税/自動車保険/車検代/メンテナンス費/消耗品代)の合計は約172万円に達するといいます。

この試算をそのまま受け入れるのであれば、7年間で車両の償却分は約200万円ということになります。約30%も残価が残っている設定です。

いくら人気のプリウスでも7年後の残価30%は良心的といえるのではないでしょうか。実際、7年後の2030年にはもっと電動化が進んでいる(相対的にハイブリッドカーの価値が下がっている可能性もある)ことを考えると、この残価率は強気という印象さえあります。

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月々1万6610円のプランにはフロアカーペットも含まれていない。

同じような条件で2.0Lのプリウスは月額2万6950円

なお、KINTOを利用して2.0Lハイブリッドを積むプリウスに乗ることも可能です。
メーカー希望小売価格320万円、2.0LプリウスのエントリーモデルとなるGグレードを、上記と同じ7年契約で試算すると、月々の支払額は2万6950円(ボーナス月16万5000円加算)となります。

2.0Lハイブリッド搭載モデルは切削光輝+ダークグレーメタリックの17インチアルミホイールを履く。

7年間の総支払額は457万3800円。同じく維持費の総額を172万円と仮定して計算すると、こちらは残価10%程度での想定となっているようです。

Uグレードの参考価格自体が、残価率を高めに見せるための数字であって実態に即していない可能性も否定できませんが、コストパフォーマンスからKINTO Unlimitedを利用してプリウスに乗ることは優位といえそうです。納期の短さを考えてもサブスクの利用を検討する価値はあるのかもしれません。

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1.8Lのシステム最高出力は140PSだが、2.0Lは196~199PSとパワフルだ。

新型プリウスのパワートレーンは、出力大幅アップで燃費は従来通り(つまりメチャメチャいい)の優れもの

新型トヨタ・プリウスは、デザインだけでなくパワートレーンも大きく進化している。従来なかった2.0Lのハイブリッドと従来型の1.8Lハイブリッドの二本立て。どちらも従来並みの燃費性能をキープしつつ出力を大幅にアップしている。詳しく見ていこう。 TEXT:世良耕太(SERA Kota)PHOTO:平野 陽(HIRANO Akio)/Toyota

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著者プロフィール

山本 晋也 近影

山本 晋也

1969年生まれ。編集者を経て、過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰することをモットーに自動車コ…