スズキ「スイフト」の車両組立生産がガーナで開始。アフリカにおけるクルマの地産地消を推進

ガーナでの式典の様子(写真左から豊田通商大塚本部COO、貿易産業省バアフィ副大臣、同ジナポー大臣、望月大使、スズキ鈴木常務役員、TTMG山田社長)
豊田通商のガーナ共和国における車両組立会社であるTOYOTA TSUSHO MANUFACTURING GHANA CO. LIMITED(以下TTMG)はこのほど、2022年9月より、ガーナにおいて、スズキの小型車「スイフト」のSKD生産を開始したことを発表した。

トヨタのピックアップトラック「ハイラックス」との混流生産

豊田通商のガーナ共和国における車両組立会社であるTOYOTA TSUSHO MANUFACTURING GHANA CO. LIMITED(以下TTMG)はこのほど、2022年9月より、ガーナにおいて、スズキの小型車「スイフト」のSKD(※)生産を開始したことを発表した。
※Semi Knock Down(セミノックダウン)の略。ボディを溶接、塗装済みの状態で輸入し、主要構成部品をボディやシャシーに組み付ける車両組立て方法、または部品の分解形態のこと

このたびの件は、2019年8月に横浜で行われた第7回アフリカ開発会議(TICAD7)において、豊田通商とガーナ政府が締結した「自動車産業の発展に向けた協業に関するMOU」に基づく取り組みの一環。TTMGの工場では、トヨタのピックアップトラック「ハイラックス」のSKD生産を2021年6月より開始しており、豊田通商にとって、アフリカにおけるスズキ車の生産および2ブランドの混流生産は初めてとなる。

生産開始を受けガーナでは1月30日、ガーナ貿易産業省のサミュエル・アブ・ジナポー大臣、在ガーナ日本大使館の望月寿信特命全権大使、スズキの鈴木浩一常務役員の出席のもと、式典が行われた。式典に出席したスズキの鈴木常務役員は、「ガーナでのスズキのプレゼンスを高めていきたい。ガーナ国民の皆さまにスイフトをはじめとする当社製品に愛着を持っていただけると嬉しい。」とコメント。また、豊田通商のアフリカ本部の大塚本部COOは、「ご協力いただいたガーナ政府に感謝するとともに、引き続き自動車産業発展のために支援をお願いしたい。豊田通商も“With Ghana, For Ghana”の精神で尽力したい。」と抱負を語った。

スズキ・スイフト(写真はTTMGで生産されている仕様とは異なる)

今回の「スイフト」のSKD生産は、2019年1月にトヨタからアフリカでの営業業務の全面移管を受けた豊田通商と、2019年3月にトヨタと協業合意したスズキ間のアライアンス強化・拡充の一環として実行されたもの。なお、豊田通商グループでは現在、アフリカにおいて、エジプト、ケニア、ルワンダ、ガーナの4カ国で車両生産を行っており、TTMGの工場では、生産能力は年間1700台、従業員数は約50人規模となっている。

今後も、スズキと豊田通商はアライアンス強化・拡充を目指し、市場のニーズに合わせて現地生産に取り組みながら、アフリカの自動車産業発展に貢献していく方針だ。

●TTMG 概要
・会社名:TOYOTA TSUSHO MANUFACTURING GHANA CO. LIMITED
・所在地:ガーナ共和国テマ市
・資本金:800万米ドル
・株主:豊田通商100%
・代表者:山田明社長
・設立:2020年6月
・事業内容:車両の組立生産
・生産車種:トヨタ・ハイラックス、スズキ・スイフト
・生産台数:1700台/年

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