ルノーと日産がインドにおける新たな取り組みを発表。2車種のEVを含む6車種の新型車を生産へ

ルノーと日産自動車は2月13日、インドにおいて生産と研究開発の事業を強化し、電気自動車(EV)の投入とカーボンニュートラルな生産体制へ移行する新たな長期ビジョンを発表した。両社はチェンナイを拠点として、国内外の顧客向けに2車種の新型EVを含む6車種の新型車を共同開発し、ルノー・日産の拠点を国際的な輸出ハブへと高めていく。

ルノーと日産にとってインド初のEVとなる2車種のAセグメントEVは、「日産リーフ」と「ルノー・ゾエ」が切り拓いたグローバル量産型EVの専門知識を活かして開発

ルノーと日産自動車は2月13日、インドにおいて生産と研究開発の事業を強化し、電気自動車(EV)の投入とカーボンニュートラルな生産体制へ移行する新たな長期ビジョンを発表した。両社はチェンナイを拠点として、国内外の顧客向けに2車種の新型EVを含む6車種の新型車を共同開発し、ルノー・日産の拠点を国際的な輸出ハブへと高めていく。

この新規プロジェクトのために、約6億USドル(約530億インドルピー)の初期投資を計画。さらにチェンナイのルノー日産テクノロジー&ビジネスセンターインディア社(RNTBCI)では、最大で2000名の新規雇用を創出する見込みだ。同時にルノー日産オートモーティブインディア社(RNAIPL)の工場は、再生可能エネルギーの発電量を大幅に増やすことで、カーボンニュートラル化していく。

日産のAMIEO(アフリカ・中東・インド・ヨーロッパ・オセアニア)マネジメントコミッティ議長であるギョーム・カルティエ氏は「ルノーと日産はインド市場への取り組みを強化します。インド市場の電動化を推進し、環境への影響を最小限に抑えていきます。インドは初のアライアンス工場が竣工した地であり、新型車や新しい研究開発の取り組み、新しい輸出市場を通じて、共同事業を次のレベルへと引き上げ、アライアンスの新しい章の中心的な役割を果たしていきます。インドにおける日産のラインアップに、初めてグローバルに高品質なSUVとEVが加わることで、従業員、お客さま、地域社会により大きな価値をもたらします」と述べた。

また、ルノー・グループのインターナショナル・デベロップメント・パートナーシップ担当SVPでアライアンス共同購買組織(APO)のマネージング・ダイレクターを兼ねるフランソワ・プロボ氏は、「インドはルノー・グループにとって重要な市場です。過去14年間、私たちはチームやディーラーとともにルノー・ブランドを発展させ、年間10万台を販売するまでになりました。また、世界にまたがる研究開発においても、インドは重要な役割を担っています。今回の日産とのプロジェクトは、2月6日に発表した新しいアライアンスの構想のうち、内容を具体化した最初の取り組みです」と語った。

そして、タミル・ナドゥ州政府商工次官の S クリシュナン氏は「ルノーと日産は、15年以上前からタミル・ナドゥ州に生産・設計拠点を有しています。これは、タミル・ナドゥ州政府とアライアンスにとって、非常に重要な関係です。同州では約1万5000名を直接雇用しており、タミル・ナドゥ州がインドの自動車の中心地、自動車や自動車部品の生産、自動車設計の重要な拠点であり続けるための柱のひとつとなっています。アライアンスがタミル・ナドゥ州において近代化を進め、新たな投資を行うという提案をしたことに、非常に興奮しています。これはまさに『インド製、タミル・ナドゥ製の商品を世界へ』を実現するものです」とコメント。

新しいセグメントへ新型車を投入

両社3車種ずつ、合計6車種となる新型車は、チェンナイで設計・生産される予定。アライアンス共通のプラットフォームを採用しながら、各ブランドの個性を明確にした特徴的なデザインを採用する予定だ。新型車には、4車種の新型CセグメントSUVが含まれる。また、ルノーと日産にとってインドにおける初のEVとなる2車種のAセグメントEVは、10年以上前に「日産リーフ」と「ルノー・ゾエ」が切り拓いたグローバル量産型EVの専門知識を活かして開発される。

日産リーフ
ルノー・ゾエ

チェンナイにおけるルノー・日産の国際ハブ

新型車はインドの顧客に届けるだけではなく、インドからの輸出を大幅に増加させることも意味する。そして、チェンナイのRNAIPL工場の稼働率を80%まで高め、今後何年にもわたって数千名の雇用を確保する。また、この増産を補完するため、RNTBCIでは研究開発および関連業務の拡大が見込まれており、インドおよび海外の新規プロジェクトのために、チェンナイ近郊の拠点で、最大2000名の新規雇用を創出する見込みだ。

カーボンニュートラルなクルマづくりへのロードマップ

また、アライアンスにおけるエネルギーや資源を削減する主要拠点のひとつであるRNAIPL工場は、カーボンニュートラルへ向けたロードマップを発表。これは、現在進行中の再生可能エネルギー使用量100%へ移行するプログラムで、2045年までに達成する予定だ。同時に工場でのエネルギー消費量も現在より50%削減する見込み。チェンナイ工場では、すでに電力の50%以上を太陽光、バイオマス、風力などの再生可能エネルギーで賄っている。太陽光発電は現在の6倍以上の規模となり、発電量は2.2MWから14MWへと拡大される。

パートナーシップの再構築

ルノーと日産は、インド市場に対する新たなコミットメントとして、両社の共同事業における株式保有比率を見直した。新しい枠組み合意により、RNAIPLは、日産51%:ルノー49%の出資比率となり、RNTBCIの出資比率は、ルノー51%:日産49%となる。この結果、長期的なパートナーシップが強化され、各社がより責任と自律性を持って事業運営が可能となる。

日産のギョーム・カルティエ氏は「ルノーと日産は本日、インドへのコミットメントを新たにしました。タミル・ナドゥ州政府の強力なパートナーシップとサポートに感謝します。私はここチェンナイで、チームの皆さんと素晴らしい発表を共有できたことをとても誇りに思います。彼らのパフォーマンスと競争力が、長期的な投資を行う自信を与えてくれたのです」と語っている。

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