販売台数でブルーバードを抜いた最初のコロナ

トヨペット・コロナ 3rd(1964)トヨタらしい信頼性でも勝負【週刊モーターファン ・アーカイブ】

初代、2代目とブルーバードに完敗していたコロナ。
「3度目の正直」ではないが、万を持して投入した3代目は販売直後から販売で快進撃を続け、見事にクラストップに輝いた。

週刊モーターファン・アーカイブでは、これまでのモーターファンの懐かしい秘蔵データから毎週1台ずつ紹介していく。

解説●小林 敦志(60年代国産車のすべて より 2012年刊)
不動の人気を手に入れ た4ドアセダン。
スクウェアなセダンらしいカタチは安心感を生み、また室内や荷室の広さをイメージさせた。

初代は既存車種コンポーネンツ(トラック含む)の寄せ集めで急場しのぎ的に市場投入されたのが、ブルーバードヘの敗因といわれている。2代目は初代の失敗を受け、最新技術を惜しみなく投入した。しかしこれがかえって「耐久性能」への、さまざまな憶測や不安を消費者に与えてしまい、やはりプルーバードに勝つことはできなかった。「3度日の正直」ではないが、1964年にデビューした3代目は見事販売実韻でブルーバードを抜き去り、同クラスでの人気を不動のものにしていた。

当時のモーターファン誌では、「遮音性、加速性能、ハンドリング」などが従来モデルより明らかに向上しているとしつつ、「基本コンポーネンツは極めてオーソドックス」と評されている。つまり新機軸の投入というよりは、甚本コンポーネンツの煮詰めに終始するという、トヨタの真骨頂ともいえるクルマ開発を行なったようだ。そのなかで特箪されたのが、クラウンエイトで初採用された、フルオートのトヨグライド(オートマチック)が採用されたこと。当時このクラスでは確実にオーバークオリティな設定は、すでに悔外市場(おもに北米)でのビジネスも十分視野に入れられていた証拠だ。

主カパワーユニットは1.5ℓなのだが、1.2ℓエンジンの設定もあり、スタンダードグレード比で、ブルーバードと同価格という戦略的値付けを行なっていた。

シルバー塗装によるコージャスなインパネまわり。 コラムシフトにベンチシートという、 定番スタイルを維持。
2ドアハードトップのBピラーレスは、乗員に絶大な解放感を与えた。この後、各社からピラーレスハードトップが発表されることとなる。

「バリカンコロナ」という愛称で呼ばれる3代目は「アローライン」を採用した特徴的な顔つきが特徴的。「尻下がり」デザインが不評で販売苦戦していた2代目プルーバードとは逆に、バリカンフェイスは人気を博した。ブルーバードに対してけっして保守的な存在でもなかったコロナは、さまざまなチャレンジングをしている。1965年には日本車初となる、2ドアピラーレスハードトップモデルがデビュー。また同年には5ドアハッチバックも市場投入している。5ドアは「ファストバック」と呼ばれる、クーペのようなリヤを寝かした、セダン的スタイルでテールゲートを持たせたもの。登場が早すぎて、存在意義があまり理解されなかったようだが、ハードトップとともに、当時のアメリカでの最新トレンドを取り込んでいた。ブルーバードのSSやSSSの対抗として、ツインキャブエンジン搭載の「S」グレードの設定もあったが、ブルーバードとは一線を画す、アメリカ的なラグジュアリー路線で意識的に差別化させていたようだ。

独特なスタイリングの5ドアも発売された。当時はクーペのようにスポーティなステーションワコンというイメージ。撮影は1966年第13回束京モーターショー。

コロナ・シングルピックにも大注目

60年代はほとんどのモデルがバンなどの商用車をラインナップしていた時代。もちろんピックアップも珍しくはなかった。しかしコロナの場合は、美しいショルダーラインを持ち、さらにリヤホイールアーチも入念に吟味されている。コロナのなかでも見落とせない、きわめて美しいモデルだ。

SPECIFICATIONS:Toyopet CORONA Deluxe Sedan (1964)

〈寸法重量〉
全長×全幅×全高:4110×1550×1420mm
ホイールベース:2420mm
トレッド前/後:1270/1270mm 
車両重量:945kg 
乗車定員:5人
〈エンジン〉
直列4気筒OHV
ボア×ストローク:78.0×78.0mm
総排気量:1490
最高出力:70ps/5000rpm 
最大トルク:11.5kgm/2600rpm
〈トランスミッション〉
3MT 
〈駆動方式〉
RWD 
〈サスペンション〉
前・ダブルウイッシュボーン式、後・半浮動式
〈ブレーキ〉
前・2リーディング式ドラム、後・リジッド半楕円リーフ
〈タイヤサイズ〉
5.60-13-4PR
〈最高速度〉
140km/h
〈価格・当時〉
64.4万円

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