目次
欧州トヨタより、新型カローラが発表された。新型カローラの洗練されたモダンな外観には、トヨタの第5世代セルフチャージ式ハイブリッドシステムが搭載され、コンピュータによって効率的なドライブが実現されている。システムが、通常の走行で減速するポイントの情報を蓄積することで、ドライバーにアクセルオフを推奨し、エンジンブレーキを強めてエネルギー回生を最大化させる。室内には、視認性にすぐれた12.3インチのフルデジタル・コンビメーター、8インチ/10.5インチのインフォディスプレイが搭載されている。
レスポンスアップした第5世代ハイブリッドシステム
新型カローラには、1.8リッターと2.0リッターの2種類のエンジンから構成される第5世代の自己充電式ハイブリッドシステムが用意されている。1.8リッターシステムの総出力は140psを発揮し、0-100km/h加速は、先代から1.8秒短縮して9.1秒を記録。2.0リッターシステムでは、総出力は195psに向上し、0-100km/hのタイムは0.5秒短縮された7.4秒となった。
欧州トヨタは、新型カローラにも搭載されている第5世代ハイブリッドシステムを開発するにあたり、システムの主要コンポーネントを精査し、小型化・軽量化を図った。これにより、出力向上のために効率や信頼性を犠牲にすることを防ぎ、バランスのいいパフォーマンスが確立されている。また、新型パワーコントロールユニット(PCU)は、システムの電気的損失を低減(1.8L:-14%、2.0L:-6%)しており、燃費を維持するのに役立っている。このユニットは、新しい両面冷却システムを採用し、より高い周波数で動作させることで騒音レベルを低減している。
PCUの直上には、小型・高出力のモータージェネレーターを採用した新型トランスアクスルが搭載され、内部構造を一新して燃費と動力性能が向上されている。ステーターコイルの巻線方法を変更することで、モーターの小型化を実現。新材料の採用や新型の小型高出力駆動モーターの採用により、トランスアクスル全体の重量は従来比で15%低減された。
新開発のリチウムイオンハイブリッドバッテリーは、従来のカローラ用バッテリーに比べて小型・軽量化され、性能アップに成功している。重量を14%削減しながら、出力を14%向上させるという見事なバランスを実現しながらバッテリーの寿命も延び、新冷却システムにより静粛性も向上している。また、コンパクトになったことで後部座席の下にすっぽり収まるようになっている。
バッテリーの充放電を制御する予測的効率走行システム
新型カローラは、走行状況に応じてバッテリーの充放電を制御する予測的効率走行システムを搭載している。これは、システムが走行データを収集し、燃費向上に貢献するシステムだ。システムは、通常の走行で減速するポイントの情報を蓄積。一定のデータが蓄積されると、ディスプレイのエコドライブ・ガイダンスを通じてドライバーにアクセルオフを推奨し、エンジンブレーキを強めてエネルギー回生を最大化させる仕組みだ。
充電状態の予測制御は、ナビでルート設定をすることでさらに効率化させることができる。目的地を設定すると、ルート上の下り坂や従来を予測し、より効率的な充電管理が実現される。例えば、長い下り坂の前にバッテリーの充電量を最適化し、より多くのエネルギーを回収できるようにするなど、バッテリー充電管理をより効率的に行ってくれる。
「T-Mate」で車内・車外にもより安全に
欧州トヨタは、ドライバー、同乗者、歩行者、他の道路利用者など、すべての人にとって安全な運転を実現することを最優先に考えている。新型カローラの全車に標準装備された「トヨタ T-Mate」は、都市部の道案内、高速道路の巡航、正確で簡単な駐車のための操作など、車の運転をより安全にするために、新しい先進技術を結集している。このパッケージには、最新世代の「トヨタ・セーフティセンス」に加え、その他のアクティブ運転支援システム、駐車支援システムが含まれている。
フロントカメラは、前方の視野をより広くカバーする新型モデルが採用されたことによって、前方の検知距離は従来の2倍に拡大。同様に、前方のミリ波レーダーのカバー範囲が拡大され、従来よりも前方に近い障害物を検知できるようになっている。「モーション3D」と強化されたディープニューラルネットワークツールの使用により、二輪車や壁、ガードレール、縁石、電柱などの路側物を含む、より広範囲の潜在的な危険物を検出することが可能になっている。その他、以下のような安全機能を代表に、多岐に渡る支援機能が搭載されている。
- プリクラッシュシステムは検知能力を向上。交差点衝突回避支援システムは、車線を跨ぐ接近車や自転車、側方からの接近車両を識別できるようになった。
- 緊急時ステアリングアシストは、センサー検出機能の強化によりバイクの回避も可能に。また、低速走行時の急激なアクセル操作を抑制するアクセルサプレッサーが新たに搭載された。
- アダプティブ・クルーズコントロールは、自然で滑らかな加減速を実現。車線変更時には、移動先の車線状況に合わせてゆるやかな加減速を実現している。
- プロアクティブ・ドライビングアシストは、市街地などの低速走行時に様々な安全機能を提供する新機能だ。これに含まれる障害物予測アシストは、前方の駐車車両や歩行者、自転車などの障害物を早期に検知し、ステアリングとブレーキで接近を回避するようサポートする。
洗練されたエクステリア/使用感アップしたインテリア
新型カローラのエクステリアは、フロントグリルのメッシュパターン、フォグランプベゼル、アロイホイールのデザインが変更されている。また、シームレスなLEDデイタイムランニングライトとターンインジケーターが1つのJ字型ユニットにまとめられたことで、目元はよりスッキリに。エクステリアカラーは、新色ジュニパーブルー、ミッドナイトティールなどが追加されている。インテリアは、グラフィック、トリム仕上げ、エンボス加工を一新し、より感覚的に楽しめるデザインに仕上げられた。
新型カローラの室内には、8インチ/10.5インチの高精細ディスプレイが搭載され、レスポンスが向上されたクラウドベースのナビ機能が搭載されている。リアルタイムの交通情報と連携することで正確で効率的なルート探索が実現されている。エアコン操作やオーディオ操作系スイッチは、物理スイッチ/ダイヤルに集約されているので、運転中にも道路から目を離すことなく直感的な操作が可能だ。搭載ソフトウェアは、Apple CarPlay(無線)/Android Auto(有線)によるスマートフォン連携にも対応している。
ドライバーシート正面には、フルデジタル12.3インチのコンビメーターを搭載。ドライバーの好みに合わせてレイアウトを変更することができる。テーマは、カジュアル、スマート、タフ、スポーティの4種類が搭載されている。
また、スマートフォンアプリ「My Tアプリ」を使えば、遠隔で運転データの履歴や運転効率アップのヒントを得ることができる。また、自分のクルマを見失いやすい駐車場などで、ハザードランプを点灯させることも可能だ。
カローラGRスポーツ
カローラには、ハッチバック/ツーリングスポーツに新たにGR SPORTがラインナップされた。GR SPORTでは、新デザインの18インチ切削加工アルミホイールや、リアバンパーとアンダーガードの処理が異なるなど、他のグレードとは一線を画す仕様となっている。キャビンでは、ヘッドレストにGRロゴを配したフロント・スポーツシート(ヒーター付)、ブラックファブリックとライトグレーのコントラストが美しい合成皮革のボルスターを採用。また、プッシュボタンスターターにもGRロゴが採用されている。