目次
2023年3月の第3土曜日に『トミカ』の新車として、それまでの『No.99 ピザーラ デリバリーバイク』に代わってラインアップされたのが『No.99 スバル フォレスター 消防指揮車』です。
フォレスターはスバルのミッドサイズのクロスオーバーSUVで、1997年に初代モデルが登場。使い勝手の良さとスポーティな走行性能で好評を博し、現行最新モデルは2018年にデビューした5代目にあたるSK系です。このフォレスターをベースに架装メーカーによって特殊部品や装置が取り付けられ、消防指揮車として架装された車両が『フォレスター 消防指揮車』のモデルです。
消防指揮車とは、災害現場の指揮をとるための車両で、いち早く災害現場へ出動して多方面から情報を集めて消火や救助・救難の作戦を立て、他の消防車などの活動部隊を統制・統括しつつ的確な作戦指揮を行ないます。
消防局などによって細かな違いがありますが、普通、消防指揮車には災害規模や状況に応じ、消防局長や大隊長と呼ばれる消防署長、あるいは警備課長といった、災害現場活動を統括するための現場指揮本部長や現場最高責任者と呼ばれる担当職員が、指揮担当や情報担当、伝令担当、通信担当兼機関員など現場指揮活動を行なうための所定の隊員と資機材を積載して乗り込みます。
このグループを一般に指揮隊と呼び、指揮隊は消防隊員や様々な消防車、救急車などを効率的に運用して被害の拡大を防ぎ、人命を素早く救出するとともに、現場で活動する消防隊員の安全管理と二次災害発生の防止をはかることが大きな任務です。指揮担当は現場指揮本部長や現場最高責任者(大抵は大隊長)を補佐する作戦参謀役となり、情報担当は現場で災害情報を収集して分析します。伝令担当は現場指揮本部長や現場最高責任者の指令を現場の各活動部隊に連絡するほか、災害現場の情報を無線で通信担当に伝えます。通信担当兼機関員は伝令担当からの現場無線報告を、本庁などに設けられた総合指令室へ無線を使って伝えるとともに、消防指揮車の運転も担当します。
消防指揮車には、現場消防本部の機能を最大限に発揮するために、現場で活動中の部隊や総合指令所あるいは関係機関と情報交換を行なうための多くの無線機や、作戦を立案したり命令を速やかに伝達するための地図類、情報収集や分析をするためのパソコン、画像や映像情報を収集するためのデジタルカメラなどの装備が積載されています。
消防指揮車にはワンボックス型商用バンを用いる例が比較的多く見られますが、道幅が狭い、あるいは荒れ地が多いなど、災害発生が想定される現場の状況によっては四輪駆動のSUVやRVが用いられる例も少なくありません。先述のように、『No.99 スバル フォレスター 消防指揮車』はスバルのSUVであるフォレスターを用いた車両で、スバル・グループの一員である桐生工業株式会社によって架装された物がほとんどのようです。
ベース車となっている5代目フォレスターは、スバルが最量販車種と位置づける世界戦略車で、快適な空間を共有できるよう、取り回しの良さと室内の広さを両立したパッケージングや、スバル初となる乗員認識技術“ドライバーモニタリングシステム”など使い勝手の良い装備を採用しているのが特長です。
新プラットフォームの採用により、5代目フォレスターは車体とシャシーの大幅な剛性向上を実現しており、サスペンションなど足まわり機構も進化して操縦安定性が一段と高められています。さらにVGRステアリングギヤボックスの採用などにより、操舵応答性も一段と高められています。
ボディサイズはホイールベースを拡大して快適な室内空間としながらも、最小回転半径を5.4mとし、取り回しの良さを確保。乗員同士の距離や後席のレッグスペースを拡大し快適な室内空間も確保されています。リヤドアの開度や開口エリアおよびCピラーの形状を最適化することで、後席への乗降性も向上しています。また、ミッドサイズSUVのレベルを超えた最大1300mmの荷室開口幅とスクエアな形状のカーゴスペースとすることで、積載性が大幅に向上されています。
また、新プラットフォームの採用によるプラットフォームと上屋骨格の結合強化や、リヤゲート開口部の骨格構造見直しなどにより、ねじり剛性などの車体剛性が大幅に向上され、振動・騒音が低減されています。さらに“入力分離式マウント”を採用することで路面からの振動を効果的に遮断し、上質な乗り心地を実現。段差を乗り越えた際の振動も短時間で収束させるようにして、快適性が高められています。
さらにカーゴスペースに影響しない駆動ユニット一体式の新型パワーリヤゲートを採用し、開閉スピードも向上、加えてリヤゲートの自動閉操作から車両の施錠までを連続して行なえる新しいロックシステムや、ドライバーの居眠りやわき見運転を検知する機能に加え、シートポジションやドアミラー角度、空調設定を登録したドライバーごとに自動調整する乗員認識技術“ドライバーモニタリングシステム”もスバル車として初採用され、使い勝手の快適性も高められています。
パワートレインは当初は新開発の2.5ℓ 直噴NA水平対向エンジンと、同じく新開発の2.0ℓ 直噴NA水平対向エンジンに電動技術を組み合わせた“e-BOXER”の二本立てでしたが、2020年10月のマイナーチェンジで2.5ℓエンジンに代わって1.8ℓエンジンが登場し、2023年3月現在は2.0ℓ“e-BOXER”と1.8ℓエンジンの二本立てになっています。2.0ℓ“e-BOXER”は電気モーターがエンジンをパワーアシストするハイブリッドの一種で、モーターアシストを活かして悪路走破性や、特に“アイサイト”による追従走行時の燃費性能を高めます。
またスバル得意のAWD(全輪駆動)システム、左右対称配置の“シンメトリカルAWD”は、あらゆる環境下でAWDの利点を最大限に引き出すことができる“アクティブトルクスプリットAWD”を全車標準装備。これはリアルタイム制御により4つのタイヤに最適なトルクを配分、優れた悪路走破性を発揮させるものです。
『トミカ』の『No.99 スバル フォレスター 消防指揮車』は、優れた走行性能と使い勝手の良さを備えた5代目フォレスターのベースデザインと、消防指揮車としての装備が追加された姿を上手く再現しています。2023年3月現在、フォレスターの『トミカ』としても貴重ですので、ぜひコレクションしたい1台です。
■スバル SK系 フォレスター 2.0ℓ Advance AWD 主要諸元(『トミカ』のモデル車両と同一規格ではありません)
全長×全幅×全高(mm):4640×1815×1715
ホイールベース(mm):2670
トレッド(前/後・mm) :1565/1570
車両重量(kg):1660
エンジン:FB20型 水平対向4気筒DOHC直噴
排気量(cc):1995
最高出力:107kW(145ps)/6000rpm
最大トルク:188Nm(19.2kgm)/4000rpm
モーター:MA1型 交流同期電動機
モーター最高出力:19kW(13.6ps)
モーター最大トルク:65Nm(6.6kgm)
トランスミッション:CVT(リニアトロニック/マニュアルモード付き)
サスペンション(前/後):ストラット/ダブルウィッシュボーン
ブレーキ(前後) :ベンチレーテッドディスク
タイヤ:225/55R18
■毎月第3土曜日はトミカの日!
毎月第3土曜日は新しいトミカの発売日です。2023年2月の第3土曜日には、上でお伝えしているように、それまでの『No.99 ピザーラ デリバリーバイク』に代わって『No.99 スバル フォレスター』が登場します。また、それまでの『No.38 アウディ R8 クーペ』に代わって『No.38 トヨタ ランドクルーザー』が登場します。なお、『No.38 トヨタ ランドクルーザー』には、初回出荷のみの特別仕様(特別色)もあります。