ホンダがNEXCO中日本の「高速道路の自動運転時代に向けた路車協調実証実験」に参画。リスク予測と情報通知のユースケースを検証

ホンダの研究開発子会社である本田技術研究所はこのほど、ソフトバンクと連携し、安全で安心して移動できる社会の実現を目指して、中日本高速道路(NEXCO中日本)が新東名高速道路の建設中区間で行う「高速道路の自動運転時代に向けた路車協調実証実験」に参画すると発表した。

急な車線変更や周辺車両の状況など、予測されるリスク情報を周辺のコネクテッド車両に通知することで、リスクに対する回避行動を促す

ホンダは、これまでソフトバンクとともに、通信を活用したコネクテッド車両の技術検証を進めてきた。今回の取り組みでは、非コネクテッド車両も含む交通インフラからの情報の活用や、二輪車と四輪車が通信でつながることで、事故が起きる手前でリスクを予兆・回避するなど、より安全で安心して移動できる社会の実現に向けたユースケースの検証を行う。

このたびのユースケース検証では、道路に設置される路側センサーにて非コネクテッド車両を含む走行車両の情報(位置・速度など)を道路管制センターに送信、走行するコネクテッド車両の情報を、セルラー通信を活用してリアルタイムで収集し情報連携プラットフォームへ送信する。これらの情報を統合し、情報連携プラットフォームにて衝突リスクの解析・判定を行い、急な車線変更や周辺車両の状況など、予測されるリスク情報を周辺のコネクテッド車両に通知することで、リスクに対する回避行動を促す。

ホンダは、誰もが事故に遭わない交通社会の実現に向け、通信技術の活用により、すべての交通参加者がつながり、共存できる「協調安全社会」の実現に取り組んでいる。「安全・安心ネットワーク技術」は、路側カメラ、車載カメラ・センサーやスマートフォンからの車両情報・交通環境の情報などをサーバーに集約し、仮想空間上で交通環境を再現。仮想空間上では、人の状態・特性を考慮したうえで事故リスクの高い交通参加者の行動を予測、シミュレーションし、リスクを回避できる最適な支援情報を導き出す。それらの支援情報を「協調型リスクHMI(ヒューマンマシンインターフェース)」により、二輪/四輪運転者や歩行者へ直感的に知らせることで、事故が起こりうる前に回避行動を促す。

ホンダは、2050年に全世界でホンダの二輪車、四輪車が関与する交通事故の死者をゼロにすることを目指している。その実現に向けてホンダはこれからも、二輪車と四輪車を手掛けるホンダならではの強みを安全技術の研究開発に生かし、“事故に遭わない社会”の実現をリードするため、真摯に取り組んでいくとしている。

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