ここにあった手軽でベストなマイルーム

コロナ禍もあって大ブームを巻き起こしているアウトドア、そしてテレワーク派にぴったりな2022年の新星軽自動車がスペーシアベースだ。4ナンバーの軽商用車ながら、実は「中身はほぼ乗用軽」の両側スライドドアを備える、スーパーハイト系軽自動車のスペーシアというところが肝。

エクステリア

ベース車のスペーシアに対して、フロントグリルをはじめ、ドアハンドルやドアミラー、バックドアガーニッシュなどをブラックの加飾にすることで、迫力のある外観を演出。「XF」は、ブラックのルーフレールが標準装備になる。最小回転半径は4.4m。

堂々感あるフロントマスクは標準型スペーシアのものではなく、マイチェン前のスタイリッシュかつ堂々感あるカスタムモデルと同じ。そして、XFグレードにはスペーシアギアに装備される、アウトドア派にうれしいルーフレールを装備。さらにフロントグリル、フォグランプベゼル、ドアミラー、ドアアウターハンドル、リヤガーニッシュ、アルミホイール(XFグレード)に上級感あるブラックパール塗装が施されているのだから贅沢すぎる!

乗降性

室内にしても、前席から前はスペーシアとほぼ変わらず、収納力抜群のインパネまわりは色使いが異なるだけ。しかも前席はスペーシアのベンチシートではなく、乗用軽そのものの掛け心地のセパレートシートとなるだけでなく、スペーシアギア用の撥水シート生地を採用しているという凝りよう。

つまり、このスペーシアベースはスペーシア、スペーシアカスタム(MC前)、スペーシアギアのいいとこ取りをした1台なのである。無論、軽商用車だけに後席は格納前提の簡易シートとなるのだが、そこがまたスーパーハイト系ならではの広大な空間アレンジに寄与。全グレードに標準装備(!)されるマルチボードは上/中/下段にセットでき(マルチボード固定用アタッチメントとマルチボード固定用ネット完備)、様々なアレンジに対応。

車中泊に向くフルフラットのほか、畳んだ後席を椅子にし、マルチボードをテーブルにしたカフェやオフィススペース、大型犬対応の愛犬用スペースなどのアレンジが可能。電源付きキャンプサイトや、自宅駐車場では外部電源ユニットによって車内にAC1000V/1500W源を引き込むこともできるのだから完璧だ。

インストルメントパネル

軽商用車ながらもスペーシアをベースとするだけに、質感も使い勝手の高さも上々だ。派手さはないものの、インパネやコンソールトレーなどにグレーイッシュブルーの加飾を配するのがオシャレ。

走らせてもスペーシアベースは文句なし。エンジンはNAのみだが、軽乗用車そのものの走行安定性、加速性能、快適性を披露。印象的なのは、背高の両側スライドドアを備えた軽自動車にしてボディの剛性感の高さ。段差などを乗り越えてもボディはビシリとしたままで、不快な振動は皆無。乗り心地にしても終始、乗用軽のスペーシアと変わらない上質感があるほどだ。

居住性

前席はすでに説明したように乗用軽に準じる快適な着座感が得られ、実際、片道150㎞のドライブでもシートの掛け心地と乗り心地の良さで疲労感皆無。巡行時の車内の静かさにも驚かされた。加速中はさすがにうるさくなるが、登坂路でもアクセルをじんわり踏むことでエンジン回転が無用に上昇することを防げる。高速走行ではACC(XFに標準)が威力を発揮。車間距離を保ちながら自動的に加速、減速、さらに停止までサポート。運転操作の負担を大きく低減してくれる。

うれしい

上中下3段階に設置できるマルチボードを中段に置き、前席背もたれを寝かせれば、仮眠や車中泊も可能になる。車中泊は、大人2人までに対応。マルチボードは立てることで、荷室を前後に仕切ることもできる。
新規デビュー         22年8月26日発表
月間販売台数         1251台(8月~12月平均値)
WLTCモード燃費        21.2km/ℓ ※FF車

ラゲッジルーム

そんなスペーシアベースは、定員は4人ながらソロ、カップルでの日常使い、アウトドアやリモートワークなどに大活躍なのは間違いなし。ちなみに東京〜山中湖往復の実燃費は、WLTCモード燃費21.2㎞/ℓに対して20㎞/ℓを記録した!

※本稿は、モーターファン別冊 ニューモデル速報 統括シリーズ Vol.147「2023 国産新型車のすべて」の再構成です。

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