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後席の贅沢感や居住性は別格 運転しやすく動力性能も好感
今では高級サルーンを差し置き、VIPやハイエンドなミニバンを望む一般ユーザーに絶大なる人気を誇り、愛用されるのがミニバン界の王者、2015年に登場した3代目アルファード。高額車でありながら22年4-9月期の新車販売台数で8位につけているのもその裏付けである。
後席の乗降性、贅沢感ともてなし感あふれる居心地、居住空間のゆとりをはじめ、モデル末期となった現在の仕様はトヨタセーフティセンスなど充実した先進安全機能を装備。迫力満点の顔つきとともに、その大いなる存在感を示している。
エクステリア
2.5ℓ+モーターのHV(4WD)、2.5ℓガソリン、3.5ℓV6(FF/4WD)のパワートレインを揃えるほか、ベンチシートおよびリラックスキャプテン、エグゼクティブパワー、エグゼクティブラウンジの3種類のキャプテンシートの合計4種類もの2列目席を用意。390万円台から770万円台という価格帯の幅広さといった選択肢の多さもライバルにない大きな魅力となるはずだ。
乗降性
HVモデルの走行性能は文句なく静かでスムーズ。出足はモーター走行が基本で、一般道でも粘り強くモーター走行を行なう。ゆえに高級サルーンに匹敵する車内の静粛性の高さから1-2/1-3列目席の会話も容易。乗り心地にしてもフラットで、段差を乗り越えるようなシーンでも不快なショックは軽微で快適感たっぷり。設計基準となる17インチタイヤ装着車の2列目席の乗り心地は今では完成域に達していると言っていい(キャプテンシートの肘掛けの微振動は消し去れていないが)。
インストルメントパネル
そんなVIP御用達のアルファードは、実はドライバーズカーとしても優秀だ。視線の高さや車両感覚の掴みやすさから、全長5m近く、全幅1.85mにして、運転のしやすさは想像以上に良い。一般道のS字カーブ、高速レーンチェンジ、山道でも安定感は極めて高く、2m近い全高を感じにくい走りっぷりを示してくれるのだ。一般女性ユーザーが無理なく運転していることからも、アルファードのドライバビリティの高さ、扱いやすさが証明される。
居住性
動力性能は、おそらくアルファードとしてこの世代が最後になるかもしれない301㎰を誇る3.5ℓ v6モデルともなれば、HVより廉価にしてガソリン大排気量エンジンならではのトルクフルで迫力ある加速力を発揮。動力性能としては3.5ℓ V6と2.5ℓ直4の中間に位置する2.5ℓエンジン+2モーターのHVは、それでもアルファードの車格に相応しい加速力を、随一の静かさとともに持ち合わせる。
HVモデルにはAC100V/1500Wコンセント(グレードにより1個から4個)も用意されるから、移動中、あるいは停車中に電源確保ができ、パソコンの使用、各種電化製品の使用が可能になる。
うれしい装備
月間登録台数 2105台(22年5月〜10月平均値) 現行型発表 15年1月(一部改良21年4月) WLTCモード燃費 14.8km/l ※ハイブリッド車
ラゲッジルーム
一方、アルファードでも390万円台から手に入る2.5ℓガソリンモデルでも、ファミリーカーとして必要十分な動力性能、巡行時の車内の静かさを、すでに説明した走りやすさとともに発揮してくれる。ちなみに2列目席膝回り空間が最も広いのはベースグレード用のリラックスキャプテンシートである。
※本稿は、モーターファン別冊 ニューモデル速報 統括シリーズ Vol.146「2023 ミニバンのすべて」の再構成です。