先進安全装備がさらに進化、街乗り高速走行も静粛性抜群

2011年に登場したスーパーハイトワゴンの初代N-BOXは瞬く間に人気者になり、販売台数ナンバー1の座を奪取。登録車まで含めて日本で一番売れているクルマになった。それまで軽自動車では苦戦していたホンダにとって逆転ホームランといったところだった。

慎重にコストアップを抑えるのが軽自動車づくりの常識だったが、それを覆してクオリティを大いに上げたのが人気の要因だが、ライバル達に火を付けることにもなり、これを契機に軽自動車全体が底上げされた。

エクステリア

撮影車両はツートーンカラーが印象的な「コーディネートスタイル」。ダーククロムメッキのフロントグリルをはじめ、リヤバンパー、リヤライセンスガーニッシュなどが備わる。最初回転半径はグレードにより4.5m〜4.7m。

17年に発売された2代目は、それらに対抗すること、そして初代が売れに売れたことでコストも掛けられることから、プラットフォームもパワートレインも全面刷新してさらにクオリティアップが図られている。使い勝手の良さもN-BOXの魅力で、「EX」系に標準となる助手席が前後570㎜もスライドするスーパースライド仕様ならば、運転席のお母さんやお父さんが、後席に座る子どもの世話がしやすいなど、よく考えられている。

それが必要ないならフロントベンチシートはくつろげる空間になり、スロープ仕様を選べば趣味や介護で活躍してくれる。独自のセンタータンクレイアウトによって低床で、エアコンユニットを中央寄りにするなど、効率のいい室内空間を稼ぎ出していることとアイデアによって、ライバルにはできない使い勝手があるのだ。

乗降性

21年にはマイナーチェンジを受けてそれまで機械式だったパーキングブレーキがオートホールド付きの電子制御へ。これによってACCが全車速対応型になった。高速道路を利用する頻度が高いユーザーほどうれしいことだろう。

インストルメントパネル

ブラック基調のインパネに助手席前にブラウン系の加飾を配することで変化をもたらしている。メーターは、ステアリングの上からのぞくアウトホイール式で、視線移動を抑制。

また、グリルやホイール、エンブレムなどをブラックで統一して渋く決めたN-BOXカスタムの特別仕様車「スタイル+ブラック」を追加。「Nスタイル+」は今後他のモデルにも展開していく予定の新たなサブブランドだ。

居住性

エンジンは自然吸気とターボを用意。街乗りのみなら自然吸気でもさほど不満はないが、多人数乗車やたくさんの荷物を積むことを想定するならターボが望ましい。高速道路でのロングドライブも然りだ。普段乗りでもアクセルをあまり踏み込まなくていい分、静粛性が保たれる。シャシーは基本的に街なかでの快適性重視。タイヤのゴツゴツ感がまるでなく、ソフトタッチのサスペンションと相まって低・中速域では実に乗り心地がいいのだ。

その一方で速度を高めていくと背の高さが気になってくるのは確か。風の強い日の高速道路では直進性確保のため、割とマメにステアリング修正をすることになる。大人しく走行車線を走っているぐらいのペースならば問題ないが、100㎞/h 前後を境に快適ではなくなってくる。ワインディングロードを積極的に走らせるのも、あまり得意ではなく、そこそこに抑えておいた方が無難といった感じだ。

うれしい装備

後席座面を跳ね上げ、フレームを固定するとチップアップが完了。ベビーカーなどの荷物が積載できるほか、子どもが着替える際も重宝する。
月間販売台数        16374台(22年7月〜12月平均値)
現行型発表           17年8月(一部改良21年12月)
WLTCモード燃費         21.2km/l ※自然吸気のFF車 

ラゲッジルーム

もっともボディのしっかり感などは軽自動車の中でもトップレベルで基本性能は悪くない。ユーザーの使い方に合わせてセッティングされているのだ。

※本稿は、モーターファン別冊 ニューモデル速報 統括シリーズ Vol.148「2023 軽自動車のすべて」の再構成です。

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