新型ヴェルファイア、登場秒読みか? 「トヨタ ヴェルファイア」を詳細チェック!【最新ミニバン 車種別解説 TOYOTA VELLFIRE】

若いユーザーをターゲットにワイルドなルックスで人気を得た「トヨタ ヴェルファイア」。22年の改良では、ゴージャス感を高めたインテリアや、安全性を向上させた装備も追加され、「ヴェルファイア」の個性はさらに際立っている。現行モデルを新車として検討できるのは、あとわずかだ!
REPORT:岡島裕二(本文)/山本晋也(写真解説) PHOTO:平野 陽 MODEL:森脇亜紗紀

ゴールドの加飾豪華装備は◎ 静粛性や快適性はクラス随一

ヴェルファイアはアルファードが二代目にフルモデルチェンジした際に設定された兄弟車。上質感を追求したアルファードに対してヴェルファイアは若いユーザーに響くよう、エアロモデルが似合う精悍なスタイルに仕上げた。

エクステリア

ガソリン車は、18インチの高輝度塗装アルミホイールを標準装備。ハイブリッド車は225/60R17 タイヤとなる。なお、現行車のホイール意匠は写真とは異なる。
現状販売されている「ゴールデンアイズⅢ」では、LED三眼ヘッドランプにゴールドエクステンションが加わり、迫力あるフロントマスクとなっている。リヤゲートはスマートキーのスイッチで開閉できるが、オープン時の最高地点は2.1mを超えるため天井の低い駐車場での操作には気をつけたい。スマートキーを持って近づくと自動的にスライドドアが開く機能も備える。最小回転半径はグレードにより5.6m〜5.8m。

結果的にこの兄弟車戦略が大成功し、ヴェルファイアはLLクラスのミニバンでトップの販売台数を記録する人気車になった。現行型でも発売当初はヴェルファイアの方が人気は高く、目標販売台数も多く設定されていたが、現行型はアルファードも迫力のあるスタイリングになったため、販売台数が逆転してしまった。

さらにアルファードがトヨタの全店舗で販売されるようになり、そのうえヴェルファイアのグレード数が減ってしまったから、その差はさらに大きくなった。巷の噂では間もなく行なわれるアルファードのフルモデルチェンジの際に、ヴェルファイアが廃止されることが既定路線となっているのは、この販売台数減少が理由のひとつになっている。

乗降性

アルファードには今でも「エグゼクティブラウンジ」などの多くの選択肢があるが、現在のヴェルファイアには特別仕様車からカタログモデルになった「ゴールデンアイズⅢ」の1グレードしかない。

これに2.5ℓ直4ガソリン車のFFと4WDを設定。さらに後輪をモーターで駆動するハイブリッド4WDを加えた3タイプとなる。2列目シートも7人乗りのリラックスキャプテンシートしか選べない。とはいえ、この設定はアルファードでも売れ筋のモデルなので、この3タイプでも問題ないという人が多いだろう。

インストルメントパネル

着座位置が高く視界は良く感じるが、ノーズ位置は把握しづらい。ピラーが太く、意外に死角がある点にも気をつけたい。なお、現行のメーターはゴールドリング仕様となる。

唯一のグレードとなる「ゴールデンアイズ」は、ヘッドライトエクステンションやドアトリム、コンソールボックス、スマートキーなどにゴールド加飾を採用して評判が良かったが、2022年5月に改良が加えられて、ⅡからⅢに進化している。

主な改良点はメーターリングにもゴールド加飾を追加し、シート表皮を肌触りの良いスエード調と合皮の組み合わせに変更して、より質感を高めた。さらにブラインドスポットモニターとパーキングサポートブレーキも標準装備して安全性も向上した。

居住性

モデル末期とはいえ、ヴェルファイアの快適性の高い走りは今でもクラストップの実力。エンジンは2.5ℓでも力不足を感じるシーンは少なく、静粛性も高い。ハイブリッドは低速時はモーターだけで走行するため、さらに静粛性が向上し、エンジンが掛かったとしても、その音や振動はほとんど聞こえてこない。ハイブリッドは発進時に後輪からも駆動力が与えられるため、ガソリン車よりもフラットな走りが体感できる。

ハンドリングもLLクラスを意識させない追従性の良さがあり、安心感がある。それなりに重心の高さは感じるが、挙動変化が穏やかなので上手くロールを制御することができる。運転していても乗り心地の良さを感じるが、2列目が最も快適性が高い。通常は跳ねるような挙動が出がちな3列目でも、ダブルウイッシュボーンのリヤサスの恩恵により座り心地が良く、快適性が高い。

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うれしい装備

床下スペースは148ℓの空間を確保する。デッキボードは左右分割タイプで、取り外して片側だけに背の高い荷物を積むアレンジも可能だ。
Bピラーのアシストグリップは、全長485㎜と長く使いやすい。背の低い子どもや高齢者を考慮して上下でグリップ形状を変えている点も素晴らしい。
月間販売台数       80台(22年5月〜10月平均値)
現行型発表        15年1月(一部改良21年4月)
WLTCモード燃費     14.8km/l ※ハイブリッド車  

ラゲッジルーム

まもなく販売終了を迎える可能性もあるため、ヴェルファイアの精悍なスタイルに惹かれたなら早めに商談を進めたい。

※本稿は、モーターファン別冊 ニューモデル速報 統括シリーズ Vol.146「2023 ミニバンのすべて」の再構成です。

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