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ゴールドの加飾豪華装備は◎ 静粛性や快適性はクラス随一
ヴェルファイアはアルファードが二代目にフルモデルチェンジした際に設定された兄弟車。上質感を追求したアルファードに対してヴェルファイアは若いユーザーに響くよう、エアロモデルが似合う精悍なスタイルに仕上げた。
エクステリア
結果的にこの兄弟車戦略が大成功し、ヴェルファイアはLLクラスのミニバンでトップの販売台数を記録する人気車になった。現行型でも発売当初はヴェルファイアの方が人気は高く、目標販売台数も多く設定されていたが、現行型はアルファードも迫力のあるスタイリングになったため、販売台数が逆転してしまった。
さらにアルファードがトヨタの全店舗で販売されるようになり、そのうえヴェルファイアのグレード数が減ってしまったから、その差はさらに大きくなった。巷の噂では間もなく行なわれるアルファードのフルモデルチェンジの際に、ヴェルファイアが廃止されることが既定路線となっているのは、この販売台数減少が理由のひとつになっている。
乗降性
2列目
アルファードには今でも「エグゼクティブラウンジ」などの多くの選択肢があるが、現在のヴェルファイアには特別仕様車からカタログモデルになった「ゴールデンアイズⅢ」の1グレードしかない。
これに2.5ℓ直4ガソリン車のFFと4WDを設定。さらに後輪をモーターで駆動するハイブリッド4WDを加えた3タイプとなる。2列目シートも7人乗りのリラックスキャプテンシートしか選べない。とはいえ、この設定はアルファードでも売れ筋のモデルなので、この3タイプでも問題ないという人が多いだろう。
インストルメントパネル
唯一のグレードとなる「ゴールデンアイズ」は、ヘッドライトエクステンションやドアトリム、コンソールボックス、スマートキーなどにゴールド加飾を採用して評判が良かったが、2022年5月に改良が加えられて、ⅡからⅢに進化している。
主な改良点はメーターリングにもゴールド加飾を追加し、シート表皮を肌触りの良いスエード調と合皮の組み合わせに変更して、より質感を高めた。さらにブラインドスポットモニターとパーキングサポートブレーキも標準装備して安全性も向上した。
居住性
モデル末期とはいえ、ヴェルファイアの快適性の高い走りは今でもクラストップの実力。エンジンは2.5ℓでも力不足を感じるシーンは少なく、静粛性も高い。ハイブリッドは低速時はモーターだけで走行するため、さらに静粛性が向上し、エンジンが掛かったとしても、その音や振動はほとんど聞こえてこない。ハイブリッドは発進時に後輪からも駆動力が与えられるため、ガソリン車よりもフラットな走りが体感できる。
ハンドリングもLLクラスを意識させない追従性の良さがあり、安心感がある。それなりに重心の高さは感じるが、挙動変化が穏やかなので上手くロールを制御することができる。運転していても乗り心地の良さを感じるが、2列目が最も快適性が高い。通常は跳ねるような挙動が出がちな3列目でも、ダブルウイッシュボーンのリヤサスの恩恵により座り心地が良く、快適性が高い。
うれしい装備
月間販売台数 80台(22年5月〜10月平均値) 現行型発表 15年1月(一部改良21年4月) WLTCモード燃費 14.8km/l ※ハイブリッド車
ラゲッジルーム
まもなく販売終了を迎える可能性もあるため、ヴェルファイアの精悍なスタイルに惹かれたなら早めに商談を進めたい。
※本稿は、モーターファン別冊 ニューモデル速報 統括シリーズ Vol.146「2023 ミニバンのすべて」の再構成です。