パッケージにも走りにも優れたロングセラー「ダイハツ・ムーヴ カスタム/ムーヴ」【最新軽自動車 車種別解説 DAIHATSU MOVE CUSTOM/MOVE】

発売から八年が経過しているものの現在でも優れたパッケージングの軽自動車として定番の「ダイハツ ムーヴ カスタム/ムーヴ」。新型モデルの噂も聞かれるが、現行車の美点は多い。シートアレンジも柔軟で、使い勝手はライバルたちと遜色ない。運転のしやすさもポイントで視界は良くペダル類の配置も自然で疲れにくい。モデル末期だからこそ、コストパフォーマンスが高まる可能性もあるだろう。
REPORT:岡島裕二(本文)/蔵田智洋(写真解説) PHOTO:平野 陽 MODEL:森脇亜紗紀

絶妙な広さで使いやすい室内 乗り味と操縦性も好バランス

現行ムーヴは発売から8年が経過したロングセラーモデル。さすがに最近は外観デザインや装備面で古さが隠せなくなってきたが、パッケージングや走りの性能は、今でもライバルと戦える実力を備えている。

エクステリア

フロントウインドウが寝ているが視界は良く、街乗りでの足として乗りやすい。荷物が積める定評のあるデザインで、ハイトワゴン系の中では重心が高くないため、横風の影響なども受けにくい。最小回転半径は4.4m。

ハイトワゴンの中では低めの全高でありながらも車内は狭さを感じさせることなく、頭上や後席足元にも余裕がある。後席ドアはヒンジ式だが、90度近くまで開くので乗降性も悪くない。荷室は狭いが、荷物が多いときは後席を荷室側からスライドすることができるので、居住性や利便性の面では最新モデルと大差ない。

インストルメントパネル

最小限のスイッチ類が並ぶ、ベージュ色が明るく開放的な雰囲気のインパネ。豊富な収納スペースを備え、シフトレバーは親しみやすいストレートタイプ。Aピラーの付け根には小さな窓があり、死角は少なく狭い道でも運転しやすい。

運転のしやすさという点でもレベルが高く、運転席に座ると自然な位置にペダルやステアリングが配置されているため、長く乗っても疲れにくい。乗り心地はソフトだが操縦安定性とのバランスが良く、高速道路や山道も安心して走ることができる。

居住性

標準車とカスタムの両方に自然吸気とターボを設定。自然吸気でもスムーズに走ることができ、登り坂ではステアリングのスイッチでパワーモードを選択すれば、CVTが高回転を維持してくれるので走りやすくなる。ターボは全域で力強さが増し、静粛性も向上する。ターボでも標準車なら130万円台で買えるからコストパフォーマンスも高い。

うれしい装備

幅660㎜×奥行き210㎜×深さ220㎜のラゲッジアンダーボックスの蓋はフックに掛けられる。
スマートフォンの充電や電子機器に対応できるUSB端子とHDMI端子をハザードスイッチの隣に備えている。
月間販売台数   3805台(22年7月〜12月平均値)
現行型発表     14年1月(一部改良21年9月)
WLTCモード燃費  20.7km/l ※自然吸気のFF車

ラゲッジルーム

ACCの設定はないが自動ブレーキなどは装備されているので、市街地中心で乗るなら問題はないだろう。モデル末期ではあるが、価格を重視する人は選ぶ価値のあるハイトワゴンだ。

※本稿は、モーターファン別冊 ニューモデル速報 統括シリーズ Vol.148「2023 軽自動車のすべて」の再構成です。

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