これぞアメリカンSUV!日産が誇るフラッグシップSUV「アルマダ」 【海外モデル現地試乗/アルマダ前編】

日本では発売されず、海外市場のみで販売されている魅力的なモデルを現地試乗取材で徹底レポート! 第2回目は日産のフルサイズSUV「アルマダ」を前後編に渡って紹介する。前編はアルマダのアウトラインをお届け!

REPORT:小林秀雄(KOBAYASHI Hideo) PHOTO:平野 陽(HIRANO Akio)

アルマダは日産が北米市場で販売する旗艦SUV

日産が北米で販売しているSUV7車種のなかで最上位車種となるアルマダ。中東で販売されているパトロールとプラットフォームを共有している。

現在、アメリカで販売されている日産のSUVは7モデル。そのうち日本でも展開されているのが「アリア」、「キックス」、「ローグ(日本ではエクストレイル)」の3車種である。残りの4車種は「ローグスポーツ」、「ムラーノ」、「パスファインダー」、そして今回の主役である「アルマダ」だ。

ローグスポーツは主に欧州市場で展開されるキャシュカイの先代モデルであり、キャシュカイの初代モデルはかつて日本でも「デュアリス」として販売されていた。同じくムラーノも日本で販売されていた時期があったので、ご記憶の方も多いのではないだろうか。

そうすると、われわれ日本人にとって最も馴染みが薄い日産のSUVが、前回のこのコーナーで紹介したパスファインダーと、今回紹介するアルマダということになるだろう。いずれも魅力的なモデルに違いないのだが、日本で展開されない最大の理由は、やはり大きさ。なかでもアルマダは本当に巨大だ。

ボディサイズは全長5306mm×全幅2029mm×全高1925mm。ホイールベースは3075mm。

日本の道にはデカすぎる!ライバルは北米フルサイズSUV

インテリアはシンプルながら、各所にレザーを使うことで高級感のある内装に仕上げられている。

アルマダのボディサイズは全長が5306mm、全幅が2029mm、全高が1925mm。ホイールベースは3075mmに達する。アメリカにはシボレーの「タホ」やGMCの「ユーコン」、日本メーカーにはトヨタの「セコイア」といったライバルが多数存在するが、日本で販売されているSUVのなかから競合車を見つけるのは難しい。

大きさ的に近いのは、全長5400mm×全幅2065mm×1930mmのキャデラック・エスカレード。ただし、高価格帯なプレミアムSUVであるエスカレードのライバルとなると、日産にはインフィニティの「QX80」があり、トヨタであればレクサスの「LX600」がある。

日本人にも身近なSUVのなかからキャラが近い車種を探すと、トヨタのランドクルーザーということになるだろう。だが、そのランドクルーザーも全高は1925mmで同じだが、全長は最も大きいグレードで4985mm、全幅も最大で1990mm、ホイールベースは2850mmと、アルマダと比べれば小さい。

国内販売モデルでライバルとなりそうなのはランドクルーザーだが、全長はアルマダより321mm短い。日本国内で無理なく乗れるのはこのぐらいのサイズまでだろう。

アルマダの現行モデルは2016年のシカゴオートショーで発表された二世代目で、2020年にフェイスリフトを含むマイナーチェンジが実施された(2021年モデル)。従来は大型のVモーショングリルとヘッドライト、ブリスター形状のフェンダー等で力強さを重視した印象だったが、現行フェイスはLEDのシグネチャーランプを内蔵した二段構造のヘッドライトでスマートなルックスを実現。都会の風景にも溶け込む、より理知的な雰囲気を身につけいている。

とはいえ、プラットフォームは中東などに展開されている6世代目の「パトロール」と共有しており、もちろんオフロード性能も抜群。サスペンションに独立懸架の前後ダブルウィッシュボーンを採用し、オンロードの快適性と両立させている。

2020年のマイナーチェンジで、より都会的でスタイリッシュな雰囲気へとアップデートされている。

フラッグシップらしく装備は豪華仕様

エンジンはVK56DE型という5.6LのV8で、最高出力は400hp(405ps)を発揮。7速ATと組み合わせられ、グレード別にFRと4WDが設定されている。4WDは2速トランスファーケースを備え、AUTO、4H、4Lから選択できる切り替えモードスイッチを装備。雪上路面に適したSNOWモードも用意されている。

インテリアの仕様も豪華で、インパネ中央には12.3インチのカラータッチスクリーンを搭載。Apple CarPlayなどのスマホ連携機能はもちろん、車内Wi-Fiにも対応している。タッチスクリーンは手元で操作できるハードキーもセンターコンソールに用意され、ナビゲーションの縮尺はダイヤルで調整が可能だ。

後席用の独立したエアコン操作パネルやシートヒーター、AC120V 150WのアクセサリーコンセントやType-CとType-AのUSBソケットなどといったアイテムも充実。撮影車には前席ヘッドレスト後方にモニターを設置したエンターテインメントシステムも備わり、まさにフラッグシップSUVらしい快適空間が実現されていた。

試乗してみてのインプレッションや居住性、ラゲッジルームの広さなどの続きは、後編でレポートする。

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小林秀雄

大正から昭和初期の文豪の如き不健康な風貌ながら、趣味は草野球とサーフィンというわかりにくい男。編集…