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細かい心配りがうれしい ターボ+6速MTの設定も貴重
ホンダ乗用車の始祖であるN360を彷彿とさせるデザインで、新しくて懐かしいデザインだと話題になったN-ONE。2020年に2世代目へと進化したが、M・M(マンマキシマム・メカミニマム)思想や、丸・四角・台形を基本のかたちとするデザイン性などは新型もそのまま受け継いでいる。人気のあるものはあえて変える必要がないという、最近のデザイン思想を具現化したように感じられる。
エクステリア
インテリアは、心地良い開放感をテーマにミニマルなデザインが追求されており、無駄を省いた室内空間となっている。運転席まわりでは、異形2眼コンビネーションメーターが特徴。大型のタコメーターとスピードメーターが並んでおり、オーソドックスながら走行中に必要な情報を瞬時に把握できるよう考慮されている。ユーティリティ系も、運転席からパッと手が届く位置にカップホルダーやUSBジャック、ポケットエリアなどがレイアウトされている。
乗降性
いまでは多くの普通乗用車に備わっているが、軽自動車で初めてリヤシートリマインダー(後席ドアの開閉履歴をもとに、荷物などの置き忘れの注意喚起をメーターに表示する機能)が採用されるなど、見た目はミニマルとはいえ、ユーザーにはうれしい細かい心配りがされているのもN-ONEの美点だ。
インストルメントパネル
ユニークなのは、6速MT車の設定があること。しかもFFターボエンジン車と6速MTの組合せは軽初となる。ちなみにシフトレバーはインパネシフトと呼ばれる位置に設定されるが、この高さがまた絶妙にちょうどイイ。考えてみれば、レーシングカーのシーケンシャルシフトのレバーなどは高めの位置にある。小柄な女性もフロアシフトでは手が届きにくかったり、また高過ぎてシフトレバーが握りにくかったりなどと、使いにくいことが多い。だが、このインパネシフトは体格を問わない非常に使いやすい位置に設定されていて好ましい。シフトチェンジをするという楽しみを存分に味わえること請け合いだ。
居住性
加えて、軽の6速MTで初のACCとLKAS(車線維持支援システム)が採用されたことも、特筆ものとして挙げられる。いくら走る楽しさが大切とは言っても、日常使いがメインとなる軽という特性上、運転サポート機能としては実にありがたい装備と言っていい。直近では、「オリジナル」グレードをベースとした特別仕様車「STYLE+ URBAN」の設定がニュースだ。Nシリーズ10周年を機にスタートした「N STYLE+」シリーズは、他の人とはひと味違う個性あるデザインが欲しいというニーズに応えるべく、Nシリーズの新たな世界観を提案するブランドである。今回はシリーズ第二弾ということで、アーバンをコンセプトとし、都会的かつシックなデザインを追求しているとのことだ。
うれしい装備
月間販売台数 1307台(22年7月〜12月平均値) 現行型発表 20年11月(一部改良22年8月) WLTCモード燃費 23.0km/l ※自然吸気のFF車
ラゲッジルーム
全体的に高級感があり、大人のためのスタイリッシュな世界観が演出されているため、走りを楽しみたい方だけではない、大人の遊び心満載のセカンドカーとしてもオススメできる1台となっている。
※本稿は、モーターファン別冊 ニューモデル速報 統括シリーズ Vol.148「2023 軽自動車のすべて」の再構成です。