低燃費と低価格が際立つ人気モデル「ダイハツ・ミラ イース」【最新軽自動車 車種別解説 DAIHATSU MIRA e:S】

「低燃費と低価格」という軽自動車の原点を最も意識して存在しているのが「ダイハツ・ミラ イース」だ。モーター駆動ではないクルマの中で最高峰の25km/ℓという燃費は、軽自動車の原点を突き詰めていった結果だろう。メーター類全車デジタル表示などインパネ周りもシンプルゆえに見やすく使いやすい。
REPORT:渡辺陽一郎(本文)/塚田勝弘(写真解説) PHOTO:神村 聖 MODEL:住吉吏衣

使い勝手良好なシンプル設計 運転席の視認性&操作性抜群

ミライースは軽自動車の本質ともいえる「低燃費と低価格」に重点を置いて開発された。

エクステリア

樹脂製バックドアと一体成形のルーフスポイラーおよびガーニッシュは、空力性能に配慮した設計。シンプルな外観だが、随所に燃費重視仕様に相応しい機能性が盛り込まれている。最小回転半径は4.4m。

全高は立体駐車場を使いやすい1500㎜に抑えられ、車両重量もFFなら650〜670㎏と軽い。WLTCWモード燃費は25㎞/ℓだから、モーター駆動を採用しないクルマでは最高峰の数値になる。ボディが軽く重心も低く抑えたから、自然吸気を搭載する軽自動車としては運転感覚が軽快だ。

インストルメントパネル

「X」以上がロア部を白、アッパー部を黒に塗り分けたツートーンインパネで、見た目の質感を確保。シンプルなスイッチ類やインパネシフトは、初めてでも迷わずに操作できる。「X」以上にブルーイルミネーションメーターを備える。

その一方で乗り心地は硬い。足まわりとタイヤのコストを抑え、燃費向上のために指定空気圧を高く設定したから、乗り心地が影響を受けた。また13インチタイヤ装着車は操舵感が少し鈍い。できれば14 インチタイヤを装着する「X〝SAⅢ〞」以上のグレードを選びたい。

居住性

メーターはコスト低減も考えて、全グレードがデジタル表示となっている。インパネを含めてシンプルにつくり込んだから、視認性や操作性は良い。サイドウインドウの下端を低めに抑えた水平基調のボディスタイルにより、側方や後方の視界も良好だ。最小回転半径は4.4mに収まり、混雑した街なかや駐車場でも運転しやすい。

うれしい装備

センターフロアトレーは、内部にツメが設けられていて、箱型ティッシュの下にスマホなどを収納できる。
運転席、助手席のシートヒーターは、「G“SAⅢ”」にのみ標準。冷間時でもすぐに身体を暖められる。
月間販売台数    4472台(22年7月〜12月平均値)
現行型発表      17年5月(一部改良20年12月)
WLTCモード燃費    25.0km/l ※FF車

ラゲッジルーム

軽自動車らしくプラットフォームの空間効率が優れ、後席の足元にも余裕がある。ミライースは2名以内の乗車で使われることが多いが、長距離でなければ4名乗車にも対応できる。車両価格や燃料代をなるべく安く抑えたい実用指向のユーザーにピッタリだ。

※本稿は、モーターファン別冊 ニューモデル速報 統括シリーズ Vol.148「2023 軽自動車のすべて」の再構成です。

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高橋寛弥