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前席の掛け心地は商用車越え 充実装備で多用途使用も可能
アウトドア、キャンプブームが盛り上がり、コロナ禍でテレワーク需要もある今、実は最高の軽自動車と言えるのがスペーシアベース。4ナンバーの軽商用車だが、ベースはスーパーハイト系軽自動車のスペーシア。
エクステリア
スペーシアの自然吸気をベースに、スペーシアカスタムのMC前堂々感ある顔つきを与え、アウトドア派にうれしいスペーシアのクロスオーバーモデルであるスペーシアギアからルーフレール、撥水シートなどを採用。さらにフロントグリル、フォグランプベゼル、ドアミラー、ドアアウターハンドル、リヤガーニッシュ、アルミホイール(「XF」のみ)には上級感あるブラックパールに塗装されているのだから贅沢だ。
乗降性
インテリアも特別だ。乗用軽そのものの掛け心地が得られる前席はスペーシアのベンチシートではなく、あえてセパレートシートを採用。スペーシアの特徴である収納も豊富で、新たに天井サーキュレーター部分をオーバーヘッドシェルフに変更。商用軽だけに後席は簡易シートとなるのだが、後席を足元に格納すると、荷室のフルフラット化ができるほか(隙間を埋めるフルフラットカバーを標準装備)、格納せずに後席の背もたれだけを倒せば、マルチボードとの組み合わせで、マルチボードをアウトドアやテレワークで大活躍するテーブル化した際の2名分の椅子としても活用できるのだからとても便利だ。
インストルメントパネル
リヤクォーターウインドウ部分はガラスが外され、収納ポケットが装備されるのも技ありだ。エンジンは軽商用ライバルとは違い自然吸気のみだが、CVT、足まわりなどは基本的に乗用軽のスペーシアと変わらず、155/65R14サイズのタイヤもまた乗用軽のワゴンRスマイル用となる(ライバルは商用車専用の12インチとなる)。
居住性
アウトドア、キャンプだけでなく、テレワークに大活躍してくれるアクセサリーも多数用意。中でも外部電源ユニットは、電源付きキャンプサイト、自宅などからAC1000V/1500W電源を専用電源取り込み口からスマートに車内に引き込むことができ、車内外でコーヒーメーカーや簡易電子レンジ、ノートパソコンなどの使用が可能になるのだから便利。テレワークにもうってつけである。最大ベッド長1740㎜を活かした車中泊にも対応してくれる。
うれしい装備
月間販売台数 1251台(22年8月〜12月平均値) 現行型発表 22年8月 WLTCモード燃費 21.2km/l ※FF車
ラゲッジルーム
そんなスペーシアベースを走らせれば、もう驚くしかない。規格上は維持費が安い商用軽とはいえ、走行性能に商用車感など皆無。前席のシートの快適な掛け心地、しっかり感ある上質な乗り心地、巡航時の静粛性、加速性能、そして操縦安定性といった部分が、ほぼスペーシアの自然吸気モデルそのものなのである。
ズバリ、ライバルの軽商用車とは一線を画す走行性能の持ち主ということだ。最大積載量を一般的な350㎏でなく200㎏にしたことでサスペンションを荷物の積載ではなく乗り心地重視にできたのもその一因に違いない。先進運転支援機能も充実し、ほかのスズキ車同様、電子パーキングブレーキは未採用だが、ACCも備わり、アウトドアやキャンプのために遠出するにも無理はない。
※本稿は、モーターファン別冊 ニューモデル速報 統括シリーズ Vol.148「2023 軽自動車のすべて」の再構成です。