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日本市場向けにハイルーメンのLEDヘッドライトバルブをあえて投入したワケ
すでに日本でも発売されている、フィリップス『アルティノンPro9000』シリーズは、グローバル基準の観点から設計された高性能なプレミアムモデルのLEDヘッドライトバルブだ。抜群の明るさと優れた配光性能、優れた光束維持率、高い耐久性など、どの点をとっても優等生と言える仕上がりとなっている。
しかし、あまりに正直すぎる性能表示が日本市場では足を引っ張っていた。それは表示された「ルーメン値」だ。日本市場では、ルーメン値が高いほど明るいと認識されているからだ。
他社競合製品では、フィリップス製の倍以上のルーメン値を表示しているものもある。『アルティノンPro9000』シリーズは、必要にして十分なルーメン値で確実に明るく、トータルバランスに優れているのだが、高ルーメン値をうたう競合製品だけでなく、自社エントリーモデルの『アルティノン・エッセンシャルG2』に対しても、表示された数値だけで明るさが劣っているように見えるというジレンマがあったのだ。
実際には、単純にルーメン値が高ければ照射性能に優れ、路面を明るく照らせるというわけではない。また、瞬間的にルーメン値が高くても、時間の経過とともに数値が低下する製品もある。『アルティノンPro9000』シリーズは、他社競合製品と比べて照射性能で勝るとも劣ることはない。品質面や保証面でも自信を持っているとメーカーが自負していても、まずはユーザーが手に取ってくれることが重要と判断し、新製品を追加。それが、高ルーメン値を実現したモデル『アルティノン3500』シリーズだ。
あえてとがった性能のハイルーメンモデルでも他車には迷惑をかけない
日本市場のニーズに応え市場投入されたこの製品の最大の特徴は、5200ルーメンという高ルーメン値を実現している点。性能を数値でシンプルにユーザーに訴えかけることができる尖った製品だが、もちろんフィリップス製なので配光特性も優れ、不快な眩しさもきちんと抑えられている。
ちなみに従来品よりハイルーメンのモデルだが、あくまでも日本市場特化型の追加モデルという位置づけで、『アルティノンPro9000』シリーズの上位モデルというワケではない。
実際にハロゲンバルブのロービームヘッドライトに装着してチェックしてみたのだが、その明るさはまったく違い、ハロゲンバルブでは確認できないような位置まではっきりと視認することができた。この明るさは、純正のLEDヘッドライトと比較しても上に感じられた。
これだけ明るいと対向車や前走車の眩しさが気になるところだが、前方からチェックしたところしっかりと眩しさがカットされていることも確認できた。これなら、明るさで他車に迷惑をかけることはまずないだろう。
まずはフィリップスのLEDヘッドライトバルブをユーザーに手に取ってもらうことが最重要という点から誕生した製品だけに、価格面でもリーズナブルな設定となっている点も注目。LEDヘッドライトバルブ選びで迷っているなら、試して損はないに違いない。