アストンマーティンが米新興EVルーシッドと提携。ハイパーカーからSUVまで幅広いレンジのEV開発を推進

イギリスの超高級車ブランドのアストンマーティンが、世界有数の電気自動車技術企業であるルーシッド・グループとともに画期的な供給契約を締結し、世界で最もスリリングで魅力的な電動パフォーマンスモデルの開発を推進していることを発表した。内燃機関で有名なアストンマーティンだが、ブランドのハイパーカー、スポーツモデル、GT、SUVなど様々なモデルをEV化するための高性能電動プラットフォームの開発を進めており、ルーシッド・グループによるBEVモデル用の電動パワートレインの供給を受けるという。また、アストンマーティンの電動化戦略は、ブランドの広範なサステナビリティ戦略の柱として、テクノロジーへの20億ポンド(≒3,540億円)を投資している。

アストンマーティンの見据えるEV戦略

先日、先進的な電動パワートレインとバッテリーシステムを設計・製造する新興EVメーカーのルーシッドが、アストンマーティンに電気自動車技術を供給するという契約締結が発表された。ルーシッドの誇る電動パワートレインとバッテリー技術は、アストンマーティンのまったく新しい自社製バッテリー電気自動車(BEV)プラットフォームの中心となるだろう。

アストンマーティンは、EV車両プラットフォームの開発において、卓越した実績を誇っている。アストンマーティンが開発したこの全く新しい特注プラットフォームは、ハイパーカーからスポーツカー、GT、SUVまで、アストンマーティンの将来の電動化モデルレンジ全体の基盤となるもので、その最初のモデルは、2025年の発売を目標に開発が進められている。また、2026年までに、アストンマーティンのすべての新型モデルラインに電動パワートレイン・オプションを搭載し、2030年までに主要モデルを完全電動化することを長期目標としている。

パートナー企業とともに精巧なBEVパフォーマンスモデルを構築

ルーシッド・モーターズの高級電気自動車「Lucid Air」

内燃エンジンで有名なアストンマーティンにとって、ハイブリッドやフル電動パワートレインへの移行は、本質的な挑戦だ。クラスをリードする精巧な車両ダイナミクスと電動化によるパフォーマンスの融合のために、ルーシッドの最先端パワートレイン技術とメルセデス・ベンツの先進電動アーキテクチャによる次世代技術による開発が進められる。

このコラボレーションは、パッケージングと質量の面で大きなメリットをもたらすバッテリーシステム効率、エネルギー放電と再利用の速度と効率を制御するインバーター技術、無段階に調整可能な4輪トルクベクタリングを可能にするツインモーター技術が最大の特長となっている。

アストンマーティンは、BEVモデルラインの開発を補完するために、パートナー企業とともにパフォーマンスと効率の水準を高めている。長年の技術パートナーであるブレンボは、ブレーキパッドの圧縮と収縮を電子的に制御する新しいブレーキ・バイ・ワイヤ技術を新たに開発しており、車両の航続距離の拡張、また、ブレーキレスポンスを向上させ、パッドの摩耗と粒子状物質の排出を低減させる。

タイヤメーカーのピレリとは、ピレリ・サイバー・タイヤを搭載した最新世代の「P Zero Rタイヤ」を実装する方針を示している。ピレリ・サイバー・タイヤは、さまざまなデータを収集するセンサーシステムで、個々のタイヤにかかる負荷の信頼できる測定値を提供し、より正確な実走行距離を算出することができる。

キーワードで検索する

著者プロフィール

MotorFan編集部 近影

MotorFan編集部