ケータハムが電動クーペのコンセプトカー「プロジェクトV」を発表! 2025年後半から2026年前半に生産モデルを導入予定

ケータハム・カーズは7月12日、2025年後半から2026年前半に投入予定の軽量EVクーペのコンセプトカー「プロジェクトV」を発表した。プロジェクトVは7月13日に「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」で世界初公開される。

272psを発するモーターで後輪を駆動。4.5秒未満の0-100km/h加速と230km/hの最高速をマークする。一回の満充電における航続距離は約400km

電気自動車として設計されたプロジェクトVは、チーフデザイナーのアンソニー・ジャナレリ氏による創作だ。彼のビジョンは、世界的に著名なイタリアのエンジニアリング会社「イタルデザイン」によって実現した。

全長4255×全幅1893×全高1226mm、ホイールベース2581mmのディメンションを持つボディには、リヤアクスルに配置され後輪を駆動する最高出力272psのシングルモーターと、WLTPモードで249マイル(約400km)の航続距離を実現する55kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載。0-100km/h加速は4.5秒未満、最高速は230km/hに届く。バッテリーは150kWのDC急速充電器を使えば、15分間で20〜80%の充電が可能だ。

ケータハム・セブンと同様に、デザイン哲学は軽量でシンプル。革新的なカーボンファイバーとアルミニウムの複合シャシーを採用することで、車両重量は1190kg(2+1シートレイアウト)を目標としている。

ケータハム・カーズのCEO、そしてプロジェクトVに関連するすべてのビジネスおよび投資案件に対応するために新たに設立されたケータハムEVoのCOOを兼務するボブ・レイシュリー氏は、このように述べている。
「プロジェクトVは単なるコンセプトやデザインスタディではなく、開発段階を通じてエンジニアリングと生産の実現可能性を検討してきました。
どのような形やサイズであれ、EVケータハムは、我々のDNAである、軽量でシンプル、比類のないドライビング体験を提供するという、私たちを他の誰とも違う存在にしているものに忠実でなければなりません。
プロジェクトVは、会社を持続的に成長させ、同時に電動化を探求するという私たちの野心を満たすものです。次の段階の開発と技術能力次第ですが、プロジェクトVは2025年後半から2026年前半に市場に投入する計画であり、価格帯は最低小売価格8万ポンド(約1460万円)未満からを目標にしています。
プロジェクトVはセブンの代わりではなく、セブンを補完するものであり、ケータハムのコアバリューを維持することで、既存の顧客層にアピールし、同時に新しいファンをブランドに引きつけることができると信じています。より実用的なクーペのボディスタイルを採用し、EVのパッケージングの利点を生かすことで、このクルマは日曜日の朝のスプリントだけでなく、買い物や通学にも使用できます」

一方、プロジェクトVのチーフデザイナー、アンソニー・ジャナレリ氏は次のように付け加えている。
「ケータハム・セブンのデザインはシンプルかつミニマリストであり、軽量で運転が楽しいという本来の機能のためにデザインされています。プロジェクトVでは、この哲学をスポーツクーペのアーキテクチャーに適用し、魅惑的で時代を超越したシルエットを創り上げています。軽さを維持し、ドライバーのエンゲージメントを最適化するためには、重量の観点からすべての機能が本当に必要かどうか正当化されなければなりません」

プロジェクトVのショーカーは、2+1のシートレイアウト(オプションで2+2を設定)を採用しており、乗降性を最適化し、後席乗員の快適性を高めるとともに、将来のオーナーの使い方の柔軟性を高めている。

インテリアの中心には、スマートフォンのミラーリング機能を備えた、シンプルでドライバーにフォーカスしたインフォテインメントシステムがあり、デジタルインストルメントクラスターが主要な情報を表示。ドライバーは、さまざまな環境に合わせて加速と操作性をインテリジェントに調整するドライビングモードを、ノーマル、スポーツ、スプリントから選択できる。

このほか、フルアジャスタブル・ジオメトリーのダブルウィッシュボーン式前後サスペンション、電動アシスト・パワーステアリング、ミシュラン・パイロッスポーツ4Sタイヤ(フロント235/35R19、リヤ285/30R20)、そして高性能キャリパー付きディスクブレーキを採用している点も特色に挙げられる。

イタルデザインのビジネスディベロプメントマネージャー、アンドレア・ポルタ氏は次のように語っている。
「ケータハムとアンソニー・ジャナレリのパートナーとなり、プロジェクトVを実現できたことを嬉しく思います。あらゆるステップで、将来の生産バージョンを滞りなく市場に投入できるように、商業的に実行可能なコンセプトカーやプロトタイプ車を生産してきた私たちの経験を活用しました」

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