スタイリッシュなクーペSUVとして人気を集めているルノー・アルカナだが、そのラインナップに特別仕様車「アントラクトE-TECH FULL HYBRID」が加わり、6月30日から発売が開始されている。
車名の「アントラクト」とは、オペラの合間に流れる間奏曲のこと。オペラを観劇する客は、アントラクトが流れる時間に劇場のバーやホワイエに集い、舞台について語り合いながら開演を待つそうだ。
そんな優雅な名前がつけられた「アントラクトE-TECH FULL HYBRID(以下アントラクト)」の見どころは、フロントフェイスだ。「エンジニアード」や「R.S. LINE」といった他グレードではF1がモチーフとなったフロントブレードがスポーティな雰囲気を醸し出しているが、アントラクトは専用デザインのフロントアンダーグリルによる端正な顔つきを纏っており、より幅広いユーザーから受け入れられそうな印象だ。
そのほかにもサイドウインドウやドアアンダー部分にクロームのモール、フロントフェンダーにクロームのアクセントを追加したり、ルーフをブラックに変更したりすることで、上質さを演出。さらに切削光輝仕様の専用デザインが与えられたアルミホイール「Pasadena」も、足元を華やかに飾っている。
そんな独自のエクステリアに加えて、「アントラクト」の大きな魅力の一つとなっているのが価格だ。同じフルハイブリッドのパワートレインを搭載する「エンジニアード」が469万円なのに対して、「アントラクト」は31万円も安い438万円というプライスを掲げている。その分、オーディオがBOSE+9スピーカーからARKAMYS+6スピーカーに変更されていたり、シートがレザー調×ファブリックだったり(「エンジニアード」はレザー×スエード)、アルミペダルやリヤスポイラーが未採用だったり、と装備が簡略化されている面は確かにある。
とはいえ、その程度の違いはアルカナの本質的な魅力を損なうものではないし、何よりも低燃費と運転の楽しさを見事に両立したルノー独自のフルハイブリッドがよりリーズナブルな価格で味わえるようになるのを歓迎したい。
というわけで、SUVの購入を検討しているならば、候補のリストに挙げておいた方がいい1台と言えるのが「アントラクト」だ。
ちなみに、今回の撮影車のボディカラーであるルージュ フラム メタリックは、「アントラクト」だけで選択が可能な新色。実車を目にした取材班からは、鮮やかなレッドがアルカナのクーペボディをよりスタイリッシュに引き立てていた…という報告があったことを付け加えておきたい。