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525psを発する4.0L自然吸気エンジンに6速MTを組み合わせ、0-100km/h加速を3.7秒でこなす。最高速は300km/h
初代911の誕生年にあやかって、世界1963台限定で販売されるこの特別なモデルは、軽量設計と純粋なドライビングエクスペリエンスを提供する。これまで911 GT3 RSに搭載されていた525psの高回転エンジン（最高回転数は9000rpm）は、初めて6速MTと軽量クラッチを介してそのパワーを路面に放つ。
ポルシェのエンジニアはアイコニックなスポーツカー、911の60周年を記念するためにドライビングプレジャーを追求したピュアスポーツカーとして911 S/Tを設計した。この特別記念モデルは、911 GT3のツーリングパッケージと911 GT3 RSの特徴を融合し、俊敏性とドライビングダイナミクスをユニークに兼ね備える。
911 S/Tには、911 GT3 RS用の525ps/465Nmを発する4.0L水平対向6気筒自然吸気エンジンとクロスレシオの6速MTが搭載されており、徹底的な軽量設計と俊敏性とドライバビリティのために最適化されたランニングギアセットアップが互いを補完している。車両重量はわずか1380kg（DIN規格、すべてのフルードを含む）で、現行992型世代の中で最も軽い。
エクステリアデザインには、ポルシェのグランツーリスモとモータースポーツのノウハウが生かされている。これは、曲がりくねった田舎道での走行を最大限に楽しめるように設計された、特に軽快で俊敏なハンドリングに反映している。エンジンだけでなく、ホイールやブレーキも回転質量が低減されているため、特にダイナミックな応答性が保証され、ドライバーの要求に瞬時に反応。ステアリングの動き、アクセルやブレーキのあらゆる圧力が即座に精確に反映される。911 GT3 RSとは異なり、911 S/Tの開発はサーキットでの使用ではなく公道での走行に焦点が置かれた。
この名称によって、911 S/Tは初代911の特にパフォーマンス重視のバージョンの後継であることを示している。ポルシェは1969年に、911 Sに特別なレースバージョンを設定。これらの車両は社内では911 STと呼ばれていた。シャシー、ホイール、エンジン、ボディの変更により、加速、ブレーキング、トラクション、コーナリンググリップが大幅に改良された。大型スポイラーやその他の空力補助装置は、これらのモデルにはまだ用いられなかった。新型911 S/Tは、初代911 S（ST）のスピリットを受け継ぎポルシェ911の現行モデルに移し替えている。この記念モデルは、911 GT3 RSのエレメントと911 GT3のツーリングパッケージ仕様車のボディを組み合わせて、911 S/Tのために特別に開発された軽量コンポーネントで補完。その結果、911 のモデルラインナップの中でもユニークなドライビングエクスペリエンスが提供される。
フェンダーからクラッチまで一貫した軽量設計
911 S/Tはとりわけ一貫した軽量設計により、特に俊敏でダイレクトなハンドリングをもたらす。フロントボンネット、ルーフ、フロントフェンダー、そして目立つインレットを備えたドアは、軽量の炭素繊維強化プラスチック（CFRP）で造られている。ロールケージ、リヤアクスルのスタビライザー、シアパネル（リヤアクスルの補強エレメント）も同様だ。ポルシェはまた、この記念モデルにマグネシウムホイール、PCCB（ポルシェセラミックコンポジットブレーキ）システム、リチウムイオンスターターバッテリー、軽量ガラスを標準装備。断熱材の削減、リヤアクスルステアリングの省略、パワートレインの軽量化により、911 S/Tの車両重量（DIN規格）はわずか1380kg。高速道路での走行にも最適化され、MT仕様の911 GT3ツーリングよりもさらに40kg軽量化されている。
クラッチは軽量版を新たに開発。シングルマスフライホイールとの組み合わせで、回転質量が10.5kg軽量化された。これにより、水平対向自然吸気エンジンの応答性が著しく向上し、息をのむようなスピードで回転数が吹け上がる。911 GT3よりもクロスレシオの6速MTと組み合わせることで、911 S/Tの高回転エンジンはさらにダイナミックに即時性を発揮。わずか3.7秒で100km/hまで加速し、最高速度は300km/hに達する。爽快なドライビングエクスペリエンスは、標準装備の軽量スポーツエグゾーストシステムが奏でる迫力あるサウンドスケープによってさらに高まる。なお911 S/Tは、ダブルウィッシュボーン式フロントアクスルとリヤアクスルステアリングなしのマルチリンク式リヤアクスルを組み合わせる唯一の現行型911で、ダンパーとコントロールシステムもそれに合わせて調整されている。
エアロダイナミクスも、サーキットではなく公道向けに最適化された。標準装備には展開式リヤスポイラーのガーニーフラップをはじめ、フロント20インチ、リヤ21インチの軽量センターロック式マグネシウムホイールも含まれる。一方で超高性能な255/35ZR 20タイヤが、車両のフロントで高レベルのメカニカルグリップを確保。リヤには315/30ZR 21タイヤが装着されている。
CFRP製フルバケットシートも標準装備され、追加料金なしで4ウェイ調節機能付スポーツシートプラスが装着可能だ。インストルメントクラスターとスポーツクロノパッケージの時計は、クラシックなグリーンのポルシェカラーで仕上げられている。
ヘリテージデザインパッケージをオプションで設定
911 S/Tには、オプションで専用のヘリテージデザインパッケージが用意されている。これは、1960年代後半から1970年代前半の911 Sのレーシングバージョンからインスピレーションを得たものだ。
新しいエクステリアカラーのショアブルーメタリックとホイールリムカラーのセラミカは、特にエレガントなこのモデルの専用カラー。要望に応じてドアに0から99までのスターティングナンバーとデコレイティブホイールセンターキャップを取り付けることができる。フロント、ハブキャップ、ステアリングホイール、ヘッドレスト、および車両キーを飾る初代911のクラシックなデザインのポルシェクレストは、911 S/Tの歴史的なルーツを強調する。
インテリアには、クラシックコニャックにブラックのピンストライプをあしらった布製シートセンターが採用されており、伝統に敬意を払う。ツートンカラー（ブラック/クラシックコニャック）のセミアニリンレザートリムとエクステンデッドレザー仕上げ、パンチング加工が施されたRace-Texのルーフライニング、およびポルシェエクスルーシブマニュファクチャーのその他のエレメントもこのパッケージに含まれる。リヤの“Porsche”ロゴと“911 S/T”モデルロゴはゴールドだ。ヘリテージデザインパッケージの価格は税込みで262万2000円。
購入者を対象にクロノグラフウォッチ「クロノグラフ1 – 911 S/T」を特別に販売
911 S/Tの購入者には、クロノグラフウォッチ「クロノグラフ1 – 911 S/T」がポルシェセンターにて特別に販売される。軽量化のためにコーティングとブラスト加工を施していないチタンケースを特徴とするこの特別なタイムピースは、純粋主義の新型911スペシャルエディションの軽量設計の原則を徹底している。クロノグラフの心臓部は、COSC（スイスのクロノメーター検定機関）の認定を得たフライバック機能を備えたポルシェデザインWERK 01.240で、911 S/Tのマグネシウムホイールと同じデザインのローターで作動する。この特別なクロノグラフウォッチの価格は税込みで205万4800円だ。