キュートなルックスながら本格派のクロスオーバー「スズキ・クロスビー」【最新国産&輸入SUV 車種別解説 SUZUKI XBEE】

ワゴン×SUVというコンセプトに、少しクラシカルな雰囲気を漂わせて登場した「スズキ・クロスビー」。キュートな外見の一面、スポーツ/スノーモードを設定するなど、中身はかなり本格的なクロスオーバー。軽自動車販売台数トップ5内に位置する「ハスラー」をSUV化した兄弟分らしく、インテリアもメカニカルな硬質感とアクセントカラーが効いた遊び心にあふれている。パドルシフトという点もギア感覚で、ワクワクするお出かけを後押しするクルマだ。
REPORT:青山尚暉(本文)/小林秀雄(写真解説) PHOTO:平野 陽 MODEL:大須賀あみ

防水シートや防汚仕様の荷室 外遊び派にうれしい機能満載

2017年のデビューから5年強が経つクロスビーは、スズキの人気軽ハスラーの小型車版とも言える存在。

エクステリア

フロントマスクの上質感を高めるメッキフロントグリルや、切削加工を施した16 インチのアルミホイールを全車に標準装備。ボディカラーは3トーンも含む合計13 種類もラインナップされている。最小回転半径は4.7m。

ワゴン×SUVがコンセプトで、丸目のヘッドランプはクラシカルでキュートだが、中身はなかなか本格的なクロスオーバーというキャラである。インテリアはメカニカルなデザインがギア感を演出。パワートレインは1.0ℓ3気筒ターボのマイルドハイブリッドのみ。

インストルメントパネル

アイボリーのインパネを採用したポップな内装。「HYBRID MZ」にはオプションの「ブラウンアクセントパッケージ」も用意されている。ナビゲーションは販売店オプションとして設定され、便利な全方位モニターにも対応。

大きな特徴は全幅1670㎜のナローな車幅。ハスラー同様に雪国のユーザーの声に応えたモデルだけに、最低地上高180㎜に加え、4WDモデルにはスポーツ/スノーの走行モード、グリップコントロール、ヒルディセントコントロールを完備。雪道を含めた走破性に定評がある。

居住性

アウトドアでも大活躍してくれるクロスビーのシートは撥水加工が施され、荷室はハード樹脂素材の防汚タイプが基本。荷室は幅方向がクラス最大級の1305㎜もあり、後席格納時のフラット度も優秀。樹脂部分はかえってキズは目立つが、アレンジ性、使い勝手はなかなかだ。そんなクロスビーの走行性能は、特に操縦性や乗り心地はソリオなどと比べるとやや古さが目立つものの、むしろクロカンらしさあふれるクラシックな乗り味とも言えそうだ。

うれしい装備

「HYBRID MX」を除いて、フロントドアのプレミアムUV&IRカットガラスと、IRカット機能付きフロントガラスを標準装備。
各種デバイスの充電に使えるType-AとType-CのUSB電源をインパネ中央に装備。スマートフォンを置ける収納ポケットも真上に備わる。
月間販売台数   1173台(22年9月〜23年2月平均値)
現行型発表     17年12月(一部仕様変更22年7月)
WLTCモード燃費  18.2km/l ※FF車 

ラゲッジルーム

動力性能はターボの威力、エンジンと相性のいい6速AT、パドルシフトによってこのクラスとしては活発。坂道もグイグイ登る頼もしさがある。意外なのはFFの方が直進安定性、カーブでのタイヤの接地感に優れる点。FFか4WDかで悩まされる。

※本稿は、モーターファン別冊 ニューモデル速報 統括シリーズ Vol.149「2023-2024 国産&輸入SUVのすべて」の再構成です。

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