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アーキテクチャーは新世代。ルックスの進化は明確!
2023年8月2日にランドクルーザー250が発表されてから、オフロード4WDマニアのみならず、多くの自動車ファンから注目を集めている。
「質実剛健を追求し、お客様の生活と実用を支え、お客様に信頼されるクルマ」、「人々の生活と実用を支える」といったランドクルーザーの本質を突き詰めた原点回帰のコンセプトながら、充実した先進安全機能や伝統とモダンを融合したデザインを取り入れることで都市型クロスオーバーSUVを求める層にもリーチするモデルに仕上がっていることで、広く注目されているのだろう。
また、新世代の「GA-Fプラットフォーム」はトヨタのクロスカントリー4WDにおけるフラッグシップであるランドクルーザー300系と同じもので、メカニズム的にもトランスミッションの変速比をハイ/ローに切り替えることのできる副変速機付きのトランスミッションを持つなど、道なき道を行くクロスカントリー4WDの本質を追求したものといえる。
ボディサイズは大きくなりすぎたとの声もあり?
上級モデル譲りのアーキテクチャーとなり、スタイリングも完全に新しくなったとなればもろ手をあげて「最新こそ最良」と言いたくなるところだが、現在プラドに乗っているようなファンからすると気になるところもありそうだ。
数値的にネガを感じてしまうのは成長しすぎたボディサイズではないだろうか。
ランドクルーザー250(プロトタイプ)のボディサイズは全長4925mmと現行プラド(150系)に対して100mmも長くなっている。これは許容できるとしても、250の全幅が1980mmでプラド比で95mmもワイドになっているのは扱いづらさを感じさせる。トヨタいわく「ミラーtoミラーの数値は2115mmでプラドより65mmも短くしている」というが、2mに迫ろうかという全幅はドアの開け閉めなどでも気を遣うことになりそうだ。
ランドクルーザー250のホイールベースが2850mmで、プラドから60mmほど長くなっているのは、キャビンの余裕につながっていることは期待できるものの、オフロード4WDとしてはショートホイールベースであるほど走破性に有利といえることから、マイナスポイントと感じてしまうファンもいるかもしれない。
パワートレインはほとんど変わっていない?
パワートレインについて、海外向けには2.4Lターボと8速AT、そしてモーターを組み合わせたハイブリッドも設定されるというが、日本向けは2.8Lディーゼルと2.7Lガソリンの2種類になるとアナウンスされている。
ディーゼルのスペックは最高出力204ps(150kW)、最大トルク500Nm。ガソリンのほうは最高出力163ps(120kW)、最大トルク246Nmと発表された。このエンジンの組み合わせはランドクルーザープラドと同等で、エンジンスペックの数値もまったく同じ。ディーゼルについてはプラドが6速ATなのに対して250は8速ATになるという進化は遂げているが、キャリーオーバー感は否めない。
2.4Lターボハイブリッドは、現時点では北米および中国市場向けとされているが、日本への導入は“検討中”とのことなので、早期導入に期待したい。
もちろん、最新の規制にあわせて各所がアップデートされているはずだが、ユーザーが期待するパフォーマンス面において圧倒的な進化を遂げているというのは期待薄だろう。この点についてだけいえば、プラド・オーナーが、ランドクルーザー250を羨ましく感じる必要はない。
プラドの誇っている高いリセールバリューを考えると、モデルチェンジによって買取価格が下がってしまう前に手放しておくというのは賢い選択になるかもしれないが、慌ててランドクルーザー250へ買い替える必要はないといえそうだ。