N-BOXの燃費は良い?悪い?年間維持費や競合車種と比較

この記事では、ホンダ N-BOXの燃費や年間維持費の目安について紹介します。

購入する際、燃費性能に注目する人も多いでしょう。軽自動車といえども燃料代は、家計やお小遣いに直結する部分ですし、ガソリンの高騰は切実な問題ですよね。

1リッターのガソリンでどれくらいの距離を走るのか示した燃費のデータや、ライバル車との比較などについて、まずはご紹介。毎年かかってくる税金もありますので、維持費の目安についても確認していきます。

N-BOXの基本情報・燃費情報

ホンダ N-BOX

ホンダ N-BOXは、同社を代表するヒットモデル。2023年の上半期(1〜6月)でも登録車を含む新車販売台数で第1位を獲得するなど、国産車を代表する1台と言える存在です。

ボディ形状はスーパーハイトワゴンと呼ばれるスタイルで、背高のボディにスライド式のリアドアを設置。この2代目モデルは、「日本の家族のしあわせのために」をコンセプトにして、ファミリーカーの新たなスタンダードとなることを目指して開発されています。

ベーシックグレードのGを除き、それぞれのグレードに、ターボ有りと無しをラインアップ。トランスミッションはCVTで、駆動方式は全グレードにFFと4WDを用意します。また、全グレードに先進の安全運転支援システム「Honda SENSING(ホンダセンシング)」を標準装備します。

通常モデルのほか、リアゲートから車いすのまま乗り込めるスロープ仕様を設定。こちらは専用装備として車いす用の電動ウインチなども装備する福祉車両で、消費税も非課税となるモデルです。

下記の一覧にあるほか、個性的な内外観で仕立てたカスタムも用意しています。

この2代目モデルのデザインに関して開発者は、上級ミニバンのような安定感と力強さを感じさせる初代の魅力を受け継ぎ、そのうえで、日本のファミリーカーのあるべき姿を究極まで突き詰めようとしました。エクステリアデザインの質の高さも、2代目モデルの魅力と言えます。

メーカー ホンダ
車種 N-BOX
全長×全幅×全高 3395×1475×1790~1815mm
車両重量 890~1030kg
排気量 658cc
ドア数 5
トランスミッション CVT(無段変速車)
駆動方式 FF/フルタイム4WD
定員 4名
WLTCモード燃費 19~21.2km/L
JC08モード燃費 23.4~27.0km/L
新車価格帯 146.85〜208.6万円(スロープの消費税は非課税)

N-BOXのグレード別燃費・価格比較

ホンダ N-BOXのグレード別の燃費は以下の通りです。

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グレード トランスミッション 駆動方式 WLTCモード燃費
G CVT(無段変速車) FF 21.2km/L
L CVT(無段変速車) FF 21.2km/L
G CVT(無段変速車) フルタイム4WD 19.8km/L
G・スロープ CVT(無段変速車) FF 21.2km/L
EX CVT(無段変速車) FF 21.2km/L
L CVT(無段変速車) フルタイム4WD 19.8km/L
L・スロープ CVT(無段変速車) FF 21.2km/L
G・スロープ CVT(無段変速車) フルタイム4WD 19.8km/L
L・ターボ CVT(無段変速車) FF 20.2km/L
L コーディネートスタイル CVT(無段変速車) FF 21.2km/L
EX CVT(無段変速車) フルタイム4WD 19.8km/L
EX・ターボ CVT(無段変速車) FF 20.2km/L
L・スロープ CVT(無段変速車) フルタイム4WD 19.8km/L
L・ターボコーディネートスタイル CVT(無段変速車) FF 20.2km/L
L・ターボ CVT(無段変速車) フルタイム4WD 19km/L
L コーディネートスタイル CVT(無段変速車) フルタイム4WD 19.8km/L
L・ターボ・スロープ CVT(無段変速車) FF 20.2km/L
EX・ターボ CVT(無段変速車) フルタイム4WD 19km/L
L・ターボコーディネートスタイル CVT(無段変速車) フルタイム4WD 19km/L
L・ターボ・スロープ CVT(無段変速車) フルタイム4WD 19km/L

2代目N-BOXでは、軽量化ボディのほか、新設計エンジンを投入しています。ターボ無し(NA)エンジンにi-VTECを、ターボエンジンには電動ウェイストゲートを採用するなど、燃費性能を追求しながら気持ちよく走れるエンジンに仕立てているのが特徴です。

ターボ無し(NA)モデルに搭載するエンジンは658cc直列3気筒DOHC12Vで、58psの最高出力と6.6kg・mの最大トルクを発揮。一覧表にまとめた燃費データ(カタログ値)を見ていくと、やはりこのNAモデルが燃費では優れ、FFで21.2km/Lという燃費性能を持っています。

ターボモデルは、最高出力64psと最大トルク10.6kg・mを発揮。パワーに余裕がある分、1km/Lほど燃費データはダウンするものの(FF同士の比較)、20km/L台をクリアしているのが注目点。走りのよさは鮮明で、加速のパンチなどを求めるならターボモデルは魅力的です。

N-BOXと競合車種の燃費比較

以下では、ホンダ N-BOXと比較検討されることが多い「ダイハツ タント」「スズキ スペーシア」「日産 ルークス」の燃費を比較します。

競合車種の燃費比較

  • N-BOXとタントの燃費比較
  • N-BOXとスペーシアの燃費比較
  • N-BOXとルークスの燃費比較

N-BOXとタントの燃費比較

ダイハツ タント

ホンダ N-BOXとダイハツ タントの燃費比較は以下の通りです。

車種 トランスミッション 駆動方式 WLTCモード燃費
ホンダ N-BOX CVT(無段変速車) FF/フルタイム4WD 19~21.2km/L
ダイハツ タント CVT(無段変速車) FF/フルタイム4WD 18.2~22.7km/L

燃費性能は、カタログデータでは、N-BOXはNAモデルが21.2km/L、ターボモデルが20.2km/L。一方、タントはNAが22.7km/L、ターボが21.2km/Lとなっていて、若干ですがカタログ値はタントの方に軍配が上がります。

どちらも軽スーパーハイトワゴンのボディスタイルですが、エクステリアで、洗練さや上質さを求めたN-BOX。それに対してタントの標準モデルはどこか穏やかな印象のフロントマスクを採用し、ファミリーユースをまず狙っている印象を感じるエクステリアです。

タントの魅力のひとつであるミラクルオープンドアなどの装備は、N-BOXには用意されていません。ただし、タントではメーカーオプションとなっているクルーズコントロールやレーンキープアシストといった高速道路で役立つ機能は、N-BOXでは標準装備します。

N-BOXとスペーシアの燃費比較

スズキ スペーシア

ホンダ N-BOXとスズキ スペーシアの燃費比較は以下の通りです。

車種 トランスミッション 駆動方式 WLTCモード燃費
ホンダ N-BOX CVT(無段変速車) FF/フルタイム4WD 19~21.2km/L
スズキ スペーシア CVT(無段変速車) FF/フルタイム4WD 20.2~22.2km/L

スペーシアも軽スーパーハイトワゴンのスタイルを採用しますので、N-BOXを検討するときに比較することが多いモデルです。

スペーシアは全グレードがマイルドハイブリッドとなる点が特徴です。燃費データ(カタログデータ)は、NAモデルではN-BOXが21.2km/L、スペーシアが22.2km/Lです。ターボモデルはスペーシアではカスタムにラインアップしていて、燃費データはN-BOXの20.2km/Lに対して、19.8km/Lとなります。NAモデルではスペーシアのほうがデータはよく、ターボではわずかながらN-BOXのほうがデータは優れます。

スペーシアは、スーツケースをモチーフにした遊び心あるデザインのインパネで、助手席側にはBoxティッシュが入るスペースやアッパーボックスなどを備えます。小物収納にもデザインを取り入れているのがスペーシアの魅力です。N-BOXではシンプルかつ便利を追求した印象で、助手席前には大きなインパネトレイが用意されています。

外観ではN-BOXのシャープな印象のフロントマスクに対して、スペーシアはフロントマスクが愛嬌のあるキュートな印象。また、上級グレードに採用するルーフ部分を塗り分けた2トーン仕様は両者で設定していますが、シックなブラウンルーフのN-BOXに対し、スペーシアではホワイトルーフとなります。

N-BOXとルークスの燃費比較

日産 ルークス

ホンダ N-BOXと日産 ルークスの燃費比較は以下の通りです。

車種 トランスミッション 駆動方式 WLTCモード燃費
ホンダ N-BOX CVT(無段変速車) FF/フルタイム4WD 19~21.2km/L
日産 ルークス CVT(無段変速車) FF/フルタイム4WD 17.5~20.9km/L

日産のラインアップのなかで全高のあるトールスタイルモデルとしてルークスがあります。日産による企画・開発、生産は三菱で行われるeKスペースの兄弟車で、パワーユニットはマイルドハイブリッド仕様になっています。

燃費データ(カタログ値)を比較すると、NAモデルがN-BOXの21.2km/Lに対してルークスは20.9km/L。ターボモデルはN-BOXの20.2km/Lに対してルークスが19.2km/Lです。N-BOXがNAで0.3km/L、ターボで1km/L高い数値となっています。

N-BOXは、渋滞追従機能付きACCや車線維持支援システム(LKAS)など「Honda SENSING(ホンダセンシング)」を全車に標準装備。ルークスは、上級モデルに高速道路でハンドル操作もアシストしてくれるプロパイロット仕様を用意します。

そのほかルークスでは駐車の際などに便利なインテリジェントアラウンドビューモニターを一部グレードを除き標準装備するので、燃費データだけでなく、機能や装備などにも注目しながら検討するとよいでしょう。

N-BOXの年間維持費をシミュレーション

N-BOXの年間維持費をシミュレーション

自動車税 10,800円(軽自動車税 種別割)
自動車重量税 5,000円(2年分)
自賠責保険 17,540円(24か月分)
点検・車検費用 約45,000円
ガソリン代 約85,000円
任意保険 約46,000円
年間維持費合計 約210,000円
月間維持費合計 約17,500円

※最初の車検(新車から3年の初回継続車検)を受ける年について、一例を記しています。
※「点検・車検費用」は、代行手数料なども含める一例として掲載しています。
※「ガソリン代」は、1年間に10,000kmを走行することを想定し、WLTCモード21.2km/L、ガソリン代は180円/Lで計算しています。
※「任意保険」は概算です(車両保険を付けない一例)。契約者の年齢や等級、契約時の条件などによって異なります。
※年間維持費合計は項目ごとの額を合算したもので、それを12で割ったものを月間維持費合計として掲載しています。

N-BOXは、新車購入時の環境性能割(以前の取得税に当たる)が非課税。重量税も新車購入時は50%減税または25%減税となります(カスタムのターボ4WDは減税対象外)。また軽自動車税(種別割)が年度の途中での購入ならば翌年の4月まで税金はかからないのは軽自動車税ならではのお得ポイントです。

上記の表組みは、維持費などをシミュレーションするため、最初の車検(新車時から3年目の車検)を受ける年をイメージして概算で試算しています。多くの項目で安く収まるため、年間の維持費も低く抑えられる軽自動車を選ぶメリットがあります。上記の金額に加えて、駐車場代や高速道路利用料金などがプラスとなるので、実際の利用環境に合わせてシミュレーションすることで、より正確なランニングコストが確認できます。

N-BOXの燃費の良い走り方のポイント

N-BOXの燃費の良い走り方

燃費性能に優れる軽自動車でも、運転を丁寧に行わないと、本来の性能を発揮できない場合があります。ここでは、良い燃費で走るためのポイントについてまとめていきます。

  • ふんわりアクセルでやさしい発進
  • 車間距離に注意することで加減速を少なめに
  • ECONモードなど機能を活用する

軽自動車に限ったことではないですが、発進時に最初の5秒で時速20km/hまで加速することを目安に緩やかなスタートを行うだけで、11%ほど燃費が改善します。

しかも、なるべく加減速を少なくするように走ると燃費にはメリットがあります。そのためには、車間距離がポイントです。車間距離に余裕があれば、速度にムラのある走りを避けることができます。

N-BOXには、ECONモードという機能があります。これは、エンジンやエアコンといった、クルマ全体の動きを燃費優先で自動制御する機能ですので、これも活用しましょう。また、燃費にいい運転をするとメーター中央の照明色がグリーンに変わるアンビエントメーターを装備します。なるべくグリーンになるように運転すると、上手にエコドライブできます。

N-BOXは新車・中古車どちらで買うべき?

ホンダ N-BOXの燃費情報を踏まえたうえで、新車・中古車どちらで買うべきか検討時のポイントを解説します。

新車・中古車どちらで買うべき?

  • N-BOXの新車購入がおすすめの人
  • N-BOXの中古車購入がおすすめの人

N-BOXの新車購入がおすすめの人

ボディカラーやオプションなど、好みの仕様にこだわるなら新車での購入がおすすめです。スポーティなデザインが魅力のModuloのアルミホイールなどディーラーオプション(販売店装着オプション)も多様に用意されるので、自分だけの1台に仕上げられ、しかも車体のオートローンに一緒に組み込めて、月々の支払いをシンプルにすることができるのも、新車購入のメリットになります。

N-BOXの中古車購入がおすすめの人

N-BOXは、ヒットモデルなだけに非常に多くの台数が中古車で存在し、たくさんの選択肢のなかで検討できます。2021年12月に一部改良を行い、電子制御パーキングブレーキやACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)に渋滞追従機能を追加していますので、より便利さを求めるならこの改良以降のモデルを選ぶのがいいでしょう。

納車がスピーディなのも中古車の魅力ですが、うまくいくと、新車とほとんど変わらない登録済み未使用車に巡り会える可能性もあります。なお、その際、メーカー保証の継承の手続きも対応してくれるかなども確認したいポイントになります。

N-BOXの燃費についてまとめ

今回は、ホンダ N-BOXの燃費についてご紹介しました。

N-BOXはホンダが誇るベストセラーモデルで、デザインをはじめ走りや使い勝手など各項目で高いクオリティを備えているのが注目のポイントです。

燃費性能も含め、ランニングコストが抑えられるのは軽自動車の大きなメリットですが、N-BOXは、広く快適な室内と、ファーストカーとして存分に使える上質さも魅力です。軽自動車というジャンルの枠を飛び越え、積極的に選ぶ理由のある1台と言えそうです。

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